肝斑改善に組み合わせ?ダーマペン+グルタチオンが効果、美容皮膚科の医学誌で報告
ポイント
- 肝斑の改善にとってダーマペンとグルタチオンの組み合わせが有効かを検証
- 顔の右側と左側に異なる施術を行って肝斑の改善に違いがあるかを比べた
- マイクロニードルのみの治療よりも併用した方が肝斑の改善率が向上
肝斑の改善において、ダーマペンとグルタチオンの組み合わせた方法が効果的であることが報告されている。2023年6月にエジプトの研究グループが美容皮膚科の医学誌で発表したもの。
マイクロニードルの効果を高められるか確認
肝斑は顔に不均一に現れるシミの一種で、その原因ははっきりしていないものの、紫外線や遺伝、ホルモンの変化などの影響によって発生すると考えられている。
ヒフコNEWSでは、トラネキサム酸を用いてシミ改善を促す研究を紹介したことがあるが、このたびダーマペンを使ったマイクロニードル施術と、グルタチオンという抗酸化成分を組み合わせた治療の効果が報告された。
この研究では、「My Mペン」と呼ばれるダーマペンを用いている。このペンは、0.5mm~2mmの間で調整可能な36本のごく細い針を先端に持ち、肌表面に刺すことで、線維芽細胞の増殖やコラーゲンの生成を促し、肌質を改善させるとされる。一方は、グルタチオンは美白効果を持つとされる。
研究は、エジプト、ソハグ大学を中心とする研究グループにより、23年6月に美容皮膚科の国際的に医学誌であるJournal of Cosmetic Dermatologyで報告された。
このアウトラインは次の通り。
研究グループは、29人女性を対象に、マイクロニードルの施術と、グルタチオンの塗布による治療の効果を確かめる研究を実施した。
研究では、女性の顔の右側には、マイクロニードルとグルタチオンを組み合わせた施術を実施し、顔の左側にはマイクロニードルのみの施術を実施した。
これらの治療を、2週間ごとに3カ月間、合計6回行い、治療の前後での肝斑の面積や重症度の変化を比べた。
組み合わせで改善の程度が大きく
こうして明らかになったのは、マイクロニードルとグルタチオンを組み合わせることにより、肝斑の面積や重症度がより顕著に改善することである。
肝斑の面積や重症度は左右の顔どちらにも改善傾向が見られたが、特に右側の顔の改善が大きく、改善も速やかに確認された。
具体的には、左側の顔の改善率が46.92%だったのに対して、右側の顔の改善率は55.17%だった。研究グループは、マイクロニードルが肝斑の改善に有効で、グルタチオンとの組み合わせによって効果を高められる可能性があると指摘する。
日本国内でもダーマペンを使った施術が行われているため、このような研究は肝斑改善の参考になるかもしれない。
参考文献
Mohamed M, Beshay YMA, Assaf HM. Microneedling with glutathione versus microneedling alone in treatment of facial melasma: Split-face comparative study. J Cosmet Dermatol. 2023 Dec;22(12):3379-3386. doi: 10.1111/jocd.15834. Epub 2023 Jun 14. PMID: 37313658.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37313658/
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https://biyouhifuko.com/news/research/4665/
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