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湯船につかるとサウナよりも効果的?40.5度入浴の研究報告、体温・血流・免疫反応が大きい可能性、米国オレゴン大学が報告

カレンダー2025.11.24 フォルダー最新研究
入浴の効果。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

入浴の効果。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 お風呂に入ると体が温まることが、全身に効く可能性がある。

 米国オレゴン大学の研究チームが2025年11月、報告した。

「運動のような反応」と研究チーム

お湯。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

お湯。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 研究概要 → 20〜28歳の男女20人を対象に、温水浴、ドライサウナ、遠赤外線サウナの効果を比較。
  • 主な結果 → 温水浴は体温上昇(+1.1度)、血流増加、心臓機能・免疫活性の上昇が最も大きかった。
  • 免疫への影響 → サウナでは見られなかった免疫反応が温水浴で確認された。

 日本では湯船につかることが一般的な習慣として定着している。一方、「風呂キャンセル界隈」などという言葉がいわれ、日本でもシャワーだけで済ますトレンドもある。そうした中で、湯船につかることの健康効果が、海外から報告された。

 研究では、20〜28歳の健康な男女20人を対象に実施された。40.5度の湯に胸のあたりまで45分つかる温水浴、80度のドライサウナを10分×3回、45〜65度の遠赤外線サウナ45分という、一般的な使い方に近い条件で比較して、体の反応が調べられた。

 その結果、温水浴は体温上昇や血流増加が最も大きく、心臓の働きや免疫の活性も確認された。

 研究チームによれば、有酸素運動に匹敵している可能性を指摘した。

 特にはっきりと効果が現れたのは、体温の上昇。温水浴では深部体温が平均1.1度上昇していたが、サウナの約0.4度、遠赤外線サウナのほぼ変化なしと比べて大きかった。

 このほか免疫の反応は、サウナでは見られなかったものの、温水浴だけで確認された。

※温水浴の直後には炎症性サイトカイン(IL-6)が上昇し、24〜48時間後にはNK細胞やCD8陽性T細胞といった免疫細胞が増えていた。

 日本だと、40.5度で45分もつかるということはないかもしれないが、温水浴の効果が確認されたのは大きいかもしれない。

日本の「お風呂文化」に注目

お風呂の文化は健康や美容にもつながる可能性。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

お風呂の文化は健康や美容にもつながる可能性。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 美容との関係 → 湯船につかることで血流が促進され、免疫が活性化することは、肌の再生や修復を助ける可能性がある。
  • 注意点 → 美容医療の治療直後は高温浴を避ける必要があるが、適切なタイミングでの入浴は肌回復を支えるケアになり得る。
  • 今後の視点 → 日本の入浴文化を、美容医療の効果を高める生活習慣として再評価する意義がある。

 湯船につかることが健康につながるのは、美容の面でも無視できない。

 あえて美容医療での効果を考えると、肌の再生という意味で、血流が増えたり、免疫が活発に働くことはメリットにつながる可能性がある。そもそも肌の健康のために、こうした効果はメリットになると考えられる。

 もちろん治療直後の熱い入浴は避ける必要があるが、適切な時期に取り入れれば、肌の回復を支える日常のケアとして価値が高いこともあり得る。

 お風呂文化のある日本だからこそ、この身近な習慣を美容医療の効果を高める視点から見直す余地があるかもしれない。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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