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ネット通販の美白化粧品でシミ悪化、国民生活センターが個人輸入品のリスク指摘

カレンダー2023.9.9 フォルダー 国内

ポイント

  • ネットで購入した美白クリームを使用した20代の女性がシミ悪化の被害に遭う
  • 美白クリームには、日本では通常医師の処方箋が必要な医薬品成分が含まれていた
  • 個人輸入品は日本の法律で規制されず、健康被害を引き起こすリスクをはらんでいる
インターネット通販でトラブル。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

インターネット通販でトラブル。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 インターネット通販で購入した美白クリームを使った20代女性が、クリームの使用後に肌がかぶれて肌のシミ(色素沈着)が悪化する事例が報告されている。国民生活センターが2023年9月6日に発表した。

美白化粧品でかえってシミが悪化

ネットで個人輸入。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

ネットで個人輸入。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 23年6月、国民生活センターの「医師からの事故情報受付窓口」に気になる情報が寄せられた。20代の若い女性が、肌のシミに効くという評判を見て、その美白クリームをネットで購入。それをシミのあるところに使ったところ、かぶれてシミがかえって悪化したという。

 調査の結果、インターネットの通信販売で購入した美白クリームには、日本では医師の処方箋が必要な医薬品成分が含まれていることが判明。その成分は顔に塗ってはいけないとされたが、この製品を宣伝するウェブサイトは顔への使用をうたっていた。

日本の法的規制の対象にならない個人輸入品

ネットで購入。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

ネットで購入。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 国民生活センターによると、個人輸入は、海外からの直送品であれ、代行業者による輸入品であれ、あるいは海外旅行中に購入されたものであれ、品質と安全性などに関する日本の法的な規制の対象ではない。これらの製品の中には、日本国内の基準を満たしていないものもあり、使用方法や注意表示を含む製品情報が日本語で記載されていない場合もある。これらのために、意図した結果が得られなかったり、予期せぬ健康被害を引き起こしたりといったリスクをもたらす。

 そのため、医薬品や化粧品を個人輸入するときには、販売サイトの情報をよく確認することが求められる。商品の表示を理解した上で使用するのが重要だ。これらの輸入品を使用した結果、体調に異変が生じたときには、医療機関を受診することを勧めている。

 ヒフコNEWSで伝えているが、美白化粧品は米国でも人気を高めている。米国でも、成分を知らずに使っている人が多く、問題とされていた。

 今回の報告のように、化粧品で思わぬ健康被害を受けるケースもあるため十分に気を付けるべきだろう。

参考文献

個人輸入した医薬品、化粧品等にご注意!-インターネット通信販売で購入した美白クリームで皮膚障害が発生-
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230906_1.html

ルッキズムの新たな視点? 米国で注目される美白化粧品の心配
https://biyouhifuko.com/news/world/2509/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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