しわの原因
しわができる原因は、部位やしわの状態によって異なります。
乾燥
目尻・口元など、皮膚が薄い部分にできる小じわの主な原因は乾燥です。
乾燥による小じわは浅く目立ちにくいですが、放置することで深いしわになる可能性があります。
しわが目立たないうちに、早めに対処することが重要です。
たるみ
ほうれい線やマリオネットライン、ゴルゴラインなどはたるみが原因で生じるしわです。
年齢を重ねることで、コラーゲン・エラスチンという肌にハリと弾力を与える成分が減少することがわかっています。さらに、加齢によって顔の筋肉も衰えていきます。
コラーゲン・エラスチンの減少、表情筋の衰えがほうれい線などの深いしわの原因となっています。
表情
額ごとまぶたを動かして上目使いをしたり、眉間を寄せながら考え事をしたり……といった、無意識に繰り返しているクセが定着してしまったのが表情じわです。
いわば、肌に折り目がついてしまった状態です。
表情じわは、
- 目元
- 口元
- 額
- 眉間
といった、顔の中でもよく動かすところにできやすいのが特徴です。
【種類別】しわとり治療
顔のしわが気になり始めたら、しわが深くなる前に早めに対処することが重要です。
しわの原因や種類によって、適した治療法が異なります。
注入によるしわとり
注入によるしわとり治療を紹介します。
メスを使わず注射で注入するので、美容医療初心者の方も比較的挑戦しやすい治療です。
ヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸は、皮膚の深い部分へ注入することで肌を内側から持ち上げて、深いしわを改善する方法です。
また、年齢と共に減少するコラーゲンや脂肪、骨の萎縮などでボリュームがなくなってたるんだ部分へ注入することで、顔全体のリフトアップも期待できます。
ヒアルロン酸注入で使用する製剤は種類が豊富なため、目的に合ったものを適切に使用することで自分好みの仕上がりに近づけることも可能。
年齢と共に気になり始めたシワや顔のコケ(凹み)を改善し、ハリのある若々しい印象へ近づけたい人におすすめの方法といえます。
ヒアルロン酸注入も治療後のダウンタイムも少ないとされていますが、軽度の腫れや内出血が生じることがあるため、大事な予定直前の注入は避けた方がよいでしょう。
ヒアルロン酸の種類や注射する部位によって異なりますが、ヒアルロン酸は3ヶ月〜1年ほどで体内に吸収されます。
しわが気になる方は、定期的なヒアルロン酸注射が必要です。
引用:https://www.instagram.com/p/CrLGiHRB3-3/?img_index=5
ボトックス注射
顔の表情が原因で生じるしわには、ボトックス注射が効果的です。
具体的には、
- 目尻の笑いじわ
- 眉間のしわ
- おでこのしわ
などが、ボトックス注射に適しています。
ボトックス注射には、表情筋の一部を一時的に麻痺させて動きを抑制する働きがあります。
表情筋の動きを抑制することで、表情の変化に伴って深くなるしわの形成を防ぐことができるのです。
以下の写真は、おでこと眉間の表情じわにボトックス注射を注入した症例です。
はっきりと目立っていたしわが、目立たなくなったことが分かります。
引用:https://www.instagram.com/p/CjsKxPsrpR1/?img_index=5
ボトックス注射は表情じわの予防のために、20代のうちから受ける人もいるくらい人気の治療です。
脂肪注入
自身の脂肪を採取し、採取した脂肪から不純物を除去した濃縮された脂肪細胞(コンデンスリッチファット/CRF)のみを注入する治療法です。
脂肪注入は、以下のしわに対して有効です。
- 額の横じわ
- ほうれい線
- マリオネットライン
- 顎のしわ
- 首のしわ
- 眉間のしわ
コンデンスリッチファット(CRF)は自家組織のため、アレルギーのリスクが低く自然な仕上がりが期待できます。
また、定着率が高いことも特徴の一つです。
引用:https://www.theclinic.jp/column/no206/
「熱の力」によるしわとり
熱エネルギーを利用して、しわにアプローチする治療を紹介します。
注入による治療と同様、メスを使わないので美容医療に慣れていない方も挑戦しやすい治療です。
HIFU(ハイフ)
ハイフは、ターゲットとした深さを60℃〜80℃に熱することで組織を損傷し、そのダメージが治る過程で新しいコラーゲンやエラスチンなどが増生されると考えられています。
コラーゲンが熱ダメージを受けることによるSMASの収縮、及び長期的なコラーゲン増生効果によって、土台からのリフトアップだけでなく、肌のハリやシワなどの改善が期待できます。
具体的にハイフには、次の効果があります。
- 痩身効果
- 小顔効果
- 肌質改善
- 毛穴のひきしめ
- リフトアップ効果
- たるみやしわの改善
ハイフは、機器の先端に装着するカートリッジを取り替えることで、焦点の深さを変えることができます。
真皮や皮下脂肪を狙った照射も可能で、超音波のエネルギーがどの層に作用するかで、得られる効果も変わると言われています。
1.5mm
ターゲット:真皮上~中層
得られる効果:真皮のひきしめ・コラーゲンの増生
- 毛穴ひきしめ
- ちりめんジワ改善
- ハリツヤ感UP
2.0mm
ターゲット:真皮中~深層
得られる効果:真皮のひきしめ・コラーゲンの増生
- 毛穴ひきしめ
- ちりめんジワ改善
- ハリツヤ感UP
3.0mm
ターゲット:真皮深層~皮下組織(リガメント、皮下脂肪など)
得られる効果:真皮のひきしめ・皮下脂肪溶解・リガメントの収縮
- ハリ感UP
- 顔痩せ
- フェイスラインのひきしめ(二重アゴ)
- たるみじわ改善(ほうれい線・マリオネットライン・ゴルゴライン等)
4.5mm
ターゲット:SMAS層
得られる効果:SMASの収縮
- リフトアップ
- フェイスラインのひきしめ(二重アゴ)
- たるみじわ改善(ほうれい線・マリオネットライン・ゴルゴライン等)
引用:https://biyouhifuko.com/column/3895/
フラクショナルCO2レーザー
フラクショナルCO2レーザーは、肌の表面に非常に小さなスポットを無数に開け、そこから真皮層まで熱エネルギーを届けます。
この熱エネルギーにより、肌の組織を分解・再生させることができる治療法です。
フラクショナルCO2レーザーを使用することで、以下のような効果が期待できます。
- 毛穴の開きの改善
- ニキビ跡の凹凸改善
- くすみ改善、美白効果
- 小じわ、ちりめんじわ改善
1回の治療で、約10〜15%の肌が再生すると言われています。5〜10回ほど、治療を繰り返すことで効果が現れる治療です。
引用:https://www.iidabashi-hifuka.com/laser/
サーマクールアイ
サーマクールアイは進化したサーマクールの機械を使用しており、目元の薄くてデリケートな皮膚に焦点を当てた治療法です。高周波(RF)を使用して皮膚内部のコラーゲン生成促進が期待できます。
眼球に近い目元はこれまでのシワ治療では難しい箇所でした。しかし、サーマクールアイは通常のサーマクールとは異なり、目元に特化したチップと高周波を使って皮膚下の組織やコラーゲンを収縮させます。
通常のサーマクールとの違いは、熱を発生させる深さにあります。通常のサーマクールでは皮下2〜5mmにしか熱が届かなかったため、目元には適していませんでした。しかし、サーマクールアイでは目元に焦点を当てるために熱の深さが調整され、眼球に熱が届かないように工夫されています。これにより、目元のたるみやしわ、クマの改善が期待され、同時にコラーゲン生成を促進して美肌にも効果があるとされています。
サーマクールアイは、以下のお悩みを持っている方におすすめの治療法です。
- 表情じわ
- 目の下のくま
- 目の下のたるみ
- 乾燥による小じわ
また、将来のたるみ対策を考えている方や眉下リフト・眼瞼下垂などの切開による手術に抵抗がある方にもおすすめです。
効果は個人差がありますが、一般的には約6ヵ月間、肌が引き締まった状態が続くとされています。高周波RFの熱によって、肌の奥の真皮層にあるコラーゲンが収縮し肌が引き締まります。
サーマクールアイの効果は約6カ月〜1年間持続するとされています。効果を持続させるためには6ヶ月を目安に再度治療を受けることが推奨されており、長期的な効果を望む場合は定期的に施術を受けることがおすすめです。
レーシックを受けて6ヶ月以内の方や体内に金属が埋め込まれている方など、サーマクールアイの施術を受けることができない方もいます。
心配な場合は、カウンセリングで確認しましょう。
リフトアップによるしわとり
物理的に皮膚のたるみを引き上げる、リフトアップの治療を紹介します。
糸を使って皮膚を引き上げる糸リフトと、顔の目立たない部分を切開し皮膚を引き上げるフェイスリフトがあります。
糸リフト
糸リフトはスレッドリフトとも言われ、たるみ改善やフェイスライン引き締めに用いられる施術です。
突起のついた特殊な糸を真皮の下の脂肪層に挿入します。突起(トゲのようなものや、返しのようになっているもの)が皮膚内部の組織に引っかかることで、皮膚のたるみを物理的に引き上げます。
加えて、挿入した糸が線維芽細胞を刺激し、活性化させることで、糸の周囲にコラーゲンやエラスチンが増生され、肌にピンとしたハリが出て、小ジワなどが目立たなくなる美肌効果も期待できます。
糸リフトの施術は、次のようなお悩みをもつ方におすすめです。
- 小顔になりたい
- 頬のたるみが気になる
- しわとほうれい線が気になる
- フェイスラインの崩れが気になる
- 顔全体のたるみが気になるけど、切開するのは怖い
挿入する糸の本数によって仕上がりが変わるため、悩みやなりたいイメージを医師にしっかりと伝えることが重要です。
引用:https://www.instagram.com/p/CdNm4jztiYH/?img_index=3
切開によるフェイスリフト
切開によるフェイスリフトは皮膚を切開してSMASを引き上げた後、たるんだ皮膚を切除することで顔全体をリフトアップする施術です。
切開によるフェイスリフトは、以下の悩みに対して効果があります。
- ほうれい線
- 頬のたるみ
- あご下のたるみ
- マリオネットライン
耳周りや髪の生え際など、比較的目立たない部分を切開しますが傷跡は残ります。
また切開を伴う施術のため、ダウンタイムが長いという特徴もあります。
傷跡やダウンタイムなどのデメリットはありますが、物理的に皮膚を引き上げるため若々しい印象になることができる施術です。
引用:https://www.med.kobe-u.ac.jp/cosme/treatment/facelift.html
自分に合うしわとり治療を選ぶ時のポイント
さまざまなしわとり治療がありますが、受ける施術を決める際のポイントがあります。
実績が豊富な医師に依頼する
しわとり治療を受ける際は、施術を担当する医師の専門性や経験値を確認することが重要です。
しわの治療には、顔の構造や機能に関する高度な知識が必要とされています。そのため、医師には適切な治療法を選ぶ経験と技術が求められます。
施術を担当する医師が日本形成外科学会の専門医であるかなど、形成外科の知識と技術を持っているかを確認しましょう。
また、医師の症例数や症例写真を確認することも必要です。
カウンセリング前にしっかりとリサーチをし、カウンセリングの際には不安や疑問点を伝え信頼できる医師であるか見極めることが大切です。
しわとりに関するよくある質問
おでこのしわとりには何がおすすめですか?
おでこのしわは、表情のくせが定着してできた表情じわです。
表情じわが原因の場合、表情筋の動きを抑制するボトックス注射が効果的です。
施術後一週間ほどでボトックス注射の効果を感じるようになり、一般的には3〜6ヶ月程度効果が持続します。
引用:https://www.instagram.com/p/CjsKxPsrpR1/?hl=ja&img_index=5
しわだけでなくおでこのボリュームが欲しい場合には、ヒアルロン酸注射を行うことがあります。
おでこにヒアルロン酸を注射することで、しわが目立ちにくくなります。
ほうれい線のしわとりには何がおすすめですか?
ほうれい線のしわとりには、以下の施術がおすすめです。
- ヒアルロン酸注射
- ボトックス注射
- HIFU
- 糸リフト
- 切開によるフェイスリフト
- 脂肪注入
しわの状態や年齢、どういう仕上がりにしたいかによって適した治療法が異なります。
カウンセリングで医師に希望を伝え、自分に合った施術を提案してもらうようにしましょう。
まとめ
顔が老けて見えてしまう原因の一つであるしわに対して、美容医療ではさまざまなアプローチができます。
しわの治療は、顔の構造や機能に関する知識が求められる治療のため医師選びはとても重要です。
若々しい印象を取り戻すために、信頼できる医師を選んで適切な治療を受けるようにしましょう。