光老化の予防には、紫外線対策が多くの方に認識されていますが、近年では近赤外線にも注目が集まっています。まずは、紫外線と近赤外線の特徴をみてみましょう。

これまでお肌の大敵だと思っていた「紫外線」。地上に到達する太陽光は大きく紫外線・可視光線・赤外線の3つに分類されますが、近年の研究で気をつけなければいけないのは、紫外線だけじゃなかったということがわかってきたんだそう。
そのもう一つの敵の正体は「近赤外線(IR)」。

近年、近赤外線の危険性が注目され、近赤外線の及ぼす影響は紫外線以上だということがわかってきました。しかも、近赤外線は紫外線よりも高い割合で降り注いでいます。
この記事で近赤外線について知り、光老化対策をより確実なものへしていただければと思います。

光老化について

老化の原因は、自然老化が20%、光老化が80%と言われており、光老化対策が老化症状を防ぐためにとても重要なことがわかります。
光老化の予防には、紫外線対策が多くの方に認識されていますが、近年では近赤外線にも注目が集まっています。まずは、紫外線と近赤外線の特徴をみてみましょう。

紫外線

UVとも呼ばれており、290~400nmの波長帯で、波長が短く日焼けの原因となるUVBと波長が長くコラーゲンなどにダメージを与えるUVAがあります。
日焼け止めでは、UVBに対する効果をSPF値で、UVAにはPA値で表しています。

近赤外線

近赤外線は赤外線の一種です。可視光線に近い波長のものを「近赤外線」、遠いものを「遠赤外線」といいます。

800~2500nmの波長帯で、地表まで届く太陽光の50%以上を占めていると言われています。エネルギーは紫外線に比べて小さいのですが、透過性が高いため、肌の深部まで届くという性質があります。

近赤外線が肌に及ぼす影響

近赤外線は透過性が高いため、皮下組織や筋膜、筋層までダメージを与えてしまうことでシワやたるみなどの原因となる可能性があると考えられています。

皮下組織へのダメージ

約65%が真皮・皮下組織にまで到達すると言われています。ダメージを受けた皮下組織は、深いシワの原因となります。

筋肉の弛緩

筋組織まで光が到達するため、筋層がダメージを受け、たるみの原因となります。

コラーゲンの分解

近赤外線を浴びると、コラーゲンの分解を促進する「MMP-1」や炎症性サイトカインが発現し、肌の土台となるコラーゲン線維やそれを作る線維芽細胞などにダメージを与えます。

肌の表面温度の上昇

近赤外線を浴びると、肌温度が上昇し、じりじり感が出ます。
紫外線対策だけの日焼け止めより、近赤外線防御効果を加えたものの方が、肌の温度上昇を1.6℃抑えられたという実験結果もあるようです。

暖房器具

近赤外線の影響は太陽光だけはなく、屋内にも潜んでいます。
電球やリモコンは微弱なため神経質になる必要はありませんが、ストーブやこたつなどの暖房器具は、肌への悪影響が懸念されています。
近赤外線は気づかないうちにじわじわとダメージが大きくなるので、日々のケアが大切です。

近赤外線対策

今までの紫外線対策に加えて、以下のような近赤外線の対策も積極的に取り入れてましょう!

メガネ・サングラス

“目からも日焼けする”と言われるように、目も近赤外線から守りましょう。
白内障・角膜炎・結膜炎などの原因となり得ますが、紫外線とは異なり遅発性です。
近赤外線をカットしてくれるメガネやサングラスは多くはないようなので、購入の際は店員さんに尋ねてみて下さい。

日焼け止め

近赤外線予防のものは、多くはないようですが少しずつ出始めているようです。

紫外線カット成分と同様に、近赤外線カット成分が配合されたものを選ぶと良いでしょう。尚、紫外線がUVとされるように、近赤外線はIRやNIRという英語表記になり、赤外線カット成分が入っている日焼け止めのパッケージに「IR」と書かれていることもあります。見分けるときの参考にしてください。

赤外線は、紫外線を防ぐSPFやPAのような効果の値がないため、効果の度合いを知ることはできません。商品を選ぶ時は、口コミやインスタ投稿などを参考にしてみてくださいね。

保湿

近赤外線は近年注目され始めたため、光老化対策商品はほとんどが紫外線に対するもので、対応が遅れています。そのため、日々の保湿は非常に重要になってきます。
角質に水分を蓄えておくことが、近赤外線によるダメージの予防に繋がります。

ビタミンAとビタミンCの摂取

  • ビタミンA(ケラチン形成)

→ケラチンは毛髪と表皮角質に多く、近赤外線遮断に有効とされています。

肌の乾燥を防ぎ、バリア機能を高めることが可能です。

  • ビタミンC

→近赤外線は肌細胞を傷つけ活性酸素の過剰発生を誘発するため、活性酸素除去に有効な抗酸化作用のあるビタミンCを積極的に摂取しましょう。

ここまでは、光老化に対して近赤外線が肌に及ぼす影響についてお話してきましたが、近赤外線の透過性を利用して、美容医療の世界ではたるみ治療に使用されています。

次項では近赤外線でできる治療についてご紹介させていただきます。

近赤外線でできるたるみ治療

近赤外線の特徴を活かした、美容機器を2つご紹介致します。

タイタン

1100〜1800nmの近赤外線領域の光(IPL)を利用して肌を引き締める、たるみ治療機です。

真皮に熱を加えることで、コラーゲンを即時的に収縮するとともに線維芽細胞を刺激。照射直後からたるみの引き締めを実感できるだけでなく、長期的にはコラーゲンやエラスチンの増殖による、肌のハリ感アップやシワの改善といったこうかが得られます。

高周波(RF)によるたるみ治療機と比較すると、作用する深さが浅いという特徴があるため、たるみが軽度な人におすすめです。
照射の前後に冷却をすることで皮膚表面の温度が上がりすぎないため、痛みやダウンタイムがほとんどないというメリットがあります。
1回の治療では効果が緩やかなため、月一程度4〜5回の施術が推奨されています。
費用は全顔で5万円前後が相場のようです。

スキンタイト(サイトンBBL)

800nm〜1400nmの近赤外線波長を用いた光治療器で、肌深部を温めることによりコラーゲンの再構築を促してたるみを改善します。強力な冷却システムがついており、皮膚表面を十分に保護しながら照射できるため、痛みやダウンタイムのない治療が可能です。また、ヘッド部分は肌に密着させて動かしながら照射するため、血液やリンパの流れを促進し、老廃物の排出を促すといったマッサージ効果も期待できます。

フェイスラインがゆるんできた、顔全体が下がってきたなど、たるみの初期症状を実感し始めた時におすすめの治療法です。痛みがなく手軽なので、美容医療が初めてという方も安心して受けることができます。
効果を持続させるためには月に1回、5回程度の治療が推奨されています。
値段は初回料金や施術者によって大きく異なるようですが、5万前後で見受けられます。
相場についてはいくつかのクリニックを比較してみて下さい。

まとめ

近年話題になっている近赤外線ケアについてまとめてみました。紫外線と同様に日常で浴びることの多い近赤外線なので、対策はきちんとしておきたいですよね。
この記事が、皆様のお役に立てることを願っております。

 

記事監修


山下真理子先生

京都府立医科大学を卒業して、医師に。 大阪市内で美容医療に携わりながら、医療教育にも従事。 コラムの執筆やモデル業の傍ら、17公式ライバーとしてライブ配信も行っている。

※マッサージや化粧品などの情報が記載されている場合は監修範囲に含まれません。

※執筆・掲載日時点の情報を参考に医師監修しております。

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