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韓国コスメのシワ改善や美白が世界で人気に、2024年の輸出が過去最高、日米で輸入化粧品シェア1位、世界ではドイツを抜いて世界3位

カレンダー2025.6.12 フォルダー 海外

韓国コスメの輸出が過去最高を記録、世界3位に浮上

化粧品で存在感が高まる韓国コスメ。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

化粧品で存在感が高まる韓国コスメ。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 韓国コスメの輸出が2024年に過去最高を記録したことを、2025年5月に、韓国食品医薬品安全処(MFDS)が発表した。

 日本や米国では、韓国コスメが輸入化粧品の中でシェア1位を占めたほか、化粧品の輸出額でドイツを抜いて世界3位となった。韓国の美容はかねて注目されていたが、輸出の伸びを背景に、世界的な存在感をいっそう高めている。

機能性化粧品が全体の4割を占める

身近になる韓国コスメ。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

身近になる韓国コスメ。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 基礎化粧品→ 1兆円超(構成比58.7%)で最大。ローション、エッセンス、パックなどが好調。
  • 機能性化粧品→ シワ改善、美白、UVケアなどが好調。前年比+35.2%で7300億円規模に拡大。
  • スロウエイジング傾向→ シワ改善製品は前年比+70%と急伸。

 MFDSは2024年の化粧品に関する統計を発表し、同年の輸出額が前年比20.3%増の102億ドル(1ドル144円とすると、約1兆4500億円)に達し、初めてドイツを上回って世界第3位となったと明らかにした。2023年の85億ドルから17億ドル近い大幅な伸びで、世界での韓国美容の存在感が一層高まっていることを示している。生産額も20.9%増の17.5兆ウォン(1円10ウォンとすると約1兆7500億円)と過去最高を記録した。

 基礎化粧品が10.3兆ウォン(1円10ウォンとすると約1兆円)と構成比58.7%を占めて最大。ローション・クリーム、エッセンス・オイル、パック・マスクなどが特に好調だった。加えて、ポイントメイク化粧品やベースメイク化粧品などのメイクアップのための化粧品(2.7兆ウォン、同2700億円)や洗顔料などの洗浄製品(2.1兆ウォン、同2100億円)も伸びている。

 基礎化粧品を中心にシワ改善、美白、紫外線防止などの機能を重視した機能性化粧品が大幅に伸びているのが特徴だ。このカテゴリーは前年比35.2%増の7.3兆ウォン(7300億円)に上り、全体の4割近くを占めるまでに拡大した。「スロウエイジング」志向を反映したシワ改善製品が前年比7割増となっている。

 輸出先を見ると、中国向けは減少傾向にある一方で、米国(19億ドル、前年比+56.4%)と日本(10.4億ドル、+29.1%)向けが大きく伸びた。特に米国では、基礎化粧品の輸出が14億ドル(+66.5%)に達した。同国での輸入化粧品市場で、韓国製品のシェアは22.2%となり、フランスを上回って米国市場でトップとなった。

 アラブ首長国連邦(+91.0%)、インドネシア(+69.9%)、ポーランド(+161.9%)など新興市場でも急成長を遂げ、全体で172カ国に輸出国が拡大した。

韓国では化粧品の規制強化も進む

韓国は化粧品の規制強化を進める。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

韓国は化粧品の規制強化を進める。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 広告規制強化→ 2025年以降、「塗るボトックス」や「皮膚科医オススメ」など医薬品的表現を含む化粧品広告が摘発対象に。
  • 背景→ 医薬品でない製品が医薬品のような効能をうたうことで、誤解を招くリスクがあると判断された。
  • 国家的支援→ 韓国政府は化粧品・美容産業を戦略的に支援し、K-POPや美容医療と連動させて韓国コスメの存在感をさらに高めようとしている。

 ヒフコNEWSで伝えているように、韓国では化粧品の規制強化が進められている。2025年に入って化粧品の広告ルールが厳しくなり、「塗るボトックス」、「皮膚科医オススメ」といった、医薬品でないにもかかわらず、医薬品のような効果をうたった広告表現を行った化粧品が相次いで摘発された。

 世界的に韓国コスメの存在感が高まる中で、健康被害をはじめとして、トラブルを引き起こすような事態が起これば、韓国コスメの信頼性の低下につながる恐れがあると見られる。そのため、規制強化を通じて、問題の芽を事前に摘み取ろうとする動きが加速していると見られる。

 韓国は政府を挙げて化粧品をはじめ美容分野に力を入れており、K-POPや美容医療人気などの後押しも受けながら、韓国コスメの存在感は一層高まる可能性がある。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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