糸リフトの失敗例にはどのような症状がある?副作用や失敗を防ぐポイントをご紹介

#たるみ・しわ

年齢とともに気になるたるみやしわを改善したいと思っても、「糸リフトで感染症になったらどうしよう」「施術後に左右非対称になってしまったという話を聞いて不安」といったお悩みを抱える方は少なくありません。 本記事では、糸リフトの基本的な仕組みから、ダウンタイム中に起こりうる副作用、失敗事例とその症状について詳しく解説いたします。 施術前に必要な情報をしっかりと把握し、安心して治療に臨めるよう準備していきましょう。

糸リフトとは?

糸リフトは、医療用の特殊な糸を皮膚の下に挿入することで、たるんだ肌を引き上げて若々しい印象を取り戻す美容治療です。メスを使用する従来のフェイスリフト手術とは異なり、切開を必要としないため低侵襲治療として多くの方に選ばれています。

糸リフトの効果持続期間は使用する糸の種類によって異なりますが、一般的に半年から1年程度とされています。PDOやPCLといった吸収性の糸は、分解される過程でコラーゲンやエラスチンの産生を促し、肌質改善効果も同時に得られます。

ただし、糸リフトは医療行為であるため、適切な技術と経験を持つ医師による施術が不可欠です。施術前のカウンセリングでは、肌の状態や希望する効果について十分に相談し、最適な治療計画を立てることが重要になります。

ダウンタイムは比較的短く、多くの場合1週間程度で日常生活に支障のない状態まで回復しますが、個人差があることも理解しておきましょう。

糸リフトのダウンタイムと主な副作用

糸リフトのダウンタイムは一般的に1〜2週間程度と言われていて、この期間中にはいくつかの副作用が現れる可能性があるため、事前に理解しておきましょう。

主な副作用として以下の症状が挙げられます

  • 腫れ・むくみ:施術後2〜3日がピークとなり、徐々に軽減
  • 内出血・あざ:個人差により1〜2週間程度で消失
  • 痛み・違和感:針を刺した部位に軽度から中等度の痛み
  • 赤み・かゆみ:施術部位に数日間継続する場合がある

ダウンタイム中は激しい運動や長時間の入浴を避け、処方された薬を適切に服用することで、副作用を最小限に抑えながら理想的な仕上がりを目指せるでしょう。

糸リフトの失敗例と症状

糸リフトの施術では、左右の仕上がりに差が生じる非対称な状態や、糸が皮膚表面に透けて見える露出トラブルといった外見的な問題が発生する場合があります。

それでは、具体的な失敗例とその症状について詳しく説明していきます。

左右非対称になる

糸リフトの失敗例として多く報告されるケースが左右非対称の症状です。施術前は綺麗に整っていた顔のバランスが崩れ、片側だけが極端に引き上がってしまったり、逆に片側の効果が不十分で違和感のある仕上がりになってしまうケースがあります。

この左右非対称が起こる主な原因は、医師の技術不足や施術時の糸の挿入位置・角度・引き上げ強度の左右差にあります。

糸リフトは医師の経験と技術力が仕上がりを大きく左右する治療法のため、解剖学的知識が不十分な医師が施術を行うと、左右で糸の深さや本数に違いが生じてしまいます。

また、顔の骨格や筋肉の付き方には個人差があるため、それらを考慮せずに画一的な施術を行うことも非対称の原因となるでしょう。

糸が露出して見えてしまう

糸リフトの施術でも深刻な失敗の一つが、挿入した糸が皮膚表面に露出してしまうというトラブルです。この症状は見た目に大きな影響を与えるだけでなく、感染症のリスクも高める危険な状態といえるでしょう。

糸の露出が起こる主な原因は、施術時の糸の挿入位置が浅すぎることや、皮膚の厚みに対して不適切な糸を選択したことにあります。

具体的な症状として、肌の表面に白い糸状のものが見える状態や、糸の先端が皮膚から飛び出している状態などが挙げられます。この状態を放置すると、露出部分から細菌が侵入して感染症を引き起こし、膿の発生や強い痛み、発熱などの合併症につながる危険性があります。

糸の露出が確認された場合は、速やかに施術を行った医師に相談し、適切な処置を受けることが重要です。このようなトラブルを避けるためには、豊富な経験と確かな技術を持つ医師による施術を受けることが何より大切でしょう。

理想の効果が感じられない

糸リフトで理想の効果が感じられないという失敗は、施術を受けた方の中でも比較的多く報告されているトラブルの一つです。

期待していたリフトアップ効果が実感できず、「施術前とほとんど変わらない」「たるみが改善されていない」といったお悩みを抱える方が少なくありません。

この問題が発生する主な原因として、以下の要因が考えられます。

  • 糸の挿入位置や角度の不適切さ
  • 使用する糸の種類や本数の選択ミス
  • 皮膚のたるみの程度に対する治療方法の不一致

特に頬のたるみが重度の場合や皮膚の弾力が著しく低下している状態では、糸リフトだけでは十分な改善が期待できないケースがあります。

さらに、施術直後は腫れによって一時的にリフトアップしたように見えても、腫れが引いた後に効果を実感できないという状況も珍しくありません。これは糸の固定が不十分であったり、適切な引き上げ力が働いていないことが原因となります。

肌の表面に凹凸ができてしまう

糸リフトの施術後に肌の表面が波打つような凹凸ができてしまうのは、技術的な問題や糸の挿入位置のミスが原因で発生する失敗例の一つです。この症状は見た目に大きな影響を与えるため、多くの方が不安に感じる副作用でもあります。

肌表面に凹凸が生じる主な理由として、糸の挿入位置が適切でないことが挙げられます。皮膚の浅い層に糸を挿入してしまった場合、糸の形状がそのまま肌表面に透けて見えたり、引っ張る力が不均等になることで波打つような変形が起こります。

また、糸の本数や間隔の調整が不適切な場合も、部分的に強く引き上げられた箇所と自然な箇所との境界で段差や凹凸が発生しやすくなるでしょう。

万が一凹凸が発生してしまった場合は、糸の位置調整や除去手術が必要になることもあります。

感染症を引き起こしてしまう

糸リフトの施術において深刻な合併症の一つが感染症です。施術部位に細菌が侵入することで炎症を引き起こし、重篤な場合には全身へ影響を及ぼす可能性があります。

感染症が発生する主な原因として、施術時の不十分な滅菌処理や術後のケア不足が挙げられます。糸を挿入する際に使用する器具や施術環境が適切に消毒されていない場合、細菌が体内に侵入するリスクが高まるのです。

また、施術後に患部を不潔な手で触ったり、化粧品を早期に使用したりすることも感染の原因となります。

万が一、感染症状が現れた場合は、速やかに施術を受けたクリニックに連絡し、適切な治療を受けることが重要です。

口が開かなくなる

糸リフトの施術後に口が開かなくなる症状はダウンタイム中に起こりやすい現象で、1〜2週間開きにくくなってもその後普通に戻るケースが一般的です。

しかし、施術後1ヶ月経っても口が開きにくい症状の場合は、顔面の筋肉や神経に影響を与える深刻な合併症の可能性があります。正常時であれば指3本分程度(約4〜5cm)開くはずの口が、十分に開かない状態となり、食事や会話に大きな支障を来してしまうのです。

この症状が発生する主な理由は、糸の挿入位置や深度の不適切さにあります。特に頬部や口周りの施術において、糸が表情筋や咀嚼筋の動きを制限したり、顔面神経の分枝に影響を与えたりすることで引き起こされます。

また、糸による過度な組織の牽引や、挿入時の神経損傷も原因となる場合があります。1ヶ月経っても口が開きにくい症状が改善されない場合は直ちにクリニックに相談しましょう。

ピキッという音がして糸が切れてしまう

糸リフトの施術中や施術後に「ピキッ」という音がすることがありますが、多くの場合は糸が切れているのではなく、糸が組織から外れた際に生じる音と考えられています。

糸が切れる事例は非常に稀であり、ほとんどのケースでは糸が皮下組織の固定ポイントからずれてしまっただけです。

 

糸が外れた場合、一時的にリフトアップ効果が低下したり、違和感が生じることがありますが、重大なトラブルにつながることは少ないとされています。

ただし、適切に対処しないと、リフト効果が得られないままになる可能性もあるため、担当医師に相談することが重要です。

 

施術後のダウンタイムは、糸が組織にしっかりと定着する大切な期間です。この期間に無理な動きをすると、糸が外れてしまうリスクが高まります。以下のポイントに注意しましょう。

 

  • 口を大きく開かない
  • 激しい運動を控える
  • 顔を擦ったりマッサージをしたりしない

糸リフトで失敗を予防するポイント

糸リフトで失敗を避けるためには、事前の準備と慎重なクリニック選びが欠かせません。

まず、経験豊富な医師による施術を受けることで、技術的なミスや合併症のリスクを大幅に軽減できます。次に、施術前のカウンセリングでは遠慮せずに疑問点を質問し、医師との信頼関係を築くことが重要です。

そして、糸リフトの施術内容や使用する糸の種類、期待できる効果について十分に理解しておくことで、現実的な期待値を持って治療に臨めるでしょう。

それでは、失敗を予防するための具体的なポイントについて詳しく説明していきます。

経験豊富な医師の施術を受ける

糸リフトの失敗を防ぐために最も重要なのは、豊富な実績と経験を持つ医師による施術を受けることです。経験豊富な医師であれば、一人ひとりの肌質や骨格に応じた最適な糸の選択と挿入技術により、感染リスクや副作用を最小限に抑えられます。

技術力の高い医師を選ぶべき理由として、糸リフトは解剖学的知識と精密な手技が要求される高度な治療だからです。

顔面には重要な血管や神経が複雑に走行しており、これらの構造を熟知していない医師が施術を行うと、神経損傷や血管の損傷による内出血、さらには感染症のリスクが高まってしまいます。

一方で、十分な経験を積んだ医師による施術では、万が一トラブルが発生した場合でも迅速で適切な対処により、重篤な合併症への進行を防げるでしょう。

施術前にカウンセリングをしっかりと受ける

糸リフトの失敗を防ぐために最も重要なのは施術前のカウンセリングを十分に行うことです。多くのトラブルは、期待する効果や施術内容について認識の違いがあることから発生しています。

カウンセリングでは、まずご自身の希望や悩みを具体的に医師へ伝えることが大切です。「フェイスラインをすっきりさせたい」「頬のたるみが気になる」といった漠然とした希望ではなく、どの部位をどの程度改善したいのか、日常生活でどのような場面で悩みを感じるのかを詳しく説明しましょう。

医師は要望を正確に把握することで、最適な糸の種類や挿入位置、本数を決定できます。

経験豊富な医師であれば、カウンセリング時に施術のリスクや副作用について詳しく説明し、納得した上で施術を受けられるよう配慮します。

「必ず効果が出る」「リスクは全くない」といった過度な宣伝をする医師ではなく、現実的なリスクも含めて誠実に説明してくれる医師を選ぶことが、失敗を予防する重要な判断基準となります。

糸リフトの施術内容を十分に理解する

糸リフトの失敗を防ぐためには、施術の詳細な内容を事前にしっかりと把握しておくことが不可欠です。施術内容を理解せずに治療を受けてしまうと、期待していた効果が得られなかったり、予期しない副作用に遭遇したりするリスクが高まったりしてしまいます。

また、アフターケアの方法や注意事項についても詳細に確認することが大切です。施術後の適切なケアが仕上がりの美しさや効果の持続性に直結するため、医師の指示を正確に理解し、実践できるよう準備しておきましょう。

施術内容を十分に理解することで糸リフトの失敗リスクを軽減し、納得のいく結果を得る可能性が高まるでしょう。

糸リフトがおすすめな人

糸リフトはすべての方に適した治療法というわけではありません。効果的な結果を得るためには、ご自身の状態や希望に合致するかどうかを慎重に判断する必要があります。

まず、軽度から中等度のたるみやほうれい線が気になる方には特におすすめです。糸リフトは皮膚を物理的に引き上げることで、たるんだ組織を効果的にリフトアップできます。

フェイスラインのもたつきや頬のたるみが目立ち始めた女性の方に適しており、メスを使った手術に抵抗がある方にとって理想的な選択肢となるでしょう。

次に、ダウンタイムを最小限に抑えたい方にも糸リフトは適しています。従来のフェイスリフト手術と比較して、腫れや内出血などの副作用が少なく、日常生活への影響を抑えながら美容治療を受けることが可能です。

お仕事や家庭の都合で長期間の休養が取れない方でも、比較的短期間で社会復帰できる点が大きなメリットです。

また、自然な仕上がりを希望される方にもおすすめできます。糸リフトは段階的にコラーゲンの生成を促進するため、急激な変化ではなく自然で美しい若返り効果を実現します。

まとめ

糸リフトは、正しい知識と適切な準備があれば効果的な美容治療となります。しかし、感染症や副作用、失敗のリスクを完全に避けることはできないため、事前の情報収集と慎重なクリニック選びが必要不可欠です。

本記事でご紹介した失敗例や副作用を理解することで、糸リフトのリスクを最小限に抑えることができるでしょう。

あなたにとって最適な治療選択となるよう、この記事の情報を参考に慎重な検討を進めてください。