たるみ毛穴が目立ってきたことにお悩みですか?たるみ毛穴は、加齢による肌の保水力低下・コラーゲンやエラスチンの減少・顔の筋力の低下といった複合的な要因で現れます。そのため、スキンケアや食事内容の見直しだけでは、効果の実感が難しいというのが実情です。手をこまねいているうちに、たるみ毛穴同士がくっついて帯状毛穴や細かいシワに進行してしまうかもしれません。思い切って、「肌のスペシャリスト」である美容クリニックに相談してみませんか?
とはいっても、どんな方法があるのか?費用は?リスクは?など様々な心配もありますよね。
この記事では、クリニックで受けられるたるみ毛穴改善のための治療法を、リスクや気になる費用の目安なども合わせてご紹介します。
たるみ毛穴を劇的に改善させるクリニックのケアをご紹介
イオン導入・エレクトロポレーション
美容有効成分を、肌に浸透させる治療法です。イオン導入は、肌に微弱な電流を流すことで、浸透しにくい有効成分をイオン化して、肌の奥深くまで届ける治療法で、エレクトロポレーションは電気パルスを肌にあてることで細胞と細胞の間に小さな隙間をつくり、その隙間から有効成分を導入する治療法となります。
どちらも有効成分を効率的に肌の奥まで浸透させることを目的としています。なぜなら、肌にどんなにいい成分でも、肌に備わっているバリア機能のため、普通に塗布するだけでは効かせたい場所まで浸透させることはできません。どちらの治療法も、元々特定の成分を特定の部位で効かせるために医療向けに開発された技術で、成分が働くべき場所(表皮基底層や真皮層)までしっかりと浸透させることで、その成分の効果が最大限に発揮されます。
肌への浸透率は、イオン導入が手やコットンでつけた場合の数10倍から100倍、エレクトロポレーションはイオン導入の20倍と言われています。導入する薬剤や成分によって効果が変わるため、美白が目的であればビタミンCやトラネキサム酸、肌のハリ感アップにはプラセンタ、のように目的別にメニューを用意しているクリニックが多いようです。
イオン導入やエレクトロポレーションといった導入治療で使用されるたるみ毛穴の改善に効果的な成分には以下のものがあります。
グリシルグリシン
毛穴のまわりの皮脂の中に不飽和脂肪酸が増えて、角質細胞内のイオンバランスが乱れると、角化異常が起こります。するとその部分が回りに比べてすり鉢状に凹んで、これが外見上影となり、毛穴が目立って見えます。グリシルグリシンは、角質細胞内のイオンバランスを整えて炎症を抑え、正常な角化を促すことで、毛穴の開きを改善すると言われています。保湿性も高いので、毛穴の開きの改善に加え、乾燥気味の肌の改善にも高い効果が期待できます。
EGF
EGFは、日本語では「表皮細胞増殖因子」と言います。アメリカのスタンレー・コーエン博士が1962年に発見し、1986年にノーベル医学生理学賞を受賞、晴れて2006年に日本で化粧品成分として認定されました。元々は医療の現場で、ケガや傷の早期治癒・皮膚再生などのために幅広く使用されていた、表皮細胞の分裂を活発にして、肌の若返りを促すという成分です。
プラセンタ
哺乳類の胎盤から抽出されたエキスで、各種のアミノ酸やビタミン類、ミネラル、酵素などさまざまな栄養素が豊富に含まれています。代謝を活発にしたり、自律神経やホルモンバランスを調整したり、抵抗力を高めたり、肝臓の働きを高めたりという効果があると言われています。美肌作用としては、血行を促進してターンオーバーを促す、抗酸化作用でコラーゲンを守る、コラーゲンやエラスチンの増殖を促す、といったことが期待されます。イオン導入・エレクトロポレーションは、1~4週間に一度のペースでの治療が推奨されています。
ロングパルスNd:YAGレーザー
肌自身の自己治癒力を利用して、肌の再生を促す治療法です。肌の真皮層にまで到達する波長の長いレーザーを、照射口を皮膚から離して、連続的にシャワーのように顔全体に照射します。弱い出力で照射するため、表皮に傷をつけることなく、真皮上層へ効率的に熱を与え、コラーゲンを変性させます。その熱ダメージから回復しようとする肌自身の力で、コラーゲンの産生が促され、肌のハリが復活します。たるんだ毛穴が引き締まります。
肌がふっくらとハリを取り戻すことで、凹んだ毛穴が目立たなくなるとともに、ターンオーバーも改善するので、キメ整うという効果も期待できます。2~4週間の間隔で5〜8回の治療が効果的とされています。
美容クリニックでは、「エクセルV」「スペクトラ」「GentleMax Pro」などの機器が使用されています。
RF治療
こちらも、肌自身の自己治癒力を利用する治療法です。RFはRadio Frequencyの略で、高周波と呼ばれています。RFを肌に照射すると、プラスとマイナスの電気刺激によって細胞がゆれて、皮下で摩擦熱が発生します。その熱によりコラーゲンにダメージを与え、肌を引き締めたり、ハリを回復させたりする作用があります。
たるみ毛穴の引き締めだけでなく、ハリ不足が原因の小じわやほうれい線にも効果を発揮するので、美容医療では定番メニューとして安定した人気があります。
電極の数によってモノポーラ(1極)式、バイポーラ(2極)式、トライポーラ(3極)式、マルチポーラ(4極以上)式があります。モノポーラ式の代表的なたるみ治療器は「サーマクール」で、皮下約2.5mmの皮下組織上層〜真皮層を強力に加熱することで、コラーゲンの収縮による即時的な引き締め効果と、ダメージを受けたコラーゲンが再生して増殖することによるハリの回復といった長期的な効果が得られます。
複数の電極を使用するタイプは、皮膚表層の引き締めに効果を発揮します。家庭で使えるRF美顔器も人気ですが、専門医が扱う医療用機器の方が当然強力で、効果もケタ違いです。
「e-plus」「イントラジェン」「サーマクール」といった機器が使用されています。
ダーマペン
やはり肌の自己治癒力による治療法ですが、レーザーやRFと違うのは、肌に熱ダメージを与えない、という点です。髪の毛よりさらに細い超極細針を使用して、肌にとても小さな穴を肌つくります。穴の深さは真皮層まで達しますが、この穴を修復しようとして、コラーゲンの生成が活性化します。
その結果、肌にハリが生まれることで毛穴の開きが目立たなくなり、つるんと滑らかな肌が目指せます。ニキビ跡にも効果が期待できるのがうれしい点です。その名の通りペン型の機器で、気になる毛穴を狙ってしっかりとケアすることができます。ダーマペンで開けた穴に、肌の若返りを促す成長因子を含む成分を浸透させると、より改善が期待できます。顔だけでなく、妊娠線の改善にも効果が期待できます。1回でも効果を期待できますが、月に1回のペースで数回の治療がより効果的です。
PRP療法
自身の血液から抽出・濃縮したPRP(多血小板血漿)を、ふたたび肌に戻す治療法です。血液中の血小板には、体の傷んだ組織の修復を促進する成長因子成分が豊富に含まれています。ケガや痛みのある部分にPRPを注射すると、大量の成長因子成分の働きで早期治癒や痛み軽減の効果が期待できると言われており、スポーツ医学でも活用されています。PRPを肌に投与すると、真皮成分を作り出す線維芽細胞が刺激されて活性化し、さまざまな若返り効果があるとされています。コラーゲンが劇的に増えることで、ハリとツヤが生まれ、毛穴も縮小することが期待できます。
2020.07.31
フラクショナルレーザー
肌の自己治癒力を利用して、コラーゲンやエラスチンの生成を促す治療法です。肌表面にごく微細なマイクロレーザービームを点状に照射(フラクショナル照射)します。すると肌は、肉眼では見えない微小の穴ができた状態になります。その穴がふさがる過程でコラーゲンの産生が促されます。
「ノンアブレイティブタイプ(温熱作用を利用した治療)」と「アブレイティブタイプ(皮膚の蒸散と収縮を行う治療)」の2種類があり、アブレイティブタイプがより効果が高いとされますが、その分ダウンタイムが長くなります。たるみ毛穴以外にも、ニキビ跡、傷跡など、凹凸になってしまった皮膚をなめらかにする効果があります。小じわにも有効だとされています。
「スマートサイド」「フラクセル」「エンライトン」「eco2」などの機器があります。1~2か月の間隔で、複数回の治療が推奨されます。
知っておきたい治療中の痛みやダウンタイムについて
イオン導入・エレクトロポレーション
微弱な電気が流れるので、肌にピリピリ感がすることがありますが、痛みはありません。治療後にメイクして帰宅することも可能です。薬剤の刺激により、ごくまれに赤みやかぶれ症状が出ることがあります。
ロングパルスNd:YAGレーザー
温かいシャワーを浴びているような感覚で、痛みは伴いません。治療後のメイクも可能です。赤みやヒリヒリ感が出ることがあります。
RF治療
治療中に痛みや熱感があります。使用される機種によって程度は違いますが、いずれも肌に塗るタイプの麻酔や冷却ジェルを使用することで軽減できます。
「サーマクール」の初期型は、とにかく痛いのが欠点と言われていましたが、最新型の「サーマクールCPT」では、神経伝達をブロックする作用により、人によっては照射されているのがわからないほどに痛みが軽減されました。「イントラジェン」「e-plus」も痛みは少なく、熱さを感じる程度です。いずれの機種でも、治療直後に赤みやほてりが出ることがあります。
ダーマペン
ダーマペンで開けた穴はとても微細なものなので、傷跡が残ることはありません。麻酔クリームを塗ってからの治療が一般的で、痛みはほぼ感じません。超極細とは言え、針を細かく肌に刺すので、治療直後は肌が赤くなります。メイクは翌日からです。
PRP療法
使用するのは自身の血液なので、アレルギーや感染の心配はありません。治療時は、注射の痛みがあります。内出血、赤み、腫れが出ることがあります。メイクは翌日からです。
フラクショナルレーザー
針でチクチク刺すような痛みや、ゴムでパチンと弾かれたような痛みがあります。麻酔クリームを塗っての治療が一般的です。治療直後から赤みや腫れ、急激に日焼けをした後のような熱感がありますが、熱感は翌日には治まります。
その後、顔全体に細かいかさぶたができるため、触るとザラザラしたり、メイクが粉っぽくなるといった期間が1週間ほど続きます。このかさぶたは自然と剥がれ落ちるため、無理に剥がさないようにしましょう。
治療を選ぶ時のポイント
事前のカウンセリングが大切
まずは医師の診察を受けて、じっくり相談しましょう。たるみ毛穴をどこまできれいにしたいのか、予算はいくらまでに抑えたいか、ダウンタイムはどうかなど、ご自身の希望を医師にしっかり伝えることが、納得のいく治療に繋がります。そのうえで、どの治療法が適しているのか、医師に提案してもらいましょう。
料金
たるみ毛穴の治療は、健康保険が適用されない自由診療です。同様の治療法でも、クリニックによって使用する機器・薬剤が異なります。また、クリニックの治療では、医師が行うのか、看護師やその他スタッフが行うのかということや、医師の技術レベルによっても料金は大きく違ってきます。安かろう悪かろうという言葉もあるように、値段だけで選ぶと後悔する可能性もあるので、料金以外の情報もしっかりと見極めた上でクリニックを選ぶことをおすすめします。
【一回当たりの費用の目安(消費税抜き)】
イオン導入 (グリシルグリシン) |
4,000~9,000 |
エレクトロポレーション (EGF) |
7,000~20,000 |
ロングパルス Nd:YAGレーザー |
8,000~20,000 (顔全体・約5,000ショット) |
RF治療 |
40,000~80,000 (顔全体) |
ダーマペン |
12,000~27,000 (頬) |
PRP療法 |
120,000~300,000 (両頬・約5.0cc) |
フラクショナルレーザー |
12,000~50,000 (CO2レーザー・両頬) |
ダウンタイム
治療後、肌が回復するまでの期間が「ダウンタイム」です。治療によって、かさぶたができたり、赤みや腫れが残る期間のことで、治療によってはメイクができない期間があったりもします。
今回ご紹介した治療の中では、フラクショナルレーザーが最もダウンタイムが重く、1週間ほど細かいかさぶたで肌がざらつく状態が続きます。ダーマペンやPRP療法も多少の腫れや注射針による内出血などが起こる可能性はありますが、ほとんどダウンタイムはないと考えて大丈夫でしょう。
RFやレーザー治療、導入系の治療に関しては、ダウンタイムは感じられないことが多いので、安心して治療を受けることができます。また、治療後の肌はデリケートなので、日焼け止めクリームやマスクなどで紫外線対策もしっかりとする必要があります。
治療頻度・期間
いずれの方法も、一回の治療で肌が見る見るうちに生まれ変わる…というものではありません。それぞれ適した間隔をおいて、複数回の治療を受けることで、効果が高くなるものです。治療終了までに、どのくらいの頻度で何回通院することになるのか、医師としっかり相談しましょう。
まとめ
美容クリニックで受けられる、たるみ毛穴改善の治療法をご紹介しました。たるみ毛穴の治療は、肌の深いところに働きかけるものが多いので、効果やリスクについて、事前に医師としっかり話し合っておくことが大切です。ご自身に合う方法を見つけて、満足のいく治療を受けたいですね。
2021.08.28