「生え際の一部が薄くなってきた」「おでこが広くて顔が大きく見えてしまう」、こんな悩みを持っていませんか?特に風の強い日やお風呂上り、泳いだ後などはヘアスタイルやメイクでカバーしづらく、心配になってしまうのではないでしょうか。どんなときも堂々と、自信を持っていたい……そんな悩みがあるなら、ヘアラインアートメイクを検討してみるのも良いかもしれません。
▼アートメイクについて、詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
ヘアラインアートメイクってどんな施術?
アートメイクとは表皮に針で色素を入れて定着させる施術で、傷跡のカバーや乳頭の色素欠落などを補うパラメディカルピグメンテーションもアートメイクの一種と考えてよいでしょう。
真皮まで色素を入れるタトゥーとは異なり、表皮の浅い部分に色素を沈着させるため、ターンオーバーによって徐々に色素が排出され、個人差や部位による差はありますが、1〜3年程度で薄くなるといわれています。ヘアアートメイクは眉やアイラインに比べると新しい施術で、文字どおり髪の生え際(ヘアライン)や薄毛の気になる頭頂部に行うアートメイクのことをいいます。ヘアラインアートメイク以外にも、ヘアタトゥー、頭皮アートメイク、ヘアアートメイク等様々な呼ばれ方をしているようです。
針を使って生え際に色素を注入して、頭皮を着色することで髪の毛があるように見せる方法です。一本一本、手彫りで足りない部分を描き足していくので自然な形に仕上がるのが特徴です。もちろん、施術によって自毛が抜けるようなことはありません。
生え際が薄くなってきた、額が広すぎたりM字型だったりして形がよくない、分け目や頭頂部の髪が薄くなってきたといった悩みの改善目的で行われます。
また、円形脱毛症や傷跡などで髪の毛が抜けてしまった、生えてこないという人のために、健康保険は適用されませんが医療目的で行われるケースもあります。
ヘアラインアートメイクで期待できる効果
若々しい印象に
生え際が後退して、髪の毛の間から地肌が透けていると寂しく老けた印象になりがちです。ヘアラインアートメイクは隙間を自然に埋めて生え際や分け目にボリュームを持たせてくれるので、若々しさを取り戻したい人に適した施術です。
小顔効果や顔のバランス補正
生え際をヘアラインアートメイクで整えると、その分実際に顔の面積が小さく見えるといった小顔効果が得られるといわれています。また、小顔効果だけでなく、富士額や額の片側だけが薄い、濃い部分と薄い部分があるといった左右のアンバランスさを調整することも可能です。
薄くなってきた生え際を自然にカバー
薄くなってきた髪の毛をカバーするには、植毛や増毛といった方法もありますが、それらの治療には費用が高い、ダウンタイムが長い、効果の発現までに時間がかかるといった問題点があります。ヘアアートメイクの場合、即効性があるため、すぐに効果を実感することができます。また、一本一本髪の毛を描き足していくので、自然な仕上がりが期待できます。
ヘアラインアートメイクを詳しく知りたい!
ヘアラインアートメイクに興味はあるけれど、針を刺すのはちょっと怖いと感じる人もいるでしょう。そこで、ヘアラインアートメイクの施術の流れや気になる痛みについて詳しく解説します。
ヘアラインアートメイクの施術の流れ
カウンセリング・デザイン
カウンセリング当日(初診日)に施術を行わないクリニックも多いようですので、予約の際に確認することをおすすめします。
どのくらいの濃さでどの部分に入れるか、どんなラインを希望するか、使用する色などについて入念な打ち合わせとデザインを行います。また、肌質や体質、肌の状態、アレルギーの有無なども医師がチェックします。
施術
ヘアラインに限らず、アートメイクの施術には肌への負担と痛みを緩和するために麻酔クリームを使用します。
20~30分ほどで麻酔が効いてきたら施術を開始です。ヘアラインの場合、範囲が広いため人によっては施術中の音が頭に響いて驚いたり怖く感じたりすることもあるようです。また、引っかかれるように感じることもあるので、痛みや刺激に弱い人はあらかじめ相談しておくとよいでしょう。
ヘアラインアートメイクは一本一本髪の毛を描いていくので、眉やアイラインに比べると面積が広いことも有り時間がかかります。麻酔から施術完了まで、大体2〜3時間は見ておいた方がよいでしょう。また、心身ともにリラックスして過ごせるように、施術前日と当日はなるべくほかに予定を入れず、時間に余裕を持つことをおすすめします。
施術後
施術後にほてりや赤み、腫れを生じることがあります。その場合は、清潔な保冷パックや氷などで冷やしましょう。色素の流出を防ぎつつ、肌の乾燥を防ぐためにワセリンや軟膏を渡されるので、医師の指示通りに塗るようにしましょう。髪周辺のワセリンは髪のベタつき等気になるとは思いますが、アートメイク後の傷を保護し、回復を促す目的となっているので、決められた期間は塗り続けることをおすすめします。
シャンプーは当日〜3日程度は避けるようにといわれているようですが、クリニックによっても期間が異なるので、施術の前に確認しておくと良いでしょう。しばらくは施術した部位を強く擦ったり掻いたりしないよう気をつけましょう。また、施術当日の飲酒や、激しい運動、サウナなど大量に汗をかくことも避けてください。
施術後数日でかさぶたができてきます。発色に影響するので、無理に剥がさず、自然に落ちるのを待ってください。施術直後からは色が濃く出ますが、1ヶ月程度で色が落ち着いて薄くなります。基本的には1回の施術ではなく、1〜2ヶ月間隔で合計2〜3回行うことで色が定着し1〜3年程度持続するといわれています。永続性はないため、数年に1度の施術が推奨されています。
ヘアラインアートメイクの費用は?効果はどのくらい続くの?
ヘアラインアートメイクは2〜3回の施術が基本で、1回目の施術終了後に2回目の予約を入れる事が多いようです。2回目以降の施術間隔もクリニックによって異なりますが一般的には1〜2ヶ月程度となっています。それまでに気になることや腫れなどのトラブルが起きたら早めにクリニックに連絡しましょう。
ヘアラインアートメイクは全頭(もみあげから反対側のもみあげまで)やM字の薄い部分だけ、あるいは施術する部分の大きさによるなど、施術部位や費用もクリニックによって異なります。また、施術者の技術や経験に応じて追加料金が発生することもあります。
一般的には、生え際を丸く整え、M字の薄い部分を埋めるデザインで12~16万円ほどです。モニター価格など安い費用をうたっているクリニックも見られますが、それだけで選ばず、必ず医師が常駐しているか、施術経験や技術は十分かなどをチェックしてください。
アートメイクの効果は、個人差や施術する部位によって異なりますが、通常1~3年ほどとされています。これは肌のターンオーバーとともに、徐々に色素が排出されてしまうためです。特に初めてアートメイクを行う場合は、1年ほどでリタッチ(同じ部位に再度施術する)が必要になることが多いようです。費用にこのリタッチ分も含まれていることもあるので、事前に確認しておきましょう。
ヘアラインアートメイクをしてみたい!その前に知っておくべきこと
ヘアラインアートメイクは生え際や薄毛の悩みを改善するのに有効な方法ですが、よいことばかりではありません。施術を検討している人は、ぜひデメリットや注意点についても知っておいてください。
ヘアラインアートメイクのメリット
ヘアラインアートメイクのメリットは、生え際の密度を高めるため、若々しい印象になることです。また、前髪を上げたヘアアレンジも自由に楽しめます。汗や水で落ちてしまう心配もありません。そして、植毛や増毛に比べると効果を実感しやすく、費用も抑えられるのもメリットです。内服や外用薬といった増毛治療との併用もできるので、効果が現れるまでの期間、アートメイクで隙間を埋めておくといった用途で行う人もいるようです。
ヘアラインアートメイクのデメリット
ヘアラインアートメイクにはタトゥーほどの半永久的な効果はないので、施術後1~3年をめどにリタッチが必要です。また、初めてアートメイクをする人は、2回以上施術しないと、色が定着しにくいため通院や施術に時間がかかるといった点がデメリットだといえます。
そして、時間の経過とともに徐々に薄くなっていきますが、完全に消えることはなく、すぐにはデザインを変えられないので、流行を追いすぎたり、濃く入れすぎたりしないように、カウンセリングとデザインを入念に行ってください。
ヘアラインアートメイクの注意点
ヘアラインアートメイクは、頭皮に髪の毛を描くことで、見た目を改善することを目的とした施術のため、実際に髪の毛を増やすことはできないということを理解しておきましょう。
また、ヘアアートメイクの前2週間程度、受けた後は1〜2ヶ月間程度、髪染めができないとされています。白髪染め等もできなくなるので、注意が必要です。
一度アートメイクで頭皮に入れた色を変えることは難しいため、アートメイク後は極端な髪色の変更はおすすめできません。
妊娠中や授乳中の人はヘアラインに限らず、アートメイクの施術は受けられません。また、内科疾患のある人やアレルギー体質の人は必ず医師にその旨を伝えましょう。ちなみに、現在アートメイクで使用されている色素には鉱物が含まれていないためMRI検査が受けられなくなるというようなことは殆どありませんが、医療機関によっては検査を受けられないことがあるようですので、検査の予定がある人は事前に確認するなどの注意が必要です。
クリニック選びは慎重に!
アートメイクは主に美容目的で行われますが、人の体に針を刺すため、医療行為とみなされていることをご存じでしょうか。厚生労働省は2011年に「医師が行うのでなければ保健衛生上危害が生じる恐れがある」行為の一つに「針先に色素を付けながら、皮膚の表面に墨等の色素を入れる」ことを挙げており、アートメイクもこれに含まれるとされているのです。
つまり、施術を行えるのは医師または医師の監督下にある看護師のみということです。ヘアラインに限らず、アートメイクをしたいと思ったら、必ず医師の常駐しているクリニックを選びましょう。
また、施術の技術や経験がどのくらいあるかも重要なポイントです。クリニックのサイトをチェックしたり、直接電話で問い合わせたりして、施術を担当する医師や看護師の経験を確認しておきましょう。
まとめ
「ヘアアレンジを自由に楽しみたい」「アウトドアスポーツやレジャーも満喫したい」、そんな人にヘアラインアートメイクはぴったりです。また、小顔効果や若見え効果も期待できます。生え際や薄毛の悩みがある人はヘアラインアートメイクを検討してみるのもいいかもしれません。