オイリー肌の原因と症状
オイリー肌の原因
しっかり洗顔したはずなのに気がつくとテカっている……メイクをしたのに崩れてしまって化粧直しが間に合わない…… そんな悩みを持つ人も多いのではないでしょうか。
皮膚にはバリア機能があり、自ら皮脂を分泌することで必要な潤いを保っています。しかし、さまざまな原因により皮脂の量が多いオイリー肌(=脂性肌)になってしまうのです。
脂性肌の原因には何があるのでしょうか。
年齢
「ニキビは青春の象徴」と言われますが、10代は皮脂の分泌が活発な年代です。
第二次性徴とともにホルモンの分泌が盛んになり、それと共に皮脂の量も激増します。
子どものころはあぶらとり紙を顔につけても何もつかないようなサラサラのきめ細かな肌だったのに、青年期になると一気に脂っぽい肌になり、毛穴も目立つようになるのです。
遺伝
もともと皮脂の分泌量が多い肌質である場合もあります。両親がオイリー肌の場合、子どももその形質を受け継いでいる可能性が。
季節
湿気が多く汗をかきやすい夏は、皮脂の分泌量も増える傾向にあります。夏になると肌がベタついて困る人も多いのではないでしょうか。歳をとるにつれてオイリー肌が改善されてきたのに夏になると脂っぽくなる人も。
食生活
皮膚の状態には普段の食事の内容も影響します。
食事の内容が偏っていて、油っぽいものや甘いものばかり食べていると皮脂の量が増えてしまいます。飽和脂肪酸を多く含むバターやショートニング、ラード、肉類などの摂りすぎに注意。
栄養のバランスを考えて、ビタミンやミネラルをきちんと摂るようにしましょう。
ストレス
ストレスもホルモンバランスが崩れる原因となるため、皮脂の分泌量を増やし、オイリー肌の原因になります。
オイリー肌の症状
オイリー肌の症状には次のようなものがあります。
- 肌の脂っぽさ・ベトベト感
- 肌のテカリ・ギラギラ感
- ニキビ
- 毛穴の開き
オイリー肌の場合、皮脂の分泌量が多いため、皮脂の出口である毛穴も開きやすくなります。
皮脂が剥がれた角質やメイク汚れなどと混ざると角栓となり、毛穴を詰まらせることも。それが毛穴の黒ずみやニキビの原因にもなってしまいます。
また、肌がベタつくので自分はオイリー肌だと思っていたら、実はインナードライだったということがあります。
「インナードライ」とは、皮膚の表面は脂っぽいのに内側が乾燥している状態のこと。
皮膚の内部の水分量が不足していると、水分の蒸発を防ごうとして皮脂の分泌が多くなります。そのため、肌がテカったりベタついたりしてオイリー肌に見えてしまうのです。
インナードライの原因には、洗顔や化粧品などで顔表面の皮脂を取りすぎてしまうことがあります。自分がインナードライであることに気づかずにオイリー肌用のケアをすると乾燥しすぎて皮脂が過剰になってしまうのです。ダブル洗顔や洗浄力の強い洗顔料を使うのは避けましょう。尚、インナードライとオイリー肌は書状が似ているため、判別が難しいとされています。見分け方としては、洗顔後につっぱった感じがある、かさつきやごわつきを感じるなど、オイリーなのに乾燥を感じるような場合はインナードライであると言えるでしょう。
自分でできるオイリー肌のスキンケア対策は?
洗顔
インナードライでない場合でも、洗顔で皮脂を取りすぎるのは禁物です。
皮脂が少なくなると、それを補おうとして新たな皮脂が過剰に分泌されてしまい、逆効果になります。ベタつきが気になるからと、1日に何度も洗顔料を使って顔を洗うのはNG。洗顔料を使うのは1日2回にとどめましょう。皮脂が落ちやすそうだからと熱めのお湯で流すのではなく、ぬるま湯でやさしく洗い流すようにしましょう。
脂性肌の方にオススメなのは固形石鹸です。固形石鹸は洗浄力が比較的強く、さっぱりした洗い上がりになります。そうでありながら、合成界面活性剤が使われていないので、余計な添加物が少なくお肌に安心。固形石鹸で洗ったあとに肌がつっぱる感じが気になる方は、透明な固形石鹸を選んでみてください。
透明な固形石鹸にはグリセリンやスクロースなどの保湿成分が含まれており、やさしい洗浄力で、しっとりとした洗い上りになります。
クレンジングは、油性の成分であるメイク汚れをきちんと落とすことが大切です。しっかりメイクをしたときはオイルタイプ、ナチュラルメイクのときはミルクタイプやクリームタイプのものを選ぶといいでしょう。肌に負担をかけないように、クレンジング剤とメイクをなじませながらやさしく洗いましょう。
毛穴の汚れが気になったときも、毛穴パックで無理に取り除くのは肌を傷つけるおそれがあるのでNGです。毛穴を刺激して逆に開いてしまう可能性があるので気をつけましょう。
化粧水や乳液を選ぶポイント
化粧水
オイリー肌であるからこそ、その状態をますます悪化させないために化粧水でしっかり保湿することが大切です。オイリー肌の人はしっとりしたタイプの化粧水を使うと重くなってしまうので、さっぱりした使い心地の化粧水を選ぶといいでしょう。皮脂の分泌を抑えるビタミンC誘導体が含まれたものがおすすめです。
乳液
ベタつくからといって、スキンケアを化粧水だけで済ませている人はいませんか。化粧水だけだと一時的に水分が補給されてもじきに蒸発してしまいます。
化粧水で補った水分に乳液などの油分の入った化粧品できちんとフタをすることが大切なのです。「乳液」というと油分の多いものというイメージがありますが、現在は皮脂コントロール機能のあるものも販売されています。油分が少なく、セラミドやコラーゲンなどが配合された保湿効果の高い乳液を選びましょう。
クリーム
オイリー肌の人の中には、ベタつくからと敬遠する方もいるかも知れませんが、クリームによる保湿は必要です。ただ、オイリー肌の人は油分の多いクリームではなく、肌になじむ軽いテクスチャーのものを選ぶようにしましょう。また、オイリー肌の人にありがちなニキビを予防するためにも、ノンコメドジェニック処方(=ニキビの原因となるコメドができにくい製品)のものがおすすめです。
生活習慣の改善
オイリー肌の人は、食べるものに気をつけて、体の内側から肌をケアすることも大切です。脂っぽいものは控えめにして、野菜を中心にバランスよく食事をとるようにしましょう。オイリー肌の人に食べてほしいのは、ビタミンB1を含む食品。皮膚の再生を助け、皮脂の分泌を落ち着かせてくれます。豚肉やうなぎ、ピーナツなどに多く含まれています。ビタミンB6は脂質の代謝を助けます。サンマやマグロなどの魚類やレバーに多く含まれています。睡眠不足もストレスやホルモンバランスに影響し、お肌のバリア機能を落としてしまいます。しっかり睡眠をとるようにしましょう。
オイリー肌に対してクリニックでできる治療法とは
オイリー肌におすすめの治療法とは?
生活習慣の改善や化粧品だけでは皮脂のコントロールが難しい、このテカる肌をなんとかしたい、という場合、クリニックで治療を受けてみてもいいかもしれません。過剰な皮脂の分泌を抑えるだけでなく、ニキビ、毛穴の開きなどの個々のお悩みに対しても適した施術を受けることができます。
治療の紹介
ケミカルピーリング
「ケミカルピーリング」は、酸性の薬剤を直接肌に塗り、皮膚表面の古い角質や毛穴に詰まった汚れを取り除く治療です。古い角質を除去し皮膚のターンオーバーを促進するとともに、毛穴に詰まった角栓を酸が溶かしてくれるため、オイリー肌で毛穴の開きが気になる場合も少しずつ改善されていきます。また、使われる薬剤によっては皮脂分泌を抑制する作用もあるので、テカリ防止効果も期待できます。
定期的に継続して繰り返しピーリングを受けることによって効果が持続します。
料金 顔全体1回 5,000円〜
メソポレーション・イオン導入
化粧品に含まれる有効成分をより肌の深部に届けることができる治療が「メソポレーション」と「イオン導入」です。「メソポレーション」とは、「エレクトロポレーション」という技術を使用して薬物や成分を導入していく治療法です。
エレクトロポレーションとは、電圧をパルス式にかけることで、一時的に皮膚表面に電気的な通路ができることを利用した経皮的薬物導入方法です。イオン導入よりも分子量の大きい美容成分を、短時間で大量に導入することができるのがメリットですが、料金はイオン導入よりも高くなります。
導入する薬剤は、治療を受ける人の希望に応じてブレンドされます。オイリー肌の場合は、ヒアルロン酸やセラミドで潤いを補充して、ビタミンC、ビタミンBで皮脂の分泌をコントロールしていくのがおすすめです。
料金 1回 10,000円〜
「イオン導入」とは、微弱な電流を皮膚に流すことで肌をプラスに帯電して、イオン化した水溶性の有効成分を肌の深部まで浸透させる方法です。セルフケアで普通につけるだけでは肌深部まで浸透させることが難しい成分を、電気の力を利用して効かせたい場所まで届けることができます。オイリー肌に効果的な成分としては、毛穴の開き似効果のあるグリシルグリシンや皮脂分泌を抑制するビタミンCなどがあります。
メリットは、費用が比較的安く済むことです。
料金 1回3,000〜5,000円
メソポレーション、イオン導入とも、繰り返し治療を受けることでオイリー肌が改善されていきます。
サーマクール
高価な治療なのでオイリー肌の改善のためだけにはおすすめできませんが、もしたるみも気になっているなら「サーマクール」もおすすめです。「サーマクール」は高周波(RF)を肌深部に照射することで、たるんだ肌を引き締めるというタイトニングを目的とした治療法です。高周波(RF)の熱刺激が真皮層のコラーゲンを収縮・活性化し、シワやたるみを改善へと導きます。皮脂腺の活動を抑制する作用もあるため、オイリー肌の症状改善にもおすすめの治療法です。
料金 90,000円〜
まとめ
メイクが崩れやすかったり、顔がテカって清潔感がなくなったりと、肌がオイリーだと特に女性にとってはつらいものです。毎日のスキンケアに気をつけ、必要なときにはクリニックの力を借りながら、みずみずしいお肌をめざしていきましょう。