
ダーマペンとは?美容医療の人気施術を解説
ダーマペンは毛穴やニキビ跡等の肌の凹凸や肌質の改善などを目的とした美容治療マシンです。ペン型のハンドピースの先に極細の針がついている医療機器で、肌表面に微細な穴を開けることにより、コラーゲンの生成を促進し、肌の若返りを図る施術方法となっています。
ダーマペンの特徴は、同じような効果のある従来の治療と比べると痛みが少なく、ダウンタイムも短いことです。肌に必要な成分を効率的に届ける経路を作るため、肌のお悩みに合わせた薬剤の浸透を高めることができます。さらに、施術によって肌の自然治癒力が活性化され、ハリや弾力が改善することも期待できるでしょう。
ダーマペンの特徴と効果
ダーマペン治療の最大の特徴は、肌の自然治癒力を活用した安全性の高い施術であり、幅広い肌の悩みに対応できる点です。
この特徴が支持される理由は主に3つあります。1つ目は、極細の針を使用することで痛みを最小限に抑えられること。2つ目は、肌への負担が少なく回復が早いこと。3つ目は、美容成分の浸透を高める効果が期待できることです。
具体的な効果としては、まずコラーゲンとエラスチンの生成促進により、肌のハリと弾力が改善します。また、ニキビ跡などの肌トラブルにも効果的で、肌質の全体的な向上が期待できます。さらに、肌のお悩みに合わせた薬剤と併用することでより高い効果を得ることが可能となります。施術によって得られる主な効果は以下の通りです。
- 毛穴の引き締めと肌のキメの改善
- 小じわやたるみの改善
- にきび跡や傷跡・毛穴の凹凸の緩和
- くすみの改善と肌のトーンアップ
なお、個人差はありますが、通常3〜10回の施術を受けることで効果を実感できるようになります。継続的なケアにより、さらなる美肌効果が期待できるでしょう。
ダーマペンが向いている肌トラブル
ダーマペンは、主に5つの代表的な肌トラブルに高い効果を示す治療法です。肌の再生力を利用するため、自然な改善が期待できます。
具体的に効果が期待できる肌トラブルには以下のようなものがあります。
- にきび跡や傷跡の凹凸:肌の再生機能を促進することで、凹んだ部分を内側から持ち上げる効果が期待できます
- 毛穴の開き:コラーゲンの生成促進により、開いた毛穴を引き締める作用があります
- 小じわやたるみ:肌の弾力性を高め、年齢とともに気になり始める表情じわなどの改善に効果的です
- くすみや肌のトーン:ターンオーバーを促進することで、くすみのない透明感のある肌へと導きます
- 肌質の改善:美容成分の浸透を高めることで、乾燥や肌荒れなど全般的な肌質の向上が期待できます
ただし、炎症を起こしている部位や、重度のアトピー性皮膚炎がある場合は施術を控える必要があります。また、完全な改善を保証するものではなく、個人差があることにも注意が必要です。医師との十分な相談のもと、適切な治療計画を立てることをお勧めします。
薬剤と併用する際の治療について
ダーマペンは様々な薬剤と併用するのが一般的です。ダーマペンと薬剤を組み合わせることで、肌の状態に合わせた治療効果が期待できるのです。
ダーマペンと併用する代表的な薬剤には、マッサージピール(PRX-T33)やハイラアクティブ(HYLA ACTIVE)、ウーバーピール(Uber Peel)などがあります。これらの薬剤は、ダーマペンで開けた微細な穴から肌の深部まで浸透しやすくなり、通常の塗布よりも高い効果が得られます。
それぞれの特徴は以下の通りです。
併用薬剤 |
特徴 |
ヴェルベットスキン |
マッサージピール(PRX-T33)とダーマペンを組み合わせた治療 コウジ酸による美白効果で透明感アップ 毛穴の開きやくすみに即効性がある 強めのピーリング作用があり、施術直後に赤みが出ることがある |
ハイラアクティブ(HYLA ACTIVE) |
ダーマペン後の炎症を抑え、肌の回復を促進 保湿力が高く、乾燥しやすい肌に最適 肌への刺激が少なく、敏感肌でも使いやすい |
ウーバーピール(Uber Peel) |
マイルドなピーリング効果で肌のターンオーバーを促進 色素沈着や肝斑の改善に適している 通常のピーリングより刺激が少なく、敏感肌でも使用可能 |
施術時の薬剤選びは、お肌の状態や悩みに合わせて医師が判断していきます。例えば、毛穴の開きやくすみが気になる方にはヴェルベットスキン(PRX-T33)を、乾燥しやすく敏感肌の方にはハイラアクティブ(HYLA ACTIVE)を中心とした薬剤を使用するなど、一人ひとりに合わせてカスタマイズしていくことが可能なのです。
ヴァンパイアフェイシャルについて
ダーマペンの効果をさらに高めたい方におすすめなのが、ヴァンパイアフェイシャルです。ヴァンパイアフェイシャルは、自分の血液から抽出した成長因子を豊富に含む血漿(PRP)をダーマペンと併用する治療方法になります。PRPには肌の再生を促進する成分が含まれているため、ダーマペンとの相乗効果で肌質の改善が期待できます。
治療の流れは、まず施術前にお顔の状態を確認し、その後PRPのための採血を行い、PRPを抽出します(60分程度)。麻酔クリームを塗布し20分ほどおいたあと、ダーマペンで微細な穴を開けていき、最後にPRPを塗布していきます。
施術直後のメイクは避け、しっかりとアフターケアを行うことが美容効果を高めるポイントとなります。
ダーマペンの施術の流れと所要時間
ダーマペンの施術は、麻酔クリームが必要ですので施術だけで45分〜60分、美容液を併用する場合では施術だけで60分〜90分かかる治療です。施術前の問診で肌状態の確認や希望する仕上がりについて話し合い、施術に適しているかどうかを医師が慎重に判断していきます。
実際の治療では、まず施術箇所の消毒と麻酔クリームの塗布を行い、続いてダーマペンによる本治療へと移ります。医師や看護師から詳しいアフターケアの説明を受けることができるので、初めての方も安心して施術を受けられるでしょう。
施術前の準備と注意点
ダーマペンを安全かつ効果的に受けるためには、適切な事前準備が欠かせません。施術前の注意点を守ることで、より良い結果を得られる可能性が高まります。
施術の1週間前からは、肌を清潔に保ち、過度な紫外線を避けることが重要です。日焼けした肌への施術は避ける必要があるため、必ず日焼け止めを使用し、直射日光を避けるようにしましょう。
また、施術直前の1週間は以下の行為を控えていただく必要があります。
- ピーリングやスクラブなどの物理的な刺激を与える製品の使用
- レチノールなどの刺激の強い美容成分の使用
医師との事前カウンセリングでは、現在使用中の薬や化粧品、アレルギーの有無などを正確に伝えることが大切です。
実際の施術手順
ダーマペンは通常60分程度で完了し、医師や看護師の丁寧な施術により安全に進められます。
まず、施術前に丁寧なカウンセリングと肌の状態チェックを行います。その後、施術は以下の手順で進んでいきます。
1. 消毒
施術箇所を殺菌消毒を行います。このとき、メイクや皮脂をしっかりと落とすことが重要になります。
2. 麻酔クリームの塗布
痛みを軽減するため、麻酔クリームを塗布して15〜20分ほど待機します。麻酔の効き具合は個人差があるため、様子を見ながら調整していきます。
3. ダーマペン
専用のハンドピースを使用して、肌に微細な穴を開けていきます。針の深さや速度は、肌の状態や部位に応じて細かく調整されます。
4. 追加の美容液塗布
施術直後の浸透率が高い状態で、オプション次第ですが、ヴェルベットスキン(マッサージピール)やウーバーピールなどを併用する場合は美容液(薬剤)を塗布していきます。。
施術中は定期的に肌の状態を確認し、痛みや不快感がないかどうかをチェックしながら進めていきます。また、施術者は清潔な手袋を使用し、衛生管理を徹底することで安全な施術環境を維持しています。
施術後のアフターケア方法
ダーマペン後の肌を適切にケアすることは、治療効果を最大限に引き出し、トラブルを防ぐために極めて重要です。
アフターケアが重要な理由は、施術直後の肌が繊細で外部刺激を受けやすい状態にあるからです。適切なケアによって肌の回復を促進し、より良い施術効果を得ることができます。
具体的なアフターケアの方法として、翌日からは以下の点に注意してケアを行いましょう。
- 優しい泡洗顔で丁寧に洗い、清潔に保つ
- ワセリンや刺激の少ない保湿クリームを使用する
- 日焼け止めを必ず塗布し、紫外線対策を徹底する
- くすみの改善と肌のトーンアップ
施術後3日〜4日程度は、サウナやホットヨガなどの発汗を伴う活動は避けるようにしましょう。また、炎症を抑えるため、刺激の強いスキンケア製品の使用は控えめにすることをお勧めします。
通常、施術後3〜4日目には肌の赤みや腫れは落ち着いてきます。この期間は特に保湿ケアを丁寧に行い、肌を乾燥させないよう気を付けましょう。
万が一、赤みや腫れが長引く場合は、早めに施術を受けたクリニックに相談することをお勧めします。できるだけ早い段階で適切な対応を取ることで、トラブルの悪化を防ぐことができるでしょう。
ダーマペンの気になる料金相場
ダーマペンの施術費用は、治療する部位や回数によって大きく異なってきます。顔全体の1回の施術では15,000円から30,000円程度が一般的な相場となっているため、美容医療の中では比較的手の届きやすい価格帯といえるでしょう。
クリニックによって料金設定の仕方は様々で、部位別の料金プランや複数回コースなど、選択肢が豊富に用意されています。また使用する美容液の種類や、麻酔代が料金に含まれているかなども料金に影響を与える要素となるため、事前に詳しい価格体系を確認することをおすすめします。
保険適用の有無と支払い方法
ダーマペンは美容を目的とした自由診療のため、健康保険の適用外となります。そのため、施術費用は全額自己負担となります。
保険適用外となる理由は、ダーマペンが医学的な治療ではなく、美容目的の施術と位置付けられているためです。
ダーマペンのリスクと副作用
ダーマペンは安全性の高い施術として知られていますが、医療行為である以上、まったくリスクがないわけではありません。施術直後は軽い腫れや赤みが出ることが一般的で、肌が乾燥しやすい状態になるため、適切なスキンケアが必要になってきます。
また、まれに個人の体質や施術方法によって、内出血や色素沈着といった副作用が起こる可能性があります。このため、施術前のカウンセリングでは、現在の肌の状態や既往歴を正確に伝え、医師と十分に相談することが大切です。
想定される副作用と対処法
ダーマペン後に起こりうる副作用は、一時的な肌の赤みや腫れが一般的です。これらの症状は通常3〜4日程度で自然に治まりますが、適切な対処法を知っておくことで、より早い回復が期待できます。
施術直後は炎症反応により、軽い火傷のような赤みが出現することがあります。これは肌の再生メカニズムが活性化している証であり、むしろ治療効果の一環といえます。
腫れや痛みについては、施術当日はクーリングを行うことで和らげることが可能です。ただし、冷やしすぎは肌の再生を妨げる可能性があるため、10分程度を目安に行うようにしましょう。
まれに起こりうる副作用として、以下のようなものがあります。
- 一時的な色素沈着
- かゆみや乾燥感
- 軽い内出血
これらの症状が発生した場合は、決して自己判断で市販薬を使用せず、施術を受けたクリニックに相談することが重要です。医師の指示に従い、適切なケア用品を使用することで、安全に回復に向かうことができます。
また、施術後1週間程度は紫外線に特に敏感になるため、日中の外出時は必ず日焼け止めを使用し、直射日光を避けるようにしましょう。サンスクリーン剤はSPF30以上、PA+++以上のものを選択することをおすすめします。
万が一、発熱や強い痛みなど通常とは異なる症状が出現した場合は、すぐにクリニックに連絡を取ることが賢明です。ダーマペンは安全性の高い治療ですが、早めの対応で重症化を防ぐことができます。
施術を避けるべき方
医学的な理由や肌の状態により、ダーマペンが適さない方がいます。安全性を考慮し、以下のような状態や条件に該当する方は、施術を控えていただく必要があります。
- 妊娠中または授乳中の方
- 血液凝固異常や出血性疾患がある方
- 感染症や発熱症状がある方
- アトピー性皮膚炎やニキビが重症・活動性の方
- ケロイド体質の方
- 施術部位に開放性の傷や炎症がある方
特に注意が必要なのは、自己免疫疾患をお持ちの方や、抗がん剤治療中の方です。免疫機能が低下している状態での施術は、感染のリスクが高まる可能性があるため避けるべきでしょう。
また、お肌の状態によっても施術を見合わせる場合があります。日焼けによって肌が炎症を起こしている時や、ピーリングなどの他の美容治療直後は、肌が敏感になっているため施術は適していません。
糖尿病など基礎疾患をお持ちの方は、治療中の主治医に相談のうえ、施術の可否を判断する必要があります。また、直近でヒアルロン酸注入をした人は、施術部位や時期について慎重な検討が必要となるでしょう。
施術の安全性を確保するため、事前のカウンセリングでは、現在の体調や服用中の薬、過去の美容治療歴などを正確に医師に伝えることが重要です。医師との丁寧な相談を通じて、ご自身に適した施術かどうかを見極めていきましょう。
クリニック選びで確認すべきポイント
ダーマペンの効果を最大限に引き出し、安全に受けるためには、信頼できるクリニック選びが重要です。使用する機器の種類、そして万が一の際のアフターフォロー体制など、複数の観点から慎重に検討する必要があります。
クリニック選びでは、ダーマペンを導入しているか、術後のケアが充実しているかなど、施術前のカウンセリングで具体的に確認することをおすすめします。
使用する機器の種類
ダーマペンには世代の異なる機種が存在しますが、現在主流としてつかわれているのは「ダーマペン4」になります。
ダーマペン4の主な特徴は以下の通りです。
- 毎秒1,920回の高速振動による正確な穿刺
- 16本の極細ニードルによる均一な施術
- 深さを0.2〜3.0mmまで細かく調整可能
- 特許取得の振動テクノロジーによる痛みの軽減
信頼できるクリニックでは、使用する機器の詳細についても丁寧に説明してくれるはずです。カウンセリングの際には、どのような機器を使用するのか、その特徴や安全性について積極的に質問してみましょう。
アフターフォロー体制
充実したアフターフォロー体制が必要な理由は、施術後の肌が一時的に敏感になり、適切なケアと経過観察が効果的な回復につながるためです。また、万が一のトラブル発生時にも迅速な対応が可能となります。
施術後の予期せぬ肌トラブルの相談に乗ってくれるかなど、そのクリニックのアフターフォローの体制を確認しておくと安心です。
まとめ
この記事では、美容医療で注目を集めているダーマペンについて、詳しく解説してきました。
ダーマペンは、マイクロニードルと呼ばれる極細の針で皮膚に微細な穴を開け、肌の自然な再生力を促す施術です。ニキビ跡やシワ、毛穴の開きなど、さまざまな肌トラブルに効果が期待できます。
施術はカウンセリングから始まり、麻酔クリームの塗布、実際の治療、そしてアフターケアとなっています。料金は部位や回数によって異なりますが、1回あたり1.5万円から3万円程度が一般的な相場となっています。
ただし、ダーマペンにも一時的な赤みや腫れといった副作用があることを理解しておく必要があるでしょう。また、妊娠中の方や特定の皮膚疾患がある方は施術はできません。
クリニック選びでは、使用する機器の種類、アフターフォロー体制などをしっかりと確認してみましょう。信頼できる美容クリニックで適切な施術を受けることで、より安全で効果的な治療を期待することができます。
まずは気になる美容クリニックに足を運び、カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。自分の肌状態や目的に合わせた、最適な施術プランを見つけることができるはずです。