美容コラム

施術別のクマ取り後の傷跡

クマ取り施術にはいくつかの種類があり、それぞれ傷跡の残り方や回復過程が異なります。

どの施術方法を選択するかによって、術後の見た目や回復までの期間に大きな違いが生じるため、自分のクマの状態や希望する仕上がりに合わせて適切な方法を選ぶことが重要です。

それでは、各施術方法の傷跡の特徴と回復過程について詳しく説明していきます。

経結膜脱脂術の場合

経結膜脱脂術は、クマ取り施術の中でも最も傷跡が目立ちにくい方法です。この施術では、下まぶたの裏側（結膜側）から余分な脂肪を除去するため、皮膚表面に切開線が残りません。

傷跡が目立たない理由として、まぶたの内側からのアプローチにより外見上の変化が生じないことが挙げられます。従来の皮膚切開による方法とは異なり、結膜という粘膜組織は非常に回復力が高く、術後の治癒過程でも跡が残りにくい特徴があります。

また、縫合が不要な場合が多く、組織への負担が最小限に抑えられるでしょう。

このように経結膜脱脂術は傷跡の心配が少ない施術法であり、ダウンタイムを最小限に抑えながらクマの改善を目指すことができる方法といえるでしょう。

表ハムラ法の場合

表ハムラ法は、下まぶたのふくらみやたるみを改善するために行われる美容外科手術で、皮膚の表面からアプローチする点が特徴です。この術式では、下まつ毛のすぐ下、目頭から目尻にかけて皮膚を切開します。切開ラインはまつ毛の生え際に沿うように設定されるため、術後の傷跡は目立ちにくく、時間の経過とともに自然に馴染んでいきます。

この位置から切開を行うことで、皮膚や眼輪筋、眼窩隔膜といった複数の層にアクセスが可能となり、目の下に突出した脂肪を適切な位置に移動させることができます。また、皮膚のたるみが強い場合には、余分な皮膚を切除してハリを持たせる処置も同時に行えるため、より若々しい印象に仕上がるのが特徴です。

手術後の傷跡は個人差はあるものの、数ヶ月の経過でほとんど目立たなくなり、メイクでカバーできる程度まで回復するケースが一般的です。切開部の治癒や仕上がりには、術者の技術力と術後のケアが大きく関わってきます。

ただし、表ハムラ法の傷跡には個人差があることを理解しておくことが大切です。肌質や年齢、体質によって治癒過程が異なり、ケロイド体質の方は傷跡が盛り上がる可能性があります。

表ハムラ法の術後の回復過程

表ハムラ法においては適切なケアを行うことで、最終的には傷跡がほとんど目立たない状態まで回復することができます。

術後の回復過程には個人差がありますが、一般的な経過として以下のような段階を辿ります。

• 術後1〜3日目：切開部位に軽度の腫れや赤みが生じ、傷跡が最も目立つ時期
• 術後1週間：抜糸が行われ、腫れや内出血が徐々に軽減し始める
• 術後2〜4週間：傷跡の赤みが薄くなり、自然な肌色に近づいてくる
• 術後3〜6ヶ月：傷跡が白い細い線状になり、ほぼ目立たなく

最終的に表ハムラ法の傷跡は、自然な表情を作った時の皮膚のしわと同じ位置に残るため、日常生活においてほとんど目立たない状態になります。

裏ハムラ法の場合

裏ハムラ法は、皮膚表面に一切の傷跡を残さない施術方法です。この手法では、下まぶたの裏側（結膜側）からアプローチして脂肪の再配置を行うため、外見上の切開線が見えることがありません。

外側に傷跡が残らない理由として、結膜を通じた内側からの操作が挙げられます。

従来の表ハムラ法とは異なり、皮膚を切開することなく結膜という粘膜組織を通じて脂肪にアプローチします。結膜は非常に治癒力が高い組織であり、血流が豊富なため回復が早く、傷跡が残りにくい特徴があります。

また、まぶたの内側は外部からの刺激を受けにくいため、治癒過程での炎症も最小限に抑えられるでしょう。

このように裏ハムラ法は傷跡の心配が少ない施術方法であり、ダウンタイムを最小限に抑えながら効果的なクマ改善を実現できます。技術力の高い医師による施術を受けることで、自然で美しい目元を手に入れることが可能です。

裏ハムラ法の術後の傷跡の回復過程

裏ハムラ法では、まぶたの裏側（結膜）を切開するため、皮膚表面に傷跡が残らないというメリットがあります。ただし、皮膚を切らないからといってダウンタイムがないわけではありません。

結膜は皮膚よりも治癒力が高く、切開部分そのものは比較的早期に回復していきますが、術後には腫れや内出血といった一時的な症状が現れることもあります。以下は一般的な回復の目安です。

• 術後24時間以内：軽度〜中程度の腫れや違和感、内出血が見られる
• 術後1週間：結膜の表面的な回復が進み、腫れや内出血は落ち着き始めて切開部分の組織が結合し始める
• 術後2～3週間：結膜組織の回復がほぼ完了し、切開部分の痕跡も目立たなくなる

完全な回復までには約1か月程度を要しますが、この期間を過ぎると切開部分はほとんど判別できない状態になります。

脂肪注入の場合

脂肪注入によるクマ治療は、切開を伴わず、ごく小さな針穴から脂肪を注入する低侵襲の施術です。そのため、術後に目立つような傷跡が残ることはほとんどなく、ダウンタイムを最小限に抑えたい方にも適しています。

施術では、まず腹部や太ももなどから自身の脂肪を採取します。この際に使用されるのは「カニューレ」と呼ばれる細い管状の器具で、脂肪吸引と同様の方法で必要な脂肪を丁寧に取り出します。採取部には局所麻酔が施されますが、術後には内出血や腫れ、鈍い痛みが出ることがあり、数日から1週間程度のダウンタイムが発生することもあります。

注入時には、極細の針やマイクロカニューレを用いて、目の下のくぼみに脂肪を分散させながら注入していきます。針穴は直径1mm以下と非常に小さく、自然治癒によって数日以内に閉じるのが一般的です。複数のポイントから注入する場合も、それぞれ点状の跡が残る程度で、線状の目立つ傷になることはほとんどありません。

ただし、脂肪注入は体に優しい一方で、腫れやむくみ、内出血といったダウンタイムが出やすい傾向があります。こうした見た目の変化は1〜2週間ほど続くケースもあるため、大切な予定が控えている時期は、余裕をもったスケジュール調整が必要です。

脂肪注入の術後の回復過程

脂肪注入の術後における傷跡の回復は、注射による最小限の侵襲であるため、切開を伴う手術と比較して良好な経過をたどります。

脂肪注入では注射針による小さな穴のみが残るため、傷跡の心配がほとんどありません。注射部位の赤みや腫れは個人差がありますが、多くの場合2〜3日程度で目立たなくなるでしょう。

具体的な回復過程は以下の通りです。

• 施術直後〜24時間以内：注射部位に軽い腫れや内出血が生じる場合がある
• 2〜3日目：腫れや赤みが徐々に引き始める
• 1週間後：注射による小さな穴は完全に閉じる
• 2週間後：腫れや内出血がほぼ完全に消失

脂肪注入による傷跡の回復は、他の施術方法と比較してもスムーズな回復過程を辿っていくでしょう。

完全に目立たなくなるまでの期間

クマ取り施術の傷跡が完全に目立たなくなるまでの期間は、施術方法によって大きく異なります。一般的には3ヶ月から1年程度の時間が必要とされており、年齢や肌質、体質によっても回復速度に個人差が生じるでしょう。

各施術方法別の完全回復までの期間は以下の通りです。

完全に目立たなくなるまでの期間は個人差があるものの、適切なケアにより改善していくプロセスです。焦らずに段階的な回復を見守りながら、医師の指示に従った継続的なケアを行うことで、理想的な目元を実現できるでしょう。

傷跡を早く治すための術後ケア方法

クマ取り施術後の傷跡を早く治すためには、適切なケア方法を実践することが重要です。

ケア方法について詳しく説明していきます。

傷跡を触らない・擦らない

クマ取り施術後の傷跡を早く治すためには、患部を触らない・擦らないことが重要です。

施術後の傷跡部分は非常にデリケートな状態にあり、手で触れることで細菌感染のリスクが高まります。私たちの手には目に見えない細菌が付着しており、これが傷口に入り込むことで炎症を引き起こし、治癒過程を大幅に遅らせる可能性があります。

また、触ることで傷跡組織が刺激を受け、色素沈着やケロイドの原因となることもあるでしょう。

洗顔時にも注意が必要で、施術部位を強く擦ることは避け、優しく水で流すか、清潔なタオルで軽く押さえるようにしましょう。メイクを落とす際も、クレンジング剤を直接傷跡に塗布せず、周囲から慎重に行うことが大切です。

医師から指示された場合を除き、傷跡部分への不必要な接触は完全に避け、自然な治癒過程を妨げないよう注意深く管理することが、重要なポイントとなるでしょう。

テープで保護する

クマ取り施術後の傷跡保護には、専用テープの使用が効果的です。医療用テープによる保護は、傷跡の治癒を促進し、外部刺激から患部を守る重要な役割を果たします。

テープ保護が推奨される理由として、適切な湿潤環境の維持が挙げられます。傷跡は乾燥状態よりも適度な湿度が保たれた環境で早く治癒するため、医療用テープで覆うことで理想的な治癒環境を作り出すことができます。

また、外部刺激からの保護により、紫外線や埃、摩擦などの要因から傷跡を守り、色素沈着や炎症のリスクを軽減できるでしょう。

使用するテープの種類については、一般的には肌に優しい素材で作られた医療用テープや、傷跡ケア専用のシリコンテープなどが推奨されます。

市販のテープを使用する場合は、皮膚への刺激が少ない低刺激性のものを選択し、長時間の使用でもかぶれにくい透湿性の高いタイプが適しているでしょう。

テープ保護を行う期間は、施術方法や個人の治癒速度によって異なりますが、一般的には術後1〜2週間程度が目安となります。この期間中は、テープの下で傷跡が順調に治癒していくため、剥がして確認したい気持ちを抑え、医師の指示に従って継続することが大切です。

注意点として、テープによるかぶれや炎症が生じた場合は、直ちに使用を中止し、担当医師に相談する必要があります。

また、テープの粘着力が強すぎる場合は、剥がす際に皮膚を傷つける可能性があるため、ぬるま湯で軽く濡らしてから慎重に除去することをおすすめします。

クリニックでできる傷跡ケア

クリニックにおけるLEDライト治療は、クマ取り施術後の傷跡ケアにおいて効果的な選択肢の一つです。赤色光と近赤外線の特定の波長を利用することで、細胞レベルでの治癒促進と炎症の軽減が期待できるからです。

この治療法が注目される理由として、以下の効果が挙げられます。

• 細胞の新陳代謝促進：光エネルギーがミトコンドリアを活性化し、コラーゲン生成をサポート
• 炎症反応の抑制：腫れや赤みを早期に改善
• 血行促進効果：患部への栄養供給を向上させ、自然治癒力を高める
• 痛みの軽減：神経の興奮を抑制し、術後の不快感を和らげる

施術時間は1回あたり約10-20分程度で、痛みやダウンタイムはありません。温かい光を浴びているような心地よい感覚で、リラックスして治療を受けることができるでしょう。

LEDライト治療により、傷の回復を早めることで傷跡が残りにくくなるため、クマ取り施術を受ける際はアフターケアの選択肢として検討してみるといいでしょう。

傷跡におすすめのホームケア

内出血や傷跡の回復に有効なスキンケアとして、最近注目されているアイテムに「セベリア」というクリームがあります。クマ取り施術後の傷跡ケアや二重手術後のケアとしても多くのクリニックで推奨されています。。医師監修のもと開発されたこの製品には、傷跡の治癒を促進し、美しい肌の再生をサポートする有効成分が豊富に配合されているからです。

セベリアは、皮膚の基底膜を修復・再生する独自成分「セベリン（CEBELINE）」を配合し、傷跡の早期回復をサポートします。

ラミニン5に働きかけ、皮膚の接着を促進することで、炎症やダメージを受けた肌の回復力を高めてくれます。

また血行を促すクロフサスグリや、むくみを抑えるセイヨウトチノキなどの植物成分も配合されており、内出血や腫れを抑えてくれるため、ダウンタイムを短縮したい方におすすめのホームケアアイテムです。

実際の使用方法は非常にシンプルで、朝晩の洗顔後に清潔な指先で優しく患部に塗布するだけです。量の目安は米粒大程度で、強くこすらずに軽くトントンと馴染ませるのがポイントです。

継続的な使用により傷跡の目立ちにくい滑らかな肌へと導くセペリアは、クマ取り施術後の理想的な仕上がりを実現するためのパートナーとなってくれるでしょう。

まとめ

クマ取り施術による傷跡の残存リスクは、選択する施術方法によって大きく異なります。最も傷跡が目立ちにくいのは経結膜脱脂術や裏ハムラ法といった経結膜アプローチで、これらは結膜側から施術を行うため、外見上の傷跡がほとんど残りません。

一方、表ハムラ法や脂肪注入では皮膚表面に小さな切開線が生じますが、適切な技術により数ヶ月から1年程度でほぼ目立たなくなるでしょう。

傷跡を早く治すためには以下の点が重要です。

• 傷跡部位を触らない・擦らないよう意識する
• テープによる適切な保護を継続する
• クリニックでの専門的なケアを受ける
• 自宅でのホームケアを怠らない

これらの要素を組み合わせることで、傷跡の回復を促進し、理想的な仕上がりを実現できます。

術後の指導に従って適切なケアを継続することで、傷跡への不安を最小限に抑えながら美しい目元を手に入れることができるでしょう。