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アリシアクリニック経営破たんでクレジット分割払いの停止や返金対応は?ウルフクリニック破たんの際の教訓を生かす、契約書や施術回数などの資料の準備は欠かせない

カレンダー2024.12.11 フォルダー 国内
2024年12月10日、アリシアクリニック運営2社は破産手続開始決定を受けたと発表した。(写真/編集部)

2024年12月10日、アリシアクリニック運営2社は破産手続開始決定を受けたと発表した。(写真/編集部)

 大阪市梅田。昨日まで営業していたであろうアリシアクリニックがあった。

 梅田の町の北側のビル、2カ所にそれぞれ医院を構えていた。片方は以前、じぶんクリニックとして営業していたが、アリシアクリニックに名前が変更されたところだ。

 2024年12月10日、いずれも医院に入ることができなくなっており、ビルのエレベーターには、「臨時休業のお知らせ」が掲げられ、その隣には「告示書」が貼られ、運営が破産手続開始したと説明されていた。

クレジット支払いの停止、返金どうする?

チャージバックの仕組みを示した図。カード発行会社(イシュア)が加盟店の契約管理会社(アクワイアラ)にチャージバックを請求する。出典/日本クレジット協会 内閣府の資料より

チャージバックの仕組みを示した図。カード発行会社(イシュア)が加盟店の契約管理会社(アクワイアラ)にチャージバックを請求する。出典/日本クレジット協会 内閣府の資料より

 ヒフコNEWSでも伝えているように、アリシアクリニックを運営する医療法人社団「美実会」と、一般社団法人「八桜会」が12月10日に破産手続開始決定を受けた。

 債権者は9万1818人とされ、多くの人たちが経営破たんの影響を受けることが推定されている。

 契約したにもかかわらず未施術分が残った人たちが今後、施術を受けることも、返金を受けることもできなくなる恐れがある。

 ヒフコNEWSでは、23年6月に男性専門医療脱毛のウルフクリニックが経営破たんした際に、未消化分の施術料が返金されるかについて取材に基づいて記事をまとめたことがある。

 これは今回のアリシアクリニックのケースでも役立つことがあるため、改めてポイントをまとめる。

  • 支払停止の手続き→ 「支払停止等の抗弁」により、突然のクリニック閉鎖時にクレジットカード会社に支払い停止を申し出可能。
  • クレジットカード返金→ ブランドや条件により申請で返金が可能な場合がある。
  • 返金の流れ→ カード発行会社が加盟店の契約管理会社を通じて返金を求める「チャージバック」が行われることがある。
  • チャージバックの位置づけ→ 発行会社の「権利」であり「義務」ではないため、返金保証はない。
  • 必要書類→ 契約書、施術回数を示す記録、チャージバック申請書などを保管することが重要。
  • 注意点→ 書類を紛失すると返金の機会を失う可能性がある。

 施術料を分割払いにしていると、クリニックが経営破たんして施術を受けられないのに、分割払いだけ続くこともある。これについては「支払停止等の抗弁」により、支払い停止を申し出ることができるので対応は必要だろう。

 その上で、まず、カードブランドによって返金を受けられる可能性があるということ。カード保有者がカード発行会社とつながっているように、クリニック側も契約管理会社とつながっている。カード発行会社が、この契約管理会社を通じて返金を求める「チャージバック」が行われる可能性がある。

 チャージバックは義務ではないため、返金されない場合もある。

 こうした手続きには、契約書や施術回数など、契約の根拠を示す資料は欠かせない。書類がないと対応されないこともあるので注意が必要だ。

事務的な手続きを速やかに

2024年12月10日、アリシアクリニックに入店することはできなくなっていた。(写真/編集部)

2024年12月10日、アリシアクリニックに入店することはできなくなっていた。(写真/編集部)

 医療脱毛では、施術を受ける期間が長く、支払いをしても、実際に施術を受けるのが先になるのが一般的であるため、契約者の多くが未施術分を残していると考えられる。

 SNSでは、大手の医療脱毛であるため倒産しないと思っていたというコメントも見られる。経営破たんは青天の霹靂で、全く想定していなかった人も多かったはずだ。

 つらい思いをしている人も多いと思うが、冷静に以上のような事務的な手続きは進めることが求められる。契約書などの確認、支払いや返金ができるか、速やかに確認すべきだ。

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ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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