医療痩身

これまで、いろいろなダイエットを試してきたけど痩せられなかった方、セルフではいつも長く続かない方は、医師の指導のもと、「薬で痩せる」という選択肢もあります。ここではクリニックで処方される内服薬について、その種類や特徴、服用の注意点などを詳しくお教えします。

ダイエット,薬

ダイエットがしたい!とネットで色々調べていると、「1週間で◯キロ痩せる!」など効果を大々的に謳ったダイエットサプリの広告を目にすることも多いかもしれません。これらの商品の中には、効果がほとんど出ないような悪質なものも紛れているので、購入には注意が必要です。

じゃあ、どうやって本物を見極めればいいのかわからないといった人は、医療機関で処方してもらえるダイエット薬を試してみるのはいかがでしょうか?
今やダイエットは、エステやジム、口コミやネット情報といったいわゆる民間療法の枠を超え、医療の力でより計画的に、且つ安全に行えるものとなってきました。
これまで、いろいろなダイエットを試してきたけど痩せられなかった方、セルフではいつも長く続かない方は、医師の指導のもと、「薬で痩せる」という選択肢もあります。運動や食事制限などに比べると、直接身体に作用する薬は、少し怖いと感じる方もいるかもしれません。

ここでは、そんな不安を払拭すべく、クリニックで処方される内服薬について、その種類や特徴、服用の注意点などを詳しくお教えします。

「薬でダイエット」って一体どんなもの?

「薬でダイエット」って一体どんなもの?

クリニックで、医師の指導のもと、処方されたお薬でダイエットをすすめていくことを、メディカルダイエットといいます。以前は高度肥満の治療として、肥満外来などで行われることが主でしたが、近年では、美容医療を行っているような美容クリニックでも、美容のためのダイエット目的で薬を処方することが増えてきました。

ここで用いられる薬がいわゆる「ダイエット薬」。医療機関が取り扱うダイエット薬には、食欲を抑えるもの、糖質の吸収を阻害するもの、脂質の排出を促すものなど、目的別にいくつか種類があります。いずれも副作用や服用の注意点があり、医師の指導を受ける必要がありますが、食事制限や運動が自分では難しいと感じる方や、これまでやみくもに「ダイエットをしては失敗」を繰り返してきた方に適した方法といえるでしょう。

また、食事・エクササイズの指導などと合わせて薬を処方してくれるクリニックもあるので、クリニック選びの際にはそのあたりの情報も調べてみるといいかもしれません。

目的、タイプ別に薬をご紹介。副作用はあるの?価格は?

目的、タイプ別に薬をご紹介。副作用はあるの? 価格は?

医療機関で扱うダイエット薬には、作用によって①食欲を抑制するもの②糖質の吸収を抑えるもの③油分の吸収を抑えるもの、と大きく3つの種類に分類できます。

副作用や特徴を知り、ご自身の体質や性格、生活習慣や持病の有無などを鑑み、医師の指導のもと、より適したものを選んで正しく服用しましょう。価格はクリニックによってかなり開きがあります。記載の金額は大体の目安として参考にしてください。

昨今は、新型コロナの影響でオンライン診察化が進み、全国のクリニックから選ぶことが出来るので、価格帯なども比較しながら探してみるのも良いかもしれません。

食欲抑制剤

食欲調整中枢などに直接作用し、摂食抑制、消化吸収抑制、消費エネルギー促進などの効果が期待できる薬です。自分では食欲のコントロールができない、一回の食事量が多い、間食が我慢できない、ドカ食いしてしまう…などの方に向いています。脳に直接働きかけるものが多いため、空腹ストレスの少ない計画的なダイエットを可能にします。

サノレックス

マジンドールが主成分となっている厚生労働省より唯一認可されている食欲抑制剤。満腹中枢を刺激することで、少ない食事量で満腹感を得られるため、空腹のガマンやイライラをほとんど感じることなく食事制限が可能だとされています。また消費エネルギーや代謝を促進させることにより、肥満を改善する効果が期待できます。

サノレックスの薬理学的特性はアンフェタミンという覚せい剤の成分と似ているため、依存に対する注意が必要です。数週間程度で薬に耐性ができてしまうため、続けて服用しても身体的な効果はなくなりますが、精神的に「薬がないと不安」といった依存が出る場合もあるため、必ず医師の指導を受けて服用を開始してください。

服用法:定期ではなく、食欲を抑えたい時に服用するケースが多い。夜に服用することで睡眠に障害が出る可能性があるため、昼食前の服用が推奨されている。服用継続期間は最長三か月。それ以上はインターバルを開け、要相談

副作用:約20%の人に起こる。口の渇き、便秘、ごくまれに頭痛、眩暈、むかつき、不眠など。精神依存にも注意が必要

価格:1錠800円~2000円程度(クリニックによりかなり差がある) BⅯI(体重÷身長÷身長)35以上は保険適用

BBX

タイの食品医療承認局が承認している食欲抑制サプリメント。ストレスによって分泌されるコルチゾールを抑制する効果があり、「ストレスが溜まるとやけ食いしてしまう」「無性に甘い物が食べたくなる」などの衝動が起こりやすい人におすすめです。ドカ食い誘発成分ともいえるコルチゾールの分泌を抑えることにより、無理なく食欲を抑え、脂質の蓄積を減らす効果が期待できます。また、脂肪の吸収を抑え、摂取したカロリーの50%もカットするとも言われています。

服用法:食欲を抑えたいなら空腹時、 摂取カロリーをカットしたいなら食前に

副作用:ほとんどない。服用初期にまれに下痢、虚脱感など

価格:30錠10,000円程度~

糖質吸収抑制剤

血糖値の上昇を抑え、糖を吸収せず体外へ排出するSGLT2(エス・ジー・エル・ティー・ツー)阻害薬、または、食事で摂取した糖分をエネルギーに変えるインスリンの働きを制御し、糖が身体に吸収されることを抑制するαグルコシターゼ阻害剤、の2種薬が主。食べ過ぎるわけでも、脂質を多く取りすぎるわけでもないけれど、ご飯やパン、麺類といった炭水化物中心の食生活の方、甘い物が好きな方、ついついお菓子を食べてしまう方におすすめです。食欲抑制剤と併用すると更に効果が大きくなるともいわれています。

フォシーガ(SGLT2阻害薬)

尿に糖を出すことで血糖を下げる内服薬です。もともと2型糖尿病の治療薬として研究開発された薬で、食事から摂取した余分な糖分(グルコース)を尿として体外に捨てることができるため、体重の減少が期待できます。食べたものの吸収を抑えるので、食事量を減らさずに痩せられるという特徴があります。

服用法:1日1回1錠

副作用:頻尿、尿量の減少、脱水、喉の渇き。まれにめまい、だるさ、吐き気。女性は膀胱炎、尿道・膣の感染症など。ほかの薬と併用すると低血糖を起こす可能性がある

価格:20錠4,500円程度~

ボグリボース/アカルボース(αグルコシターゼ阻害剤)

糖質の消化・吸収を遅らせる内服薬。食事で摂取された炭水化物は、小腸内でα-グルコシダーゼという酵素によって糖質に分解されます。「ボグリボース」はこのα-グルコシダーゼの働きを阻害することで、糖質の消化・吸収を遅らせます。結果、体内の糖質が一時的に足りない状態となり、備蓄されている脂肪が使われることでダイエット効果につながります。

服用法: 1日1~3回 食前に1錠

副作用:おならが多くなることや腹部膨張感。まれに低血糖状態。その場合には砂糖を摂取するのではなくグルコースを直接摂取する必要があります。

価格:ともに10錠2,100円程度~

脂肪吸収抑制剤/油分排泄剤(リパーゼ阻害剤)

中性脂肪を分解する消化酵素リパーゼの活性を阻害し、食べ物から摂取した脂肪を体内へ吸収せず便として排出します。これにより消化管の脂肪吸収を30%前後抑制する効果があるとされ、スムーズな体重減少が期待できます。薬成分そのものも、体内にはほとんど吸収されず排出されるため、体内に残りません。ほかの薬と併用しても作用の増強などの影響がなく、持病があっても常服薬があっても比較的安心に服用できるといわれています。

ゼニカル

17か国以上で承認されている肥満治療薬。有効成分オルリスタットが腸内で摂取した油分脂肪分の吸収を30%カットし、外へ便と一緒に排出します。あまり食事制限をしたくない方、高カロリー、脂っこい食べ物が好きな方などにおすすめ。

服用法:一日2~3回、1錠、食後

副作用:約20%の人、頻繁な便意、下痢、ガスや脂の漏出。また、脂溶性ビタミンが欠乏しがちになるため、マルチビタミン剤との併用が推奨されている

価格:1錠280円程度~

オルリファスト

ゼニカルのジェネリック医薬品。

ダイエット薬のリスクと注意点

ダイエット薬のリスクと注意点

副作用について

医療機関で取り扱っているダイエット薬は、市販のサプリメントと比べ、が高いぶん副作用も出やすくなっています。めまいや吐き気、下痢などの身体的な副作用もあれば、薬物依存やうつなど精神的なものもあり、その出方や重さも人それぞれです。

また、妊娠中や授乳中、持病や年齢などにより服用してはいけない場合もありますので、必ず医師の指導のもと行う必要があります。外国での副作用の症例から日本ではまだ認可されていないものも多く、独断で服用するのは危険が伴いますので、ネット購入などは避け、医療機関で医師と相談しながらすすめてください。

リバウンドについて

メディカルダイエットは、単に体重を落とすだけはなく、根本の体質改善を目指すため、リバウンドはしにくいと言われています。が、食欲や脂肪吸収を抑えていた薬の服用をやめてしまえば、食欲と吸収はもちろんもとに戻ります。服用が終わり、理想体重になったと喜んでいたのも束の間、急なドカ食いでリバウンドという話もないわけではありません。せっかく手に入れた美ボディを定着させるためにも、意識を変え「食事に気をつけ、適度な運動をし、ストレスを溜めない」この3つをしっかりと無理なく楽しみながら行っていきましょう! 

まとめ

いかがだったでしょうか。今回ご紹介できたのはほんの一部のお薬ですが、作用やアプローチによって種類があることがわかりました。「これなら自分に向いているかも」と思えたお薬はありましたでしょうか? 

ダイエットは自分を知ることから始まります。体質はもちろん、「これがやめられたらな…」と思っているけどやめられない性格も、スペシャリストを巻き込んでしまえば変われる気がしてきませんか? 太ってしまう原因をきちんと探って、身体やメンタルに無理のない提案を、きっとしてもらえるはず。失敗を繰り返してきたこれまでのダイエットを思えば、お金も時間も無駄がないのが医療ダイエットの強みです。

いろいろやってダメだったなら「薬でダイエット」という選択肢があります。気になったらまずは相談してみてください!

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