毛穴のつまりを改善するスキンケアに力を入れているのに、全く改善されないという方も…。毛穴の開きは、年代別の肌トラブルや、間違ったスキンケアが原因の可能性があります。
今回は、そんな毛穴の開きに悩む方へ、原因やおすすめの対策法を解説!美容治療やセルフ対策までご紹介します。毛穴の黒ずみに悩んでいる方は以下の記事をご覧ください。
毛穴の開きの主な原因

毛穴は、うぶ毛や毛が生えるための穴ですが、皮脂が分泌される皮脂腺や汗が分泌される汗腺も毛穴の中にあります。女性は、毎日メイクをする方が多いため、余計に毛穴がつまりどんどん開いてくる原因になります。
皮脂の過剰分泌
毛穴は、皮脂が出てくる穴なので、皮脂が多すぎると当然毛穴が開く原因になります。皮脂が過剰に出ている状態は、テカテカとべたつきのある「オイリー肌」と呼ばれる肌です。ニキビもできやすく、毛穴の開き以外にもさまざまな肌トラブルを引き起こすので、大変危険な状態。特に、Tゾーン(おでこや鼻)は皮脂が分泌されやすいため、毛穴の開きの原因になります。
肌の乾燥
肌の水分量が不足すると、キメが乱れて毛穴が目立ちやすくなるだけでなく、乾燥を補おうとして皮脂が過剰に分泌されることで、毛穴に皮脂や汚れが詰まりやすくなります。
さらに、乾燥は肌のハリを低下させ、毛穴の周囲の皮膚がたるむことで毛穴が開いたように見える原因にも。
また、ターンオーバーの乱れを引き起こし、古い角質が毛穴に詰まって肌トラブルを悪化させることもあります。
肌の乾燥を防ぐためには、保湿を徹底することが重要です。化粧水や乳液、クリームなどで肌に潤いを与え、乾燥から肌を守りましょう。
肌のたるみ

加齢や紫外線の影響で、皮膚の内側にあるコラーゲンやエラスチンといった弾性繊維が減少してしまうと肌にハリがなくなり、たるんでいきます。膨らんだ風船がしぼむように、肌がしぼんでしまうことで毛穴までたるんでしまい、たるみ毛穴へと繋がります。毛穴は、通常丸い形でとても小さく目立ちにくいもの。しかし、肌のたるみとともに毛穴が丸からしずく型のように大きく伸びてしまい、目立つようになるということです。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れは、皮脂の過剰分泌を引き起こし、毛穴の開きを悪化させる原因の一つです。
ホルモンバランスは、ストレスや睡眠不足、食生活の乱れなど、様々な要因によって乱れます。
特に、女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、肌のハリや弾力を保つ働きがあり、皮脂分泌を抑制する役割も担っています。
しかし、ホルモンバランスが乱れると、エストロゲンの分泌量が減少し、皮脂の分泌量が増加してしまうのです。
ターンオーバーの乱れ
通常は約4週のサイクルで肌は生まれ変わっています。しかし、ターンオーバーのサイクルが乱れると、不要な角質が皮膚表面に溜まり、皮脂と混ざり合って毛穴に詰まりやすくなるため、毛穴の開きを悪化させます。
ターンオーバーが乱れる原因は主に上記の理由です。睡眠不足や運動不足によって代謝が下がることも原因の一つとなるので、規則正しい生活や定期的な運動習慣を心がけるとよいでしょう。
食生活の乱れ
食生活の乱れは、毛穴の開きを悪化させる要因の一つです。
栄養バランスの偏った食事は、肌のターンオーバー(新陳代謝)を阻害し、毛穴に古い角質が蓄積しやすくなります。
特に、脂質や糖質の過剰摂取は皮脂の分泌を促進するため、毛穴が詰まりやすくなるだけでなく、炎症を引き起こして毛穴をさらに目立たせる可能性もあります。
反対に、ビタミンやミネラルが不足すると、肌の弾力を保つコラーゲンの生成が滞り、毛穴を支える力が弱まってしまいます。
その結果、毛穴が開きやすくなるだけでなく、たるみ毛穴の原因にも繋がります。
不規則な生活
睡眠不足や不規則な生活は、肌のターンオーバーを乱し、毛穴の開きの原因となる可能性があります。
ターンオーバーとは、肌の細胞が生まれ変わるサイクルのことです。健康な肌は、約28日周期で新しい細胞が生まれ変わり、古い角質は自然と剥がれ落ちます。
しかし、睡眠不足や生活リズムの乱れによって、このターンオーバーが正常に行われなくなってしまうことがあります。
ターンオーバーが乱れると、古い角質が肌表面に蓄積し、毛穴を詰まらせてしまいます。
その結果、毛穴が押し広げられてしまい、開いた状態になってしまうのです。
年代別でみる毛穴の開きの原因

毛穴の開きは、どの年代でも悩みが多いです。しかし、年代によって主な原因が変わってくるため、年代別で見る原因もご紹介します。
10代
オイリー肌で、ニキビトラブルに悩まされやすいです。ニキビばかりに気をとられがちですが、皮脂の分泌が過剰になっているため、毛穴が開きやすい状態にあります。実は10代での適切なスキンケアができていないと、その後の毛穴の開きも悪化することになります。
20代
10代よりも皮脂量は落ち着く20代ですが、まだ皮脂の悩みは多い年代です。また、20代は本格的にメイクをし始める頃なので毛穴汚れやつまりが深刻化してきます。そして、ストレスが多い年代でもあるので、ターンオーバーの乱れ、ホルモンバランスの乱れなどがとても多くなります。
30~40代
30~40代では、老化によるたるみなどが原因で毛穴が開きます。それだけでなく、どんどん皮脂が無くなり乾燥もしやすくなるため、乾燥または乾燥による皮脂の過剰分泌が原因になることが多いです。
今すぐ試したい!毛穴の開き対策セルフケア

保湿を徹底する
毛穴の開きを改善するために、肌の保湿は非常に重要です。
肌の水分量が不足すると、肌は乾燥を防ぐために皮脂を過剰に分泌してしまいます。
過剰に分泌された皮脂は毛穴に詰まりやすく、毛穴を広げてしまう原因になります。
また、乾燥によって肌の弾力が失われると、毛穴を支える力も弱まり、毛穴が開きやすくなります。
肌に潤いを与えることで、皮脂の過剰分泌を抑え、肌の弾力を保つことが、毛穴の開き改善に繋がります。
毎日のスキンケアでは、化粧水で肌に十分に水分を与えた後、乳液やクリームでしっかりと蓋をして、潤いを閉じ込めましょう。
クレンジングや洗顔を念入りに行う
毛穴の開きを改善するためには、毎日のクレンジングと洗顔を丁寧に行うことが非常に重要です。
クレンジングは、メイク汚れや皮脂などの油性の汚れを落とすためのものです。
肌の状態に合わせて、オイルクレンジング、クリームクレンジング、ミルククレンジング、ジェルクレンジングなどから適切なものを選びましょう。
重要なのは、肌に負担をかけずに優しくメイクを落とすことです。
ゴシゴシこするのは逆効果なので、指の腹を使って丁寧に円を描くようにクレンジング剤をなじませましょう。
正しいクレンジング
使うクレンジングは、オイルやクリームなどさまざまですが、守ることは同じです。
- ゴシゴシこすらない
- 摩擦は皮膚にとって大敵。シミや色素沈着を誘発するだけでなく、皮脂の取りすぎによる乾燥も招いてしまいます。
- ポイントメイクは専用のリムーバーを使用する
- 面倒でついつい1つのクレンジングだけで済ましてしまいがちですが、落ちにくいマスカラやアイライナーなどはきちんと専用のリムーバーを使用しましょう。
- ぬるま湯で流す
- 洗い流すときは、冷たすぎると毛穴汚れが落ちにくくなり、熱すぎると皮脂を取りすぎに繋がります。38℃くらいのぬるま湯がおすすめです。
正しい洗顔

- 石鹸をしっかり泡立てる
- Tゾーンなど皮脂が多いところからクルクルと円を描くように洗う
- 肌全体をしっかりと洗えたら、素早くぬるま湯で泡を落とす
- 清潔なタオルでやさしく押さえるように水分をとる
実際に肌を手で触らなくてもいいくらいの弾力がある泡で洗うと、刺激が少ない優しい洗顔ができます。それから、石鹸を長く顔に付けていた方が汚れが落ちると勘違いしている方が多いですが、泡が長時間顔に付いていても、刺激になったり、乾燥を招く原因になります。
洗い流す際、泡が残ってしまうと肌トラブルの原因になるので、生え際までしっかりと泡を落としましょう。
ストレスを溜めない
学校や仕事など、女性もストレスがとても多い世の中です。しかし、ストレスを溜め込むのは毛穴の開きに悪影響。発散したり、ストレスがあると感じたらできる限り体も心も休ませてあげましょう。
規則正しい生活を送る
毛穴の開きの原因でも、乱れた生活習慣はよくないことがわかりました。毛穴レスな綺麗な肌を目指すには、規則正しい生活が大事です。具体的には、食習慣や睡眠、適度な運動などがあります。時間がなくて難しい方も、少し意識をするだけでも違います。今日は自分に休息を与えようと、たまに休む日を作るなども有効でしょう。
セルフケアで改善しない場合は美容クリニックで治療を受けよう
セルフケアを続けても毛穴の開きが改善しない場合は、美容クリニックでの治療も検討してみましょう。
美容クリニックでは、セルフケアではアプローチできない肌の深層部に働きかける、 高度で専門的な治療を受けることができます。
例えば、レーザー治療や光治療などが挙げられます。レーザー治療や光治療は、肌に特殊な光を照射することで、コラーゲンの生成を促進し、肌にハリや弾力を与え、毛穴の開きを改善へと導きます。
美容クリニックでの治療は、毛穴を引き締める効果が得られるというメリットがある一方で、費用がかかるというデメリットもあります。
治療を受ける前に、医師にしっかりとカウンセリングを行い、自分に合った治療法や費用について相談することが大切です。
まとめ
毛穴の開きは、間違ったスキンケアや、生活習慣の乱れが大きく関わっています。年代別にも特有の原因がありますが、どの年代でも毛穴開きで悩む方が多いのが事実です。毛穴の開きを改善するには、美容クリニックで施術を受けるのがおすすめ。自分の症状と希望に合った施術で、毛穴レスの美肌を目指しましょう。
記事監修

- 土屋佳奈 先生
- 医療法人社団尾泉会
つちやファミリークリニック皮膚科医師 - 0338731375
東京医科大学医学部医学科卒業。東京女子医科大学病院で研修後、皮膚科学教室に入局。東京女子医大病院、JR東京総合病院勤務を経て、都内の美容クリニック、皮膚科クリニックに勤務。現在はつちやファミリークリニックにて、副院長として皮膚科診療に従事。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
日本美容皮膚科学会会員
日本臨床皮膚科医会
日本抗加齢医学会会員







