毛穴

複数回治療を受けることで、リサーフェシング最大の効果である「皮膚の入れ替え」効果を徐々に実感できると言われています。シミやくすみといった色のトラブルから、小じわや毛穴の開き、ニキビ跡など皮膚の凹凸を作るトラブルまでを新しい皮膚と入れ替えることで改善することが期待できます。

開いた毛穴やニキビ跡による肌の凸凹、シミやそばかす、シワ、たるみなど、年齢を重ねればそれだけ増えていく肌の悩み。化粧品もいろいろ出ているけれど、手ごたえを今一つ感じられない……そんな人におすすめしたいのが、さまざまなトラブルの改善だけでなく、肌そのものの若返りを促すと話題のフラクショナルレーザーです。

フラクショナルレーザーってどんな治療?

フラクショナルレーザーってどんな治療?

皮膚表面をレーザーや薬剤などを使って剥離し、新しく入れ替える美容治療を「リサーフェシング」と言います。代表的なものとして「ブルーピール」と呼ばれる強力なピーリング剤を用いた治療があり、レーザー治療がここまで発達する前のアメリカでは人気の治療法でした。

このリサーフェシングは、古い皮膚を一度剥がして新しい皮膚と入れ替えるという作用のため、若返り効果は絶大でしたが、治療後1ヶ月間は包帯を巻いている必要がある、副作用で色素沈着を起こすといったデメリットも多く、特にメラニン色素の多い日本人には色素沈着が多発したため、日本では広まりませんでした。

2004年に世界初のフラクショナルレーザーである「フラクセル」が登場しました。フラクセルは、レーザーで極小の穴を無数にあけることで、分割して皮膚を入れ替えるという革新的な手法で若返り効果を得られるレーザーとして、たちまち業界から注目を集めました。

点状にレーザーを照射することで徐々に皮膚を入れ替えるため、ダウンタイムや副作用を抑えながらリサーフェシングの効果を段階的に得ることができるというコンセプトのフラクショナルレーザーは、その翌年から、技術を応用した機器が多数販売されました。今では波長や特徴の異なる10種類以上のフラクショナルレーザーが市場にあり、アンチエイジング治療だけでなく、ニキビ跡や傷跡の治療にも用いられています。

では、フラクショナルレーザーがどのように肌にいいのかを詳しく説明していきたいと思います。

皮膚を新しく入れ替える

上述した通り、リサーフェシングの効果を分割して得ることで、ダウンタイムを軽減したのがフラクショナルレーザーです。複数回治療を受けることで、リサーフェシング最大の効果である「皮膚の入れ替え」効果を徐々に実感できると言われています。シミやくすみといった色のトラブルから、小じわや毛穴の開き、ニキビ跡など皮膚の凹凸を作るトラブルまでを新しい皮膚と入れ替えることで改善することが期待できます。

コラーゲンの増生によるハリ・弾力アップ

シワやたるみの原因の一つは、コラーゲンの減少です。肌の弾力やハリの源であるコラーゲンの生成は、20代前半をピークとして、それ以降は低下していきます。

フラクショナルレーザーはレーザーの熱作用が真皮層まで達することで、自然治癒力を刺激するという作用もあります。フラクショナルレーザーでできた皮膚の極小の穴を再生するためにコラーゲンやエラスチンの生成が促進されることで、内側からハリや弾力を取り戻す手助けをしてくれるのです。

フラクショナルレーザーの種類

フラクショナルレーザーは波長の長さによって角質・表皮を完全に破壊して除去する蒸散型(アブレイティブ)と皮膚に傷をつけない非蒸散型(ノンアブレイティブ)に分けられます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

蒸散型(アブレイティブ)

蒸散型のフラクショナルレーザーは、2940~10600nmという水分への吸収が高い長めの波長のものとなります。レーザーの熱エネルギーで瞬間的に皮膚のたんぱく質を蒸散させることで、新しい皮膚の再生を促す作用があります。シミやそばかす、肝斑、クレーター状のニキビ跡や傷跡、開いた毛穴などの肌トラブルに対応します。

特にニキビ跡や毛穴の開きには非蒸散型よりも高い効果を発揮すると言われています。効果が高い反面、術中の痛みや術後の赤み、腫れが長引くなどのデメリットもあります。

非蒸散型(ノンアブレイティブ)

蒸散型よりも短い波長(1320~1927nm)のレーザーで、照射直後に凝固層を作るため、「凝固型」とも呼ばれます。

皮膚深部に刺激を与えることで、コラーゲンやエラスチンの生成を促し、ハリや弾力を生み出す効果があります。シワやたるみ、色素沈着やくすみの改善など、肌の若返りに効果が期待できます。ダウンタイムが比較的軽いという特長もあります。

フラクショナルレーザー治療のメリット・デメリット

す。  フラクショナルレーザー治療のメリット・デメリット

フラクショナルレーザーは特にクレーター状のニキビ跡や開いた毛穴、深いシワなどに効果が期待できる治療方法として注目が高まっています。しかし、メリットばかりではありません。よくない点についても知っておき、よく比較検討するようにしましょう。

フラクショナルレーザーのメリット

これまで治療が難しいとされていた症状にも対応

ニキビ跡や開き毛穴の凸凹、定着してしまったシワ、傷跡など、従来のレーザー治療では難しいとされていたさまざまな症状に対応して、肌に滑らかさを取り戻す効果に優れています。

効果を早く実感できる

フラクショナルレーザーを照射すると、数日後に目に見えないくらいの細かいかさぶたができます。これが約一週間で自然に剥がれ落ちると、その下から新しいスベスベ肌が現れます。フラクショナルレーザー一回で、皮膚の15〜20%が入れ替わるとされているほどなので、変化もそれだけ早く実感できます。

一つの治療でさまざまな症状を改善

フラクショナルレーザーは皮膚の生まれ変わりを促すため、1つの治療でさまざまな肌トラブルの改善に効果が期待できます。また、真皮を熱エネルギーで刺激することで皮膚にハリを与え、若々しさを取り戻す働きもあります。

  • シミ、そばかす、肝斑、色素沈着などの除去
  • ニキビ跡や開いた毛穴、傷跡などによる肌の凸凹の改善
  • 皮膚を引き締めてシワやたるみを改善
  • コラーゲンやエラスチンの生成を促進してハリや弾力を取り戻す

フラクショナルレーザーのデメリット

ダウンタイムがある

フラクショナルレーザーには、ダウンタイムがあります。照射直後~数日間にかけて、肌に赤みや腫れが現れます。また、細かいかさぶたができるため、肌にざらつきも感じ、ファンデーションも粉が吹いたような仕上がりになります。気になるかもしれませんが、1週間程度で自然に剥がれ落ちるため、無理に剥がさないようにしてください。

照射時に痛みがある

フラクショナルレーザーは照射前に麻酔を行いますが、それでも照射中に熱感やピリピリとした痛みを感じます。また、照射後も強い日焼けをした後のようなヒリヒリとした熱感が数時間続きます。痛みに弱い自覚がある人は、事前に医師にその旨を伝えておきましょう。

複数回の照射が必要

肌のハリや弾力の回復は1回でも感じられる人が多いのですが、ニキビ跡や傷跡、深いシワなどの治療には少なくとも2~3回の照射が必要です。症状の状態によってはそれ以上になることもあります。フラクショナルレーザーは自由診療扱いのため、費用も高額になりがちなので、施術を検討している人はその点も計算に入れておきましょう。

受けてみたい!フラクショナルレーザー機器を紹介

受けてみたい!フラクショナルレーザー機器を紹介

フラクショナルレーザーは2004年にその効果が発表されて以来、急速に注目が高まりました。照射機器も複数のメーカーから発売され、人気を得ています。ここでは代表的なフラクショナルレーザー機器と、その特徴を紹介します。

フラクセル3デュアル

2005年の登場以来、フラクショナルレーザー機器のパイオニア的存在のフラクセルシリーズ。フラクセル3デュアルは肌の深い部分に作用する1550nmと、浅い部分に働きかける1927nmの2つの波長のフラクショナルレーザーを照射することが可能です。1550nmはニキビ跡や開いた毛穴などによる肌の凸凹に、1927nmはシミやそばかす、肝斑などの皮膚の色ムラや色素沈着の除去に効果を発揮します。肌の状態や患者さんの希望に応じて、どちらか一方だけ、または両方を組み合わせて照射するなど、医師が最適な組み合わせを選択します。

フラクセル3デュアルで顔全体に照射した場合、クリニックによって異なりますが1回につき6~8万円が相場でしょう。照射前に塗る麻酔クリームの費用も別途必要になることがあるため、事前に確認が必要です。

アンコア

アンコアは10600nmの波長を持つ炭酸ガスレーザーを使用したフラクショナルレーザー機器です。強力なパワーのレーザーを一回だけ照射するウルトラパルス型で、線状・三角・四角・円状といった、シミや傷跡、深いニキビ跡などのターゲットに合わせたさまざまな形に照射ができます。

ただし、蒸散型のアンコアはダウンタイムが非蒸散型より長くなります。また、強力なだけに、広範囲への照射も向いていません。アンコアでは特定の部位を狙い撃ちして、広い範囲は他の治療機を併用するなど、医師とよく相談するようにしましょう。費用相場は顔全体の照射で1回あたり1015万円ほどです。

アファーム マルチプレックス

1440nmと1320nmの異なる波長のレーザーをほぼ同じスピードで照射することで肌の浅い部分・深い部分に働きかけ、毛穴の開きやニキビ跡などを改善しながらリフトアップ効果も得られるフラクショナルレーザー機器です。

特に紫外線による皮膚の劣化が真皮浅層(300μm)に限定されていることに着目してターゲットを絞り、レーザーの深達度も300μmまでとしているのが特徴です。1回あたりの費用相場は顔全体で5~8万円ほどで、フラクセル3デュアルやアンコアよりやや安価です。

スマートサイドスクエア(マドンナリフト)

イタリア・DEKA社のスマートサイドスクエアは、炭酸ガスフラクショナルレーザーと高周波を同時に照射できる美容レーザー機器です。炭酸ガスレーザーで肌の生まれ変わりやコラーゲンの生成を促し、高周波でゆるんだ組織を引き締め、コラーゲンを作り出す線維芽細胞を刺激します。

この機器を用いて行われる施術に「マドンナリフト」と呼ばれるものがあります。これまでは外科手術でしか十分な効果の得られなかった目元周囲の肌トラブル(まぶたのたるみや重なり、目の周りのシワ)の改善に有効な方法として注目されています。

当初は目周りの治療のことを指していましたが、近年では顔全体のリフトアップ治療もマドンナリフトと呼ばれているようです。上下まぶたとその他の部位で費用が別々に設定されていることが多く、上下まぶただけで1回あたり5~8万円、合わせて顔全体に照射すると15~18万円ほどが一般的です。

フラクショナルレーザーで肌の生まれ変わりを実感

フラクショナルレーザーは新しい肌へと入れ替わりを促すことでさまざまな肌トラブルを改善する治療法です。深いニキビ跡や開いてしまった毛穴など、なんとかしたい悩みを持っている人は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

※マッサージや化粧品などの情報が記載されている場合は監修範囲に含まれません。

※執筆・掲載日時点の情報を参考に医師監修しております。

※当サイト記事内の情報は一般的な知識であり、自己判断を促すものではありません。あらかじめ、ご容赦ください。

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