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40代~50代の女性を対象に行われた「毛穴に対する調査」によると、約6割の女性が「毛穴の悩みがある」と回答、また「毛穴の悩みはいつ頃から感じていますか」という問いでは、40歳前後と答えた方が一番多くなっています(【毛穴に対する調査】佳秀工業株式会社)。
年を重ねるごとに気になってくる毛穴の開き、改善するにはどうすればいいのでしょうか。今回は、毛穴が開いてしまう原因やその対策、美容クリニックでの治療の種類についてご紹介します。
毛穴はどんな役割をしているの?
毛穴は「毛が生えるためのとても小さな穴」で、0.2mm程度の大きさしかありません。体全体で約500万個、顔全体では約20万個もある毛穴には4つの大切な役割があります。
- 保護:ほこりや化学物質などの外的刺激から肌を保護する
- うるおい:皮膚のうるおいを保ち、乾燥を防ぐ
- デトックス:汗や皮脂とともに体内の老廃物を排出する、体温調節を行う
- 抗菌:皮脂膜は弱酸性なので、雑菌や病原菌の増殖を防ぐ
毛穴が機能していればしっとりした美肌をキープできますが、一旦バランスが崩れてしまうとトラブルが起き、毛穴が目立つようになります。
肌質別にみる毛穴が開いてしまう原因
肌質別に、毛穴が開いてしまう原因と対策を見ていきましょう。
乾燥肌
エアコンによる空気の乾燥、紫外線、メイクの負担などで肌の水分が奪われ、ハリが無くなることで毛穴が目立ってきます。また、毛穴は乾燥から肌を守ろうと皮脂を大量に分泌するため大きく広がってしまい、肌のキメが乱れてしまうことも原因の一つです。乳液やクリームをたっぷりと使い保湿をすることで、足りない水分をしっかり補い、お肌をふっくらさせましょう。
脂性肌、オイリー肌
脂性肌の方は生まれつき皮脂腺が大きく、毛穴が開いています。皮脂量が過剰に分泌されると出口が大きくなってしまうため、どうしても毛穴が目立ってしまいます。毛穴が詰まらないよう、しっかり洗顔と保湿を行うことを心がけましょう。
敏感肌
イライラすることが増えると、なぜか肌荒れしてしまうことはありませんか?不規則な生活やストレスにより、ホルモンバランスが崩れて免疫力が低下し、様々な肌トラブルを引き起こしてしまうのです。規則正しい生活やストレス発散を意識して、気持ちの良い生活を心がけていくと良いでしょう。
ニキビ肌
ニキビ肌は皮脂腺が活発なためにニキビができやすい方です。ニキビは潰すと毛穴が開いたままのクレーター状になってしまいます。またニキビを治したいがために一日に何度も顔を洗う、油っぽいからと保湿を怠るなどの間違ったケアをすることで肌が乾燥し、過剰に皮脂が分泌して毛穴が詰まり逆に悪化してしまうことも。過剰な洗顔は避けて優しく洗い、しっかり保湿をしましょう。
あなたの毛穴はどんな状態?
肌の状態別に、原因と対策をみていきましょう。
初期段階の「詰まり毛穴」
毛穴に詰まっている白っぽいもの、毛穴パックをした後に残るポツポツとしたものが毛穴の汚れ=角栓です。角栓は埃やメイクなどの汚れと混ざり合って毛穴に溜まったものです。特にTゾーンは皮脂分泌量が多く毛穴が開きやすいので、この部分を中心にきちんとケアすることが大切です。
進行が進んだ「黒ずみ毛穴」
鼻の毛穴がポツポツ黒くなった「いちご鼻」。白っぽい角栓が空気に触れて徐々に酸化し、茶色っぽく変色して固まります。酸化した黒ずみは色素沈着してシミになってしまうこともあるため要注意。鼻の周辺は皮脂の分泌が多く、黒ずみやすくなるため、毛穴の汚れをしっかり落として保湿をすることが大切です。
加齢とともに「たるみ毛穴」
年齢を重ねてくると保湿低下やコラーゲン不足が原因となって肌がたるみ、毛穴のまわりがゆるんでしずく型に垂れ下がってきます。一度緩んでしまった毛穴は元に戻すことはできません。症状をこれ以上進行させないことが重要です。スキンケアとともにエイジングケアも取り入れてみると良いでしょう。
遺伝要素的な「開き毛穴」
開き毛穴は生まれつき皮脂腺が大きいため、毛穴も広がり気味でどうしても目立ってしまいます。このタイプは脂性肌の人が多く水分が不足がちなので、ニキビなどのトラブルが起こりがち。汚れを溜めないように、洗顔と保湿を心がけましょう。
セルフケアで毛穴レスをめざすには?
毛穴を開かないようにするためには、「洗顔」や「保湿」がポイントです。
洗顔を見直してみよう
毛穴の詰まりを改善するには、洗顔で汚れをしっかりと落とすことが大切です。だからといって毛穴パックを頻繁に使用したり、ゴシゴシと強く洗って毛穴に刺激を与えたりしてしまうと、肌が乾燥して皮脂の過剰分泌に繋がるためかえって逆効果になります。
【洗顔のポイント】
- 朝は洗顔料や石鹸で軽く洗顔
- 夜はクレンジングを使ってしっかりとメイクを落としてから洗顔
- 洗顔料や石鹸はしっかり泡立て、泡が肌を滑るように擦らず優しく洗う
- 泡がつぶれない程度の優しい力で丁寧に洗う。ゴシゴシ洗いは厳禁!
- Tゾーンは頻繁にトラブルが起こりがち。特に優しく、念入りに丁寧に洗いましょう
しっかり保湿してみよう
肌の乾燥を防ぐには毎日の保湿ケアが不可欠です。油っぽいからと化粧水だけのケアにしたり、使用量を減らしたりしていませんか。水分と油分のバランスが整う元気なお肌を目指しましょう。
【保湿のポイント】
- 洗顔後はできるだけすぐに保湿ケアをする
- 基礎化粧品は洗顔と同様、優しく薄く塗る
- 鼻は油分が多くべたつき気味ですが、保湿は必要です。忘れずにお手入れを!
生活習慣を見直してみよう
肌の健康には自律神経やホルモンバランスも大きく影響します。規則正しい生活を送り、ストレスや疲労をためないように過ごすことも大切です。気分転換やリラックスできることを探してみましょう。ただし、喫煙は控えた方がベターです。食生活も肉類、アルコール類、スナック菓子などは皮脂の分泌を促進するので、なるべく控えましょう。
逆に皮脂の分泌を抑制する肌に良い食べ物は
- ビタミンC:果物、ホウレンソウ、カリフラワーなど
- ビタミンB2:アーモンド、玄米、納豆、海苔など
- ビタミンB6:まぐろ、ごま、ささみ、大豆など
これらの食材を積極的に食べたいところですが、難しい場合はお手軽なサプリメントを頼ってみるのもいいかもしれません。
もっと効果を得たいあなたにおすすめ~美容クリニック~
毎日セルフケアを頑張ってはみたものの、効果が上がらず「もう無理なのかしら・・・」と諦めてはいませんか?自分でケアしきれなかった毛穴トラブルは、エステや美容クリニックでプロの手を借りてみるのも一つの方法かもしれません。
美容クリニックをおすすめする理由
美容のプロというと、エステサロンや美容クリニックが思い浮かぶのではないでしょうか。エステサロンと美容クリニックの大きな違い、それは美容クリニックが「医療機関である」ということです。医師や看護師の監視下で治療を受けられるため、肌が弱く不安な方や、万が一肌トラブルがあったとしてもすぐに医師による診察を受けられる安心感があります。また高出力の医療機器を使用するため、効果や通院回数に差が現われることも美容クリニックをおすすめする理由です。
美容クリニックで受けられる施術法
美容クリニックではどのような施術法が受けられるのでしょうか。
強力保湿で肌表面をならす~イオン導入
イオン導入は肌に必要な栄養分を電気分解して(イオン化)、通常では到達しない肌の深いところまで浸透させる美肌治療です。
- 治療時間 顔全体で約30分~40分
- メイク、洗顔は治療直後より可能
表皮の入れ替えを促進~毛穴ピーリング
ケミカルピーリングは化学薬品を使用する治療で医療行為とみなされるため、現在では皮膚科などの医師でなければ施術できなくなりました。グリコール酸や乳酸などを用いて角質や表皮を薄く剥がし、肌を生まれ変わらせる治療法です。
- 施術時間 60分程度
- メイク、洗顔は当日から可能
コラーゲン組織の再生~ジェネシス
ジェネシスは表皮層に働きかけ肌の代謝を促進することで、コラーゲンの再生や毛穴の引き締め、小じわなどを改善します。ピーリング効果によりにきび跡にも効果的と、1台で何通りもの働きができるレーザー治療器です。
- 施術時間 約20~30分(照射数による)
- ダウンタイムがない(治療が終わったら、そのままお化粧して帰宅できる)
ハリを出す~水光注射
水光注射は3~9本の極細の針で成分を注射します。針が刺さる時に皮膚とその下の層がわずかに傷つけられ、この傷を治そうとする創傷治癒反応によってコラーゲンの増生や皮膚再生が促されます。それによって肌にハリが生まれ、小さなシワや毛穴の開きなどが改善されます。
- 施術時間 麻酔込みで60分程度
- 希望者は麻酔可能
- 施術直後に効果を実感できる
- 数日赤みが出る可能性もある
肌の再生~フラクショナル、ダーマペン、フォト、プラズマ治療など
毛穴の凹凸など、肌表面のざらつきには肌の再生を促すフラクショナルやダーマペンという施術方法があります。肌そのものの再生や肌質改善に有効です。
- 施術時間 約1時間(フラクショナル)、90分弱(ダーマペン)
- 赤みが出るので十分な冷却が必要(フラクショナル)
- 洗顔、メイクは翌日より可能(フラクショナル)
- 1回で効果が実感できる(ダーマペン)
その他の治療
化粧品よりもより効果の高い院内処方コスメなど。
- 皮脂の分泌を調整 ハイボン(ビタミンB2)
- ターンオーバーを促進する働き ピドキサール(ビタミンB6)
- シミや色素沈着を防ぎ、コラーゲンの生成を促す シナール(ビタミンC)
まとめ
一人ひとり肌の状態は違いますが、いつまでの綺麗な素肌でいたい、という願いはみんな同じです。鏡を見たときに肌の状態がほんの少し良いだけで、その日はずっと笑顔で過ごせそうですね。素肌が綺麗になれば気持ちも前向きになるかも・・・セルフケアだけでなく、時にはプロの手を借りてみるのもいいかもしれません。
※1参考元
調査概要:【毛穴に対する調査】佳秀工業株式会社
調査日:2019年1月17日(木)~2019年1月18日(金)
調査方法:インターネット調査
調査人数:1.182名
調査対象:全国の40代~50代の女性
モニター提供元:ゼネラルリサーチ
記事監修

- 吉岡容子 先生
- 医療法人容紘会高梨医院副院長 皮膚科・美容皮膚科医師
- 0488222220
東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局。
麻酔科退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科勤務。院長を務め、平成24年より医療法人容紘会高梨医院 皮膚科・美容皮膚科を開設。副院長として勤務しています。
麻酔科標榜医、麻酔科認定医
高濃度ビタミンC点滴療法認定医
日本レーザー医学会会員
日本抗加齢医学会会員
点滴療法研究会マスターズクラブ会員
日本美容皮膚科学会会員