医療脱毛後にできる毛穴の赤いブツブツ・かゆみは「毛嚢炎(もうのうえん)」の可能性あり
医療脱毛は、レーザー光がメラニンに吸収される際に発生する熱エネルギーを利用して毛の成長に関係する組織を破壊し、再生しにくくします。
熱が毛包(毛嚢とも呼ばれ、毛や毛根部を包み込んでいる部分)の周囲にも伝わるため、施術後の肌は軽い炎症を起こしている状態です。
通常、数時間から数日で治まりますが、肌の赤みが引いた後も毛穴の赤いぶつぶつや盛り上がりが治らない場合は、毛嚢炎(毛包炎)という皮膚炎の可能性があります。
医療脱毛が原因で生じる「毛嚢炎(毛包炎)」
毛嚢炎は主に黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌など、肌の表面に存在する常在菌が毛穴に入り込むことで起こります。
医療脱毛の翌日あたりから膿を持っていることが多く、毛穴が赤く膨らんでいるように見える、悪化すると化膿して腫れるなどの点からニキビと混同されがちです。
しかし、毛嚢炎とニキビは原因菌が違うため、治療方法や処方される薬も異なります。市販のニキビ治療薬を塗っても治らないぶつぶつは、毛嚢炎を疑って医師の診察を受ける方がよいでしょう。
毛嚢炎は、赤いブツブツ以外にはほとんど症状がないといわれていますが、人によっては軽い痛みやかゆみを伴うことがあります。
かゆいと感じた時は冷やしたタオルや保冷剤を用いて冷やし、早めに医療機関を受診した方がよいでしょう。
かゆいからとかきむしって肌に傷がつくと、そこから新たに細菌が侵入して症状が悪化する恐れがあるからです。
医療脱毛後に赤いブツブツができやすくなる原因は「肌の水分不足」
医療脱毛後の皮膚は、レーザー照射時に発生する熱エネルギーによって水分が奪われ、非常に乾燥しやすい状態です。
この水分不足によって一時的に肌のバリア機能が低下し、外部からの刺激や異物の侵入に弱くなっています。
医療脱毛後に赤いブツブツ・毛嚢炎ができやすくなるのは、黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌を始めとする雑菌が入り込み、炎症を起こしやすくなっているためです。
毛嚢炎の症状は、一個だけできる場合や多発する場合など、人によってさまざま。
通常は毛穴の位置にできますが、皮膚の深部で炎症が起こると複数の毛穴に広がり、盛り上がってしこりになりやすいので注意が必要です。
また、脱毛直後だけでなく、施術後数日たってから毛嚢炎ができることもあります。
痛みや赤みが強くなってきたり、明らかに炎症が強くなってきたりしたら、施術を受けたクリニックで診察を受けると良いでしょう。
医療脱毛後の赤いぶつぶつが消えない場合は市販薬だけに頼らずクリニックへ相談を
医療脱毛後の毛嚢炎は一時的なものなので、時間の経過とともに自然に治まってきます。
しかし、数日たっても治らない、反対に増えてきたというときは、医師の診察と外用薬の処方が必要になります。
早期に肌の状態に応じた適切な治療を受けることで悪化を防ぎ、跡が残りにくくなるでしょう。
また、塗り薬や内服薬など、薬を処方されたら医師の指示に従い、用法用量を守って使うことが大切です。
医療脱毛後の赤いブツブツを予防する方法は「保湿」と「摩擦を避けること」
赤いぶつぶつ=毛嚢炎を予防するには、保湿が不可欠です。
医療脱毛後の肌は乾燥しているので、適度な水分と油分を補う必要があります。肌のバリア機能を整えることで雑菌が侵入しにくくなるため、毛嚢炎の予防につながります。
また、皮脂分泌が活発で、毛が濃く・毛量が多い部位は毛嚢炎ができやすいといわれています。
蒸れて不衛生になりがちなため、雑菌が繁殖しやすくなるからです。
医療脱毛の前後は肌を清潔に保ち、日焼けやピーリングといった肌への刺激を避けるなど、注意が必要になります。
- 背中
- ワキ
- VIO
- ヒップ
- ふくらはぎ
- 太もも
これらの部位は、女性の場合下着やストッキング、ぴったりしたボトムなどで体を締めつけることが多いため、毛嚢炎になりやすいとされています。
特に座り仕事の人は、同じ姿勢を取り続けることで特定の部分が圧迫されたり蒸れたりするので、下着を通気性のよいものにして、こまめに体を動かすことを心がけるとよいでしょう。
油分の多いスキンケアを使用すると酸化して肌トラブルに繋がることもあります。
蒸れやすい部位は油分の少ないアイテムで保湿した方が、毛嚢炎のリスクが低くなるといえます。
赤いブツブツ・毛嚢炎と診断された場合のスキンケア
では、医療脱毛後に赤いブツブツである毛嚢炎ができてしまったら、普段のスキンケアはどうすればよいのでしょうか?
悪化しないように気をつけたいポイントを解説します。
赤いブツブツのケア①清潔を保つ+保湿ケア
毛嚢炎の改善には、できるだけ患部を清潔に保つことが不可欠です。
汗はこまめにふき取り、可能であれば下着は化学繊維を避け、綿や絹など吸汗性・吸湿性の高い素材で、患部を直接圧迫したり締めつけたりしないものにすると良いでしょう。
入浴後や洗顔後はタオルで水気を取ったらすぐにボディローションや化粧水で水分を補います。
浸透させようと肌を叩くと刺激にもなるので避けた方が無難です。
少量ずつ手に取って肌に優しく包むように手でなじませ、手の平が吸いつくようにしっとりするまで、数回に分けて行うと良いといわれています。
赤いブツブツのケア②できるだけ刺激を与えないようにする
清潔を心がけることは大切ですが、汚れを落とそうと強く擦ったり、スクラブ入りの洗浄剤を毎日使ったりするのは肌への刺激になるためおすすめできません。
必要な水分や油分まで取れてしまい、肌のバリア機能の低下につながる恐れがあります。
また、肌に細かい傷がつくことで炎症が強くなり、毛嚢炎が悪化するリスクも高まります。
毛嚢炎ができている部分は、手の平に石鹸などの洗浄剤を泡立てて、優しくなでるように洗います。
洗浄剤に含まれるアルカリ分で、皮脂や古い角質などのタンパク質汚れを緩めて洗い流しやすくなるので、強く擦る必要はありません。
赤いブツブツのケア③露出する部分に紫外線対策を
腕や脚、背中の一部など、露出することがある部分に毛嚢炎ができた場合は、日焼け止めやUVカット効果のある上着、日傘などで紫外線を防ぐと良いでしょう。
ただでさえ脱毛直後は肌が敏感な状態になので、短い時間でも紫外線を浴びる可能性がある時は対策が不可欠です。
毛嚢炎の部分に日焼け止めを塗る時は、肌へ塗布・落とす際のどちらも肌負担が少なく済みやすいミルクタイプやスプレータイプが推奨されることが多いです。
しっかり肌へ塗りこんだり専用クレンジングが必要なアイテムは、患部を刺激する恐れがあるからです。
医療脱毛後の赤いぶつぶつに関するQ&A
Q1.医療脱毛の後にできる赤いぶつぶつはなに?
この赤いブツブツの正体は「毛嚢炎(もうのうえん)」もしくは「毛包炎(もうほうえん)」といって、毛穴の奥にある毛根を包んでいる部分へ細菌が入り込み、感染することで起こります。
医療脱毛後の肌は一時的に乾燥が進み、バリア機能が低下することで外部からの刺激を受けやすく、菌の侵入リスクが高まっているため、赤いぶつぶつができやすいのです
Q2.赤いぶつぶつはニキビの一種?
赤いぶつぶつ(毛嚢炎・毛包炎)とニキビは原因となる菌が違うため、症状は似ていますが病名や治療方法が異なります。
Q3.医療脱毛後の赤いぶつぶつを防ぐには?
肌が乾燥することで赤いぶつぶつができやすくなるので、医療脱毛後の肌は適度な水分と油分を補う必要があります。バリア機能を強化するセラミドなどが配合されたスキンケアを使うといでしょう。
また、蒸れることで菌が繁殖しやすくなるため、脱毛後しばらくは肌に密着するストッキングや補正下着、ガードルを避け、通気性の良い素材を取り入れるのがおすすめです。
医療脱毛後の赤いブツブツまとめ
医療脱毛後にできる赤いぶつぶつは、毛嚢炎という毛根部の炎症であることが多いです。
ニキビに似ていますが、原因となる菌が異なります。
ニキビの治療薬で治らないときや、「かゆくないけど数日たっても消えない」「数が増えてきた」というときは医師に相談することが推奨されています。
医療脱毛を続けるためにも、早めの対応で悪化を防ぐことが大切です。