カウンセリングで安心、美容外科手術前に医師に聞くべき、米国形成外科学会が勧める重要質問
ポイント
- 美容整形を検討する際、医師とのカウンセリングを受け、関連質問を準備しておくことが不可欠
- 質問をすることで、治療のプロセスを理解し、十分な情報を得た上で決断することができる
- 希望する結果を得られる可能性が高まり、治療後の不満への対処やリスクなども理解できる
カウンセリングは美容医療において重要な役割を果たす。その際に医師に聞くべき質問とは何か。米国形成外科学会(ASPS)が、医師の資格、手術の選択肢、費用、治療後の結果、リスク、回復、アフターケアに関する観点から解説している。日本とは状況は異なるとはいえ、美容医療を受けるときのカウンセリングでは参考になりそうだ。
治療に対する不安を取り除く
カウンセリングでは、希望する結果や心配事について医師と話し合う。関連する質問を準備しておくことで、医師が状況に応じた提案や指導を行うことができ、実りあるセッションとなる。
米国ニューヨークの医師、Daniel Y. Maman氏は、米国形成外科学会のウェブサイトに、特に美容整形手術に関する質問をする際の有用なポイントを挙げている。
Maman氏によると、カウンセリングを受ける前に、以下の項目を確認したり、問い合わせたりすることが不可欠であるという。
質問 | 期待される答え |
---|---|
専門医資格を持っている? | カウンセリングを受ける前に確認すべき重要な点で、医師の専門性を理解できる。 |
どの手術が最適? | 医師が専門的な観点から、求められている悩みや状況に合わせた最も適切な治療が何かを案内してくれる。 |
手術にかかる費用は? | 手術の自己負担額やその他の関連費用について話し合うことで経済的な見通しが立ちやすくなる。 |
結果に満足できない場合は? | 医師の満足度に対する考え方や、再手術の可能性など術後の懸念事項への対応策について見通しを得られる。 |
リスクや合併症は? | 手術や麻酔に伴う潜在的な健康上のリスクを理解することは不可欠。 |
回復過程は? | 回復のスケジュール、身体的な制限、アフターケア、回復期間中のサポートの必要性などについて理解できる。 |
アフターケアにかかる費用は? | 術後に推奨される受診や、医師のフォローアップケアに対する考え方について理解する。 |
質問をすることで、治療のプロセスをよりよく理解することができ、十分な情報を得た上で決断を下し、望ましい結果を得る可能性を高めることができる。さらに、潜在的なリスクも含め、治療後に予想されることを知ることで、術後に適切な行動をとることができるだろう。
医師に聞いておくべき主な質問
米国形成外科学会の観点から、列挙した質問を探る。
専門医資格については米国では、「米国形成外科委員会(American Board of Plastic Surgery)」の認定を受けた医師が好ましいと説明する。
日本でもいくつか美容医療に関連する資格がある。日本では、日本美容外科学会(JSAPS、JSAS)が2つ存在しており、それぞれが専門医制度を運営している。また、関連する学会としては、日本形成外科学会、日本皮膚科学会が専門医制度を持っている。それぞれの専門医資格には特徴があるが、美容医療を手掛けている医師がこのような専門医資格を持っているのかを確認するのは、その医師の専門性を理解する参考にはなるだろう。
どの手術が良いかという点については、人それぞれ個性があるため、最適な手術の判断は様々で、他の人に効果があっても自分に同じ結果が出るとは限らない。希望する結果によって治療方法が異なることもあるので、この点を十分に話し合うことが重要になる。
費用については治療結果が期待にそぐわない場合、あらかじめ満足度に対する医師の考え方を聞いておくことが重要になる。再手術の可能性を含め、期待や不満に対処するための方針について尋ねるとよいという。
治療後のアフターケアなども質問を
満足度を医師がどのようにとらえているかについては、治療後の結果が望んだものでなかったときに問題になる。満足いかなかった場合に備えて、どのような効果を期待しているか、修正の可能性を含めて不満への対処についての考え方を聞いておくのは意義がある。
リスクや合併症についても重要な質問の一つである。治療には必ずリスクが伴うため、それらについて正確な情報を得ることは重要である。また、術後の回復やアフターケアについても確認しておくべきである。
回復過程では、何が予想されるかについては、術式や個々の要因によって異なるのでそこを確認する。仕事への復帰、子どもの世話、運動、その他の日常生活に影響する可能性がある。また、友人や家族のサポートの必要性や身体的な制限を考慮しながら、術後すぐの計画を立てるためにも重要だ。
個人差のあるアフターケアにかかる費用の確認も不可欠。術式によっては経過観察が必要な場合もあり、医療機関によって費用が異なることもある。アフターフォローの方針を明確に理解することは、治療中の安心感につながる。
カウンセリングの意義は、美容外科手術だけにとどまらない。手術以外の治療であっても、満足度に対する医師の考え方やアフターケアの内容を理解する上で、これらの質問は有益。米国形成外科学会からの情報は参考になるだろう。
参考文献
What questions should you ask your plastic surgeon during the consultation?https://www.plasticsurgery.org/news/blog/what-questions-to-ask-your-plastic-surgeon-about-cosmetic-surgery
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