無免許で美容液を複数の客に注射していたフィリピン国籍の女2人を逮捕したと、静岡県警察本部が2024年4月24日に発表した。
相次ぐ無免許の施策
県警によると、富士市警察署が逮捕したのは富士市伝法在住のフィリピン国籍の女51歳と、同今泉在住の同じくフィリピン国籍の女48歳。23年12月から24年2月にかけて、この2人は共謀し、51歳女の自宅で医師免許がないにもかかわらず、複数の客に美容液を注射する施術を行っていたとされる。
無免許の美容施術が外国籍の人々の間で広がるような動きが見られている。
無免許施術は2月に富山県でも発生し、ベトナム国籍の女が逮捕された。この女は三重県から富山県へ出張し、ベトナム人にヒアルロン酸注射を行っていたという容疑がかけられていた。
このほかにも21年には神戸市でベトナム国籍の男女が美容手術を行い、医師法違反で逮捕されているほか、23年に、埼玉県で中国籍の女がヒアルロン酸注射による豊胸などの施術を行い、医師法違反で逮捕されている。
受けやすさの半面、重いトラブルの発生も
海外でも違法な美容施術が問題化している。24年、タイではベトナム人医師などが無免許で美容施術を手広く行い摘発される事件が報じられた。最近、米国では偽造のボツリヌス注射が出回り、健康被害を引き起こしていることが報じられた。医療機関以外の場所で施術を受けていた。
美容医療では、非外科的治療が一般化して、注射による施術が人気になっている。手術をしなくてもできることから受けやすいメリットがある半面で、注射に関連した施術により重い有害事象を引き起こす事例も報告されている。
素人が注射するだけの手軽さに目を付けて、違法に医薬品を得て、無免許で施術をする動きが起こりやすい可能性もある。違法な美容施術では、偽造の医薬品が使用される可能性も否定できない。トラブルが起きた場合には取り返しが付かない。無免許施術の広がりには警戒する必要があるだろう。