眉毛の太さを決める遺伝子を新たに発見、明らかになった遺伝子は7つに
ポイント
- 眉毛の太さを決める新しい遺伝子が発見された
- 眉毛の太さを決定する欧州の人特有の3つの遺伝子が明らかに
- 遺伝子の解明は、顔の特徴をより深く理解することにつながる可能性
眉毛の太さを決める遺伝子がこのたび新たに発見された。これで眉毛の太さを決める遺伝子は7つ明らかになったという。この研究結果は、海外の専門医学誌7月号に掲載される。
およそ1万人の遺伝子を調べた
遺伝子が眉毛の太さに影響することは知られていたものの、その具体的な内容はあまりよく分かっていなかった。特に、欧州に住む人たちの眉毛の見た目を決める遺伝子についてよく分かっていなかったという。一方で、これまで南米や中国の人たちでは、眉毛の太さを決める遺伝子(SNP)が4つ見つかっていた。
そこで、国際的な研究グループは、ヨーロッパ人の祖先を持つ9948人の遺伝子データを解析し、遺伝子情報全体を調べた。これにより眉毛の見た目を決める遺伝子の特定を目指した。
※DNAはアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種類の塩基がつながった約30億塩基の鎖で構成されている。塩基配列は大部分が共通しているものの、一部に個人差があり、1カ所だけの差が大きな体質の差になることがある。例えば、お酒を飲めるかどうかは、ある1カ所の塩基の違いで差が生まれる。今回の研究は、この遺伝子の塩基の差を調べたもの。この一つの塩基の差のことを「一塩基多型」と呼び、SNPと略される。今回の研究もSNPについて調べているが、ここでは分かりやすくするためあえて単に遺伝子と呼ぶ。
遺伝子を探ると顔の特徴をより深く理解できる?
今回の研究から、欧州の人たちならではの眉毛の濃さを決める3つの遺伝子を突き止めることに成功した。さらに、これまでに南米や中国の人たちで見つかっていた4つの遺伝子のうち2つが、欧州の人の眉毛の太さを決める役割も担っていると確認した。
研究グループによると、今回の研究によって眉毛の形を決める遺伝子が全部で7つあることが判明したという。
将来的には遺伝子を探ることで、眉毛のほかにもさまざまな顔の特徴を知ることが可能になるのかもしれない。
そうした情報は、美容医療をより有効に、より安全に行えるようになるために応用できる可能性もありそうだ。
参考文献
The look of your eyebrows is in your genes. A new study uncovers genes that define the appearance of eyebrows
Peng F, Xiong Z, Zhu G, Hysi PG, Eller RJ, Wu S, Adhikari K, Chen Y, Li Y, Gonzalez-José R, Schüler-Faccini L, Bortolini MC, Acuña-Alonzo V, Canizales-Quinteros S, Gallo C, Poletti G, Bedoya G, Rothhammer F, Uitterlinden AG, Ikram MA, Nijsten T, Ruiz-Linares A, Wang S, Walsh S, Spector TD, Martin NG, Kayser M, Liu F; International Visible Trait Genetics (VisiGen) Consortium. Genome-wide association studies identify DNA variants influencing eyebrow thickness variation in Europeans and across continental populations. J Invest Dermatol. 2023 Apr 19:S0022-202X(23)01947-4. doi: 10.1016/j.jid.2022.11.026. Epub ahead of print. PMID: 37085041.
https://www.jidonline.org/article/S0022-202X(23)01947-4/fulltext
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