HIFU(ハイフ)は、顔のお悩みに効果があると常に人気の高い施術の一つ。
エネルギーを1点に集中させて、狙った場所だけを加熱することができるリフトアップを目的とした美容治療で、元々は前立腺ガンの切除のために使用されていた技術が使われています。
特に、しわやたるみといったエイジングサインにお悩みの方や、小顔に憧れる方から人気なのですが、一体どんな効果があるのでしょうか?
何が顔に効く?ハイフ治療の仕組み
HIFU(ハイフ)は、High-Intensity Focused Ultrasound の略で、「高密度焦点式超音波」と言われる技術です。
小学校で、虫眼鏡と紙を使って太陽光を集める実験をした記憶はありませんか?
光が集められた点はみるみるうちに高温になり、紙は焦げます。
ハイフもこれと同じような作用で、超音波のエネルギーを1点に集中して照射することで、狙った部分を60~75℃に加熱するのです。
周りの組織を傷つけずに病変部だけを加熱・破壊できるとして、腫瘍の治療に使用されています。
また、脂肪細胞を破壊できることから、痩身治療にも応用されています。
このハイフが、エイジングケアや小顔を望む方たちに人気というのは、どういったわけなのでしょう?
皮下脂肪の下にある、表情筋を包む薄い膜のことをSMAS(表在性筋膜)といい、加齢によってSMASが緩むことが、皮膚をたるませる一因となっています。
外科手術以外でSMAS層にアプローチする施術
SMAS層は皮膚の深い部分にあり、かつてはフェイスリフトなどの外科手術以外にアプローチする手段がありませんでした。
そこに新しく現れた技術が、ハイフです。
ハイフをSMASに照射すると、フライパンに乗せたお肉が縮むように、SMASも熱で収縮します。
また、ハイフは先端につけるカートリッジを変えることで、照射する深さを変えることができるため、SMASの上に乗っている皮下脂肪も、同様に加熱して縮めることができます。
これらの作用で、肌の土台であるSMASから、効果的に顔を引き上げることが可能になったとされています。
施術間隔
効果は治療直後から実感できることが多く、加熱によるダメージをうけたコラーゲンの修復がその後数か月続く間、ハリ感が保たれたり、弾力がアップしたりという効果が期待できます。
半年~1年に一度のペースで繰り返し受けることが、引き上げ効果の維持に有効と推奨されています。
「切らないフェイスリフト」と言われて年齢を重ねた方のたるみ治療・予防に使われることが多かったハイフですが、最近では「皮下脂肪を収縮させることで小顔になれるらしい」として若い世代からも注目を集め、20代からハイフを受ける人も増えてきています。
痛み
照射時は、肌の奥にチリチリ、パチパチするような痛みを感じることがあります。
我慢できないほどの痛みを訴える方は多くありませんが、痛みの感じ方は人それぞれなので、不安な場合は麻酔の使用について相談してみましょう。
ハイフは照射の深さで効果が変わる|小顔効果や肌質改善も
ハイフは、機器の先端に装着するカートリッジを取り替えることで、焦点の深さを変えることができます。
真皮や皮下脂肪を狙った照射も可能で、超音波のエネルギーがどの層に作用するかで、得られる効果も変わると言われています。
1.5mm
ターゲット
真皮上~中層
得られる効果
真皮のひきしめ・コラーゲンの増生
- 毛穴ひきしめ
- ちりめんジワ改善
- ハリツヤ感UP
2.0mm
ターゲット
真皮中~深層
得られる効果
真皮のひきしめ・コラーゲンの増生
- 毛穴ひきしめ
- ちりめんジワ改善
- ハリツヤ感UP
3.0mm
ターゲット
真皮深層~皮下組織(リガメント、皮下脂肪など)
得られる効果
真皮のひきしめ・皮下脂肪溶解・リガメントの収縮
- ハリ感UP
- 顔痩せ
- フェイスラインのひきしめ(二重アゴ)
- たるみじわ改善(ほうれい線・マリオネットライン・ゴルゴライン等)
4.5mm
ターゲット
SMAS層
得られる効果
SMASの収縮
- リフトアップ
- フェイスラインのひきしめ(二重アゴ)
- たるみじわ改善(ほうれい線・マリオネットライン・ゴルゴライン等)
顔のお悩み別で選ぼう!注目のハイフメニュー3選
現在、さまざまなメーカーが医療用ハイフ機器を製造しています。
ここで、独自のメニューで注目を集める機器をご紹介します。
韓国Classys社製|ウルトラフォーマー3
ハイフシャワー
深さ1.5mm用または2mm用のカートリッジを使用して、真皮層に超音波をシャワーのように連続照射します。
この時出力は低くなっているので、痛みや熱さを感じることはほとんどありませんが、連続照射することで真皮層に適度に熱が蓄積してコラーゲンを収縮し、肌を引き締める効果がすぐに得られるとされています。
また、コラーゲンの増生によるハリ感アップや毛穴の開きの改善といった効果も期待できます。
さらに、血行が良くなることで新陳代謝が活性化し、肌のキメが整うことによる透明感といった美肌効果も期待できます。
ハイフアイシャワー
深さ2mmを狙う目元専用のカートリッジを使用して、真皮から眼輪筋上層までを引き締める施術です。
このカートリッジの照射部は細長い形状をしていて、凹凸のある目の周囲にもフィットしやすく、また目元ギリギリまで照射できる設計になっています。
目周りが引き上げられて、目が一回り大きくなったようにパッチリするという声も聞かれます。
小じわや目の下のたるみも改善へと導きます。
これら「ハイフシャワー」「ハイフアイシャワー」はウルトラフォーマーでの施術のみに使用できる名称です。
他の機器にも同じ1.5mm、2mmをターゲットとしたカートリッジはありますが、ウルトラフォーマー以外での施術にはこの名称を使えないことになっています。
ウルトラフォーマー3の治療が受けられる東京都内の美容クリニック一覧
韓国Jeisys Medical社製|ウルトラセルQプラス
リニアカートリッジ
顎や頬の脂肪減少に特化したメニューです。
ハイフは通常、点状に照射されますが、このリニアカートリッジでは線状(Linearリニア)に照射できるという特徴があります。
点での照射に比べて、一度に広範囲を加熱することができるので、脂肪細胞を破壊する効率がグンと上がったと言われています。
皮下脂肪の多い箇所への施術に特に適していて、二重アゴや脂肪による丸顔を改善し、フェイスラインを引き締めて小顔にする効果があるとされています。
たるみはもちろんですが、スッキリとしたフェイスラインを求める若年層にも人気のある施術です。
ウルトラセルQプラスの治療が受けられる全国の美容クリニック一覧
韓国Newpong社製|ソノクイーン
アイシャドウハイフ
専用のカートリッジは照射部の直径が5mmと、とても小さいのが特徴です。
目の際や眉下といった目周りだけでなく、ほうれい線やマリオネットラインなどの口周りの細かい部分にもピンポイントでハイフを照射することができます。
ターゲットは深さ2mmの層で、浅いシワの改善や、肌の引き締めといった効果が期待できます。
特に目元への照射はシワの改善だけでなく、アイリフトといった効果も期待できます。
ソノクイーン自体、全顔に照射することも可能ですが、リフト力はウルセラなどと比較すると弱いと言われています。
またソノクイーンは、「痛くないハイフ」としても評判です。
ハイフ治療向いてない?受けなくても良い人の特徴
美容系Youtuberやインフルエンサーの影響で、「ハイフを受けてみたい」という人が増えているそうです。
キレイになれる治療なら試したい!と思う気持ちもわかりますが、ハイフは誰にでも合う施術というわけではないので、ご注意ください。
元々フェイスラインがシャープな人や顔に脂肪の少ない人が、更なる小顔を目指して皮下脂肪やSMASまで働きかける照射を受けると、頬がこけて、老けて見えるようになってしまうことがあります。
また、そもそもSMASが緩んでいない20代の方には、SMASに働きかける深さ4.5mmへの照射は必要ありません。
丸顔やフェイスラインのぼやけが気になる場合は、深さ3mmのみの照射やリニアカートリッジなどで脂肪を減らす効果も期待できるので、自分にはどの治療が向いているのかを見極めるには、信頼できる医師とのカウンセリングが重要になります。
年齢を重ねて、たるみを予防したい方、たるみを自覚し始めた方の場合には、SMASへの照射が一定の効果を期待できます。
とは言え、人によって老化の進み具合や脂肪の付き方などは違いますから、一概に年齢で区切れるものではありません。
施術前に医師のカウンセリングを受けて、自分の顔についてしっかりと理解することが、治療後の満足感に繋がると言えるでしょう。
医師に相談して、ハイフで顔の悩みとおさらば!
超音波を一点に集中させて、ターゲットを加熱するハイフ。
肌のどの層に照射するかで、得られる美容効果に違いがあります。
自分には、どの層への照射が必要なのか?顔や肌の構造について熟知した医師に相談して、納得のいく施術を受けたいですね。