看護師覆面座談会vol.5 「ノルマがあるクリニックって存在する?そのようなクリニックに当たらないために注視すべきところ」
美容医療を安心して受けるために、ベテラン看護師3名に覆面で美容業界の実態について教えてもらうこの座談会。第5回は、ノルマのあるクリニックが本当に存在するのか、そのようなクリニックに当たらないためにはどうしたら良いのか?語ってもらった。
──ノルマのあるクリニックがあると聞いたことがある。実際に存在するのか。
看護師A: 私は、ノルマがあるクリニックで働いたことはありません。
※ノルマとは、スタッフが営業努力によって来院させることが期待される具体的な患者数の目標のこと。スタッフが、知人などにクリニックへの受診を促すことになる。
看護師C: 私も、個人ノルマのクリニックに勤務したことはありませんが、「クリニック内で何人の患者さんを受け入れられるように頑張ろう」というクリニック全体の目標はあります。
看護師B: それはありますね。
──それが達成できなかったからペナルティーがあるという感じではない。周りのクリニックはどうか?
看護師A: 周りでは聞きます。ただ、ノルマによって、その人がどう評価されるかというところまでは聞いたことがないため、「あるらしい」くらいまでです。昔は、よく聞きましたが、最近はノルマがあるクリニックは減ってきているんじゃないかなと思うんですが、どうですか?
看護師C: あるはあります。
看護師B: 看護師よりもカウンセラーのほうがあるという話を聞きます。
看護師A: 確かにそうですね。給料もそれで顕著に変動するようですし。
看護師B: 某クリニックでは、カウンセラーの営業があります。カウンセラーさんの中でも営業部隊のような方達がいて、目標と言う名のノルマを掲げ、午前中と午後LINEでずっとお客様に営業しているクリニックがあります。「今いくらだから、達成するにはあと何人に来院してもらわないといけない!」と、LINE営業をするそうです。
──それはカウンセラーが大変そう。
看護師B: 休みの日でも「営業LINE送って」とすごい連絡が来るため、「疲れる」とそこで勤務している方から愚痴を聞いたことがあります。でも、達成すると、「頑張りましたね」と、わかりやすくバックが入るそうで、クリニックの受付の皆さんも「頑張って」と応援してくださるそうです。
──そういう、営業をしてくるクリニックには行きたくない。何か見分ける方法はある?
看護師A: やはり、紹介で行くことが安心です。
看護師C: そうですね。
看護師B: それが、間違いないです。あと、避けた方が良いのは「埋没29,800円」というキャンペーン中に行くのは、多くの付属品を案内されたり、別の施術に引っ張られたり、という話を聞きます。
その会社、クリニックのやり方があるので、仕方ないですが、私はそういうクリニックには行きたくないです。
──キャンペーンは注意か?
看護師B: 単純に「超お得」というクリニックもあるにはあるので、「絶対に危険!」とは言えませんが、傾向としてはあります。安くしている分を他で補う必要があるので。
看護師A: 絶対ダメ、と一概には言えないですよね。
看護師C: なんでもそうですよね。美容院も、エステも。きちんと選ばなければいけない。中の人間しかわからないところもたくさんあるので、絶対とは言えないですが、ひとつ、実際行った人の声というのは、やはり参考になると思います。
──キャンペーンは注意か?
看護師A: 確かに、口コミ大事ですね。
看護師B: それを言うならば、Googleの口コミ、うちのクリニックはあまり良くないです。
看護師A: あれも、ライバル社がマイナス評価で書き込んでいるケースがあるので、内容の見極めが必要ではあります。Google口コミも、問題視され始めているので、近く何か取り締まりが強化してほしいとは思っています。
看護師C: きちんと行って書いている書き込みかを確認したほうが良いです。単に点数だけつけているもの、内容のないものは怪しんで良いかもしれないですね。
看護師B: 最近は減りましたが「契約をしないと帰してくれません」というケースも昔はあったので、そういう書き込みがあるクリニックには注意が必要です。
協力看護師 略歴 ※写真はイメージ画像です
看護師A
美容看護師歴17年。大手美容外科に10年勤務した後、都内にあるクリニックで立ち上げから携わり、看護部長を務めている。
看護師B
美容看護師歴20年。複数の美容クリニックの立ち上げに携わり、都内で3つのクリニックを掛け持ちしている。
看護師C
美容看護師歴15年。美容皮膚科(外科)に6年勤務した後、都内の美容クリニックで看護部長を務めている。
(写真/Adobe Stock)
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