人中ボトックスとは
人中ボトックス注射とは、鼻と唇の間にある縦形の溝の人中にボトックス注射を打つことで緊張を和らげて、人中の長さを短くする施術です。
年齢を重ねると人中は伸びてしまうのが特徴です。そこで、人中の距離が短くなる施術を受けると、顔が引き締まることで小顔効果や若返り効果が期待できます。
また、ボトックスとは、ボツリヌス菌が作り出す毒素を治療に活用した医薬品で、体内の化学伝達物質を阻害して神経を麻痺させることで効果を発揮します。
人中ボトックスはメスで皮膚を切除せずに、ボトックス注射を打つだけで施術が完了するため、比較的副作用のリスクが低いのが特徴です。
施術してから1~2週間程で効果が現れ、約3ヶ月~半年まで効果が続きます。
黄金比は【人中の長さ:あごの長さ=1:2】
唇と鼻の間の距離を指す人中が短いと、顔全体がスマートな印象になります。
そのため、人中の長さは顔のイメージを判断する重要なパーツです。
理想の顔のサイズは、人中の長さ:あごの長さ =1:2の黄金比のバランスで整っている大きさです。
この比率に近ければ近いほど、若々しいイメージや可愛らしい印象を相手に与えやすいと言われています。
小顔な印象になれる
人中が長い顔は、締まりのないイメージを与えてしまいます。
そこで、ボトックスを人中に注入して人中の長さが短くなったように見せることで、小顔効果が期待できるでしょう。
また、定期的に唇フィラーの施術を受けると、できるだけ効果を長く感じ続けられます。
口元に立体感が生まれハーフ顔に見える
人中ボトックスを打つと鼻下全体が引き上げられるため、リップのリフトアップ効果が期待でき、ふっくらとした立体的な唇になりハーフ顔に近づけられます。
また、上唇の筋肉である口輪筋にボトックスを注入すると上唇の山が上向きになるため、もとの唇の厚さが薄い場合は効果を感じやすいでしょう。
人中ボトックス注射の種類
人中に注入するボトックス注射の種類は、以下5つです。
- ボトックスビスタ
- ボツラックス
- ナボタ
- ニューロノックス
- ボコーチュア
ここからは、それぞれのボトックスの特徴を押さえていきましょう。
ボトックスビスタ
「ボトックスビスタ」はアメリカのアラガン社製のボトックスで、ボツリヌス菌が生み出す毒素を用いた「ボツリヌストキシン製剤の元祖」と呼ばれています。世界的に有名なボツリヌストキシン製剤の代表格で、臨床実験に実績は30年以上にわたっています。
ボトックスビスタは、ボツリヌス菌が産生するA型ボツリヌス毒素によって主に構成されており、現在、日本ではアラガン・ジャパンが取り扱っている製品です。
アラガン社から認定された医師だけがボトックスビスタの施術を扱えるため、安全性や信頼度を重視したい場合におすすめのボトックスです。
ボツラックス
ボツラックスはHugel社のボツリヌストキシン製剤で、ニューロノックス同様KFDA(韓国食品医薬品安全庁)に承認されている薬剤です。
ボトックスビスタのジェネリック製品のためボトックスビスタと同じ有効成分が用いられており、効果や品質、安全性もボトックスビスタと同等なのが特徴です。
後発品でメーカーの販売価格がボトックスビスよりも安価なため、できるだけ低予算で安全にボトックスにチャレンジしたい方にぴったりの製品と言えます。
ナボタ
ナボタは、韓国で特別な賞を受賞した、KFDA(韓国食品医薬安全庁)に認可されている韓国製のボツリヌストキシン製剤です。
現在は60カ国以上の国と製品の輸入契約を結んでおり、日本でもさまざまなクリニックで利用されています。
また、韓国で作られたボツリヌストキシン製剤として、初めてアメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)の承認を得た薬剤としても有名です。
ニューロノックス
ニューロノックスは韓国食品医薬品安全庁の認可「KFDA」を受けており、韓国では販売実績1位を誇るMedy-Tox社のボツリヌストキシン製剤です。
ボトックスビスタを販売しているアラガン社が使っている、米国ウィスコンシン大学の「type A hall菌株」をベースに作られています。そのため、ボトックスビスタのジェネリック製剤と言っても過言ではないでしょう。
また、ボトックスビスタよりも価格が安いため、予算が限られている場合でも施術を受けやすいのが特徴です。
ボトックス注射の経験があり施術費用を抑えたい場合は、ニューロノックスの注入がおすすめです。
ボコーチュア
コーチュアは、ニューロノックスやボツラックスと同じように韓国のKFDA(韓国食品医薬品安全庁)の承認を得ているボツリヌストキシン製剤です。開発元は、ドイツのMerz Group Service Gmb社で、ボコーチュアの旧名はゼオミンといいます。
アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)、欧州のCE(EU加盟国の基準を満たした証)の認可を2011年に受けています。世界のさまざまな機関から認可や承認を受けているため、比較的信頼性や安全性が高い製剤です。
また、今までのボツリヌストキシン製剤は繰り返し使うと抗体ができるため、効果が感じにくくなるのが難点でした。
しかし、ボコーチュアは、抗体の原因となる複合タンパク質量の含有量が少ないため、繰り返しの使用でも効果が期待できます。
ボトックス注射を何回も打って効果が実感しづらくなっている方は、ボコーチュアを試してみるのもいいでしょう。
人中ボトックスが向いている人・向いていない人
次に、人中ボトックスが向いている人・向いていない人の特徴をそれぞれご紹介します。
人中ボトックスの施術を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
人中ボトックスが向いている人
人中ボトックスが向いている人の特徴は、以下3つです。
- 鼻下を短くしたい人
- 間延びした顔立ちを解消したい人
- 可愛らしい印象になりたい人
鼻下を短くしたい人
人中ボトックス注射は、鼻下を短くしたい場合に適した施術です。
ボトックスを鼻下の人中部分に注入するため、上唇が上に向きやすくなります。
上唇がリフトアップすることで鼻の下と唇の距離が短くなったように見えて、鼻下が縮んだような錯覚が作れます。
このように鼻の下が短く見えると丸顔に近づくため、人中ボトックスは顔を可愛らしいイメージにしたい方におすすめの施術です。
間延びした顔立ちを解消したい人
間延びした顔立ちを解消したい場合にも、人中ボトックスの注射が効果的です。
ボトックスを打つと筋肉の緊張が緩和し、顔全体をキュッと引き締まることで、面長な印象を和らげてくれる効果が期待できます。
可愛らしい印象になりたい人
人中ボトックスを受けて鼻下全体を引き上げると、唇のインパクトが強くなり小顔に見えるため、可愛らしいイメージを与えられます。
大人っぽい印象ではなく、「童顔」や「幼さが印象的な顔」に近づきたい場合に人中ボトックスが効果的です。
人中ボトックスが向いていない人
人中ボトックスが向いていない人のポイントは、以下2つです。
- 笑うと歯茎が出る人(ガミースマイル)
- 童顔な雰囲気になりたくない人
笑うと歯茎が出る人(ガミースマイル)
笑うと歯茎が出る「ガミースマイル」の人は、人中ボトックスの施術は控えましょう。
ガミースマイルは、鼻横にある上唇尾翼挙筋が唇を引き上げることで生じます。
人中ボトックスを打つと、この筋肉の働きが弱まって違和感のある表情になってしまう恐れがあります。
また、人中が短いのに人中ボトックスを打った場合、ガミースマイルになる可能性もあるため十分に検討したうえで施術を受けましょう。
童顔な雰囲気になりたくない人
人中ボトックスは人中が短縮する効果があり間延びや面長が解消されるため、童顔な雰囲気になりやすいのが特徴です。
可愛らしい印象になりたい方にはおすすめの施術ですが、はっきりとした顔立ちに近づきたい場合は他の美容治療も検討しましょう。
人中ボトックスのメリット・デメリット
続いて、人中ボトックスのメリット・デメリットを解説します。
人中ボトックスの施術を考えている方は、ぜひチェックしておきましょう。
人中ボトックスのメリット
人中ボトックスのメリットは、以下4つです。
- ダウンタイムが短く気軽に受けられる
- いずれ元に戻るのでお試し感覚でできる
- 唇のシワ予防になる
- 唇のリフトアップ効果が期待できる
ダウンタイムが短く気軽に受けられる
人中ボトックスは当日で完結する治療でダウンタイムが短いため、気軽に受けられます。
注入するだけで治療が済むため、人中ボトックスはメスを使って切開する人中の手術と比べて患部が落ち着くまでの時間が短いのが特徴です。
注射して1週間程度経つと徐々に効果が現れて、人中が短く見えます。
いずれ元に戻るのでお試し感覚でできる
ボトックス注射の効果は一時的であるため、時間が経つと共に、元の人中の状態に戻ります。
そのため、形が気に入らなかったり、失敗だったと感じたりしても、リスクは低いと言えるでしょう。
人中の長さが気になっている場合は、最初から切開するのではなく人中ボトックスから試してみるのがおすすめです。
唇のシワ予防になる
ボトックス注射を人中に定期的に打つと、唇のシワを防げます。
ボトックスはシワを軽減する効果が期待できます。
唇のシワが目立つようになると実年齢よりも年を重ねた印象を与えてしまう可能性があるため、若々しい状態でいたい方は、人中ボトックスを検討してみてください。
唇のリフトアップ効果が期待できる
人中ボトックスは、唇がふっくらとリフトアップする効果が期待できます。
人中にボトックスを注入することで上唇が上向きになるため、唇の厚さが薄くて気になっている場合はボリュームアップの効果を感じやすいでしょう。
人中ボトックスのデメリット
人中ボトックスのメリットが存在する一方で、デメリットも存在します。
人中にボトックスを注入することで生じるデメリットは、以下3つです。
- 効果が一時的
- 効果を感じるのに約1週間かかる
- 一時的に口が動きにくくなることも
効果が一時的
ボトックス注射の効果は半永久的でなく、一時的なものです。
体質や用いるボトックスの種類によって異なるものの、3~6ヶ月程度でもとの人中の状態に戻ります。そのため、人中ボトックスを打った仕上がりの状態を維持するためには、定期的に施術を受ける必要があります。
定期的に注入するタイミングは、カウンセリング時に医師と相談して決めましょう。
効果を感じるのに約1週間かかる
人中ボトックス注入後、効果を感じるのに約1週間かかります。
そのため、すぐに人中が短く見える効果を得たい場合には適さない施術です。
結婚式やパーティーなど、イベントがある日に合わせて人中を短く見せたい場合は、1週間前には治療を受けられるようスケジュールを調整しましょう。
一時的に口が動きにくくなることも
ボトックスは筋肉を緩める働きがあるため、人中ボトックスの注入後は一時的に口が動きにくくなることがあります。
その場合、笑顔がひきつったり、言葉が発音しにくかったり、唇に麻酔を打たれたような違和感があったりなどの症状が現れます。
このように人中ボトックスを打つと、口をスムーズに動かせず食べ物や飲み物をこぼす恐れがあるため注意が必要です。
なぜ人中を短縮すると美人にみえる?黄金比は1:2!
人中が長いと、顔全体がのっぺりとして、面長の印象を相手に与えてしまいます。
そこで、人中にボトックスを注入することで、顔全体を引き締めて面長よりも若々しい印象を抱かせる童顔に近づけられます。
しかし、人中が短ければ短いほど美人に見えるわけではありません。
可愛らしい顔になるための人中・あごの長さの理想的な比率は、1:2と言われています。
人中ボトックスの施術を受ける際、この黄金比の1:2を心がけてカウンセリングでなりたいイメージを医師に伝えましょう。
また、自力で人中を短くする方法が気になる方は、以下の記事も読んでみてください。
【ヒアルロン酸+ボトックス】の組み合わせ治療もおすすめ
人中ボトックスを打とうか悩んでいる場合、【ヒアルロン酸+ボトックス】の組み合わせ治療もおすすめです。
ヒアルロン酸を注入すると唇にボリュームが出て、口角を下げる口角下制筋に作用して口角をアップさせられます。
人中ボトックスの施術の流れ
ここからは、人中ボトックスの施術の流れをご紹介します。
詳細は以下のとおりです。
Step1:カウンセリング
医師やカウンセラーによってカウンセリングが行われます。
人中ボトックスの効果やメリット・デメリットを説明してもらいましょう。
Step2:麻酔
追加料金がかかることが多いものの、痛みに弱い場合は麻酔クリームや麻酔テープを塗布するのがおすすめです。
Step 3:注入
医師が患部を確認し、注射位置を定めてからヒアルロン酸注射や脂肪注入を行います。
施術に必要な時間は5~10分程度です。
人中ボトックスの費用相場は約2万円
人中ボトックスの費用はクリニックによって異なるものの、相場は約2万円です。
メスを入れて行う人中短縮の手術を受ける場合、約30〜40万円の料金がかかります。
そのため、人中ボトックスは比較的少ない予算でも受けられる、お手頃な美容治療だと言えるでしょう。
人中ボトックスのダウンタイムやリスク・副作用を解説
ここからは、人中ボトックスのダウンタイムやリスク・副作用を解説します。
人中ボトックスが気になっているけれど、ダウンタイムの期間が確保できない方は把握しておきましょう。
人中ボトックスのダウンタイムはほぼなし
人中にボトックスを注入した場合、ダウンタイムはほとんどありません。
ボトックス注射を打つ際の針の傷は、当日に消えるのが一般的です。
当日からメイクができるのも嬉しいポイントです。
腫れ・内出血
ボトックス注射を打つと、腫れや内出血が部分的に現れることがあります。
しかし、1~2週間程度で徐々に症状が緩和されるため、心配は不要です。
気になる場合は、部分的にコンシーラーを塗ると患部を隠せます。
近年は、施術時の痛みが軽減されるよう、細い針を使って施術を行っているクリニックもあります。
痛みに弱い方は、カウンセリング時に注射針の太さを確認しておきましょう。
筋力低下
ボトックス注射は筋肉の動きを制御するものなので、注射した部分の筋力が低下する場合があります。
とはいっても肩こりの根源となっている筋肉だけが発達しにくくなり、その他の部位への悪影響はないのでご安心ください。
失敗を防ぐために!人中ボトックスを受ける時の注意点
次に、人中ボトックスを受ける時の注意点を以下3つ、ご紹介します。
- 実績豊富な医師に依頼する
- 適切な間隔で受ける
- ダウンタイム中の注意事項を守る
実績豊富な医師に依頼する
人中ボトックスの注射は大がかりな施術ではないものの、注入する部位や量をコントロールする高い技術が求められる治療です。
そのため、施術の失敗を防ぐためには実績や経験を積んでいる医師に人中ボトックスを注入してもらう必要があります。
情報収集としては、クリニックのホームページから担当医師の実績や所属学会を調べたり、X(旧:twitter)やInstagramで症例や口コミを確認したりするのがおすすめです。
適切な間隔で受ける
人中ボトックスは、一度注入しても時間が経つと効果がなくなってしまうため、人中が短く見える状態を維持するには、定期的に施術を受ける必要があります。
ただし、体内にボトックスが残っているまま、ボトックスを注入してしまうと失敗する可能性が考えられます。そのため、人中ボトックスは適切な間隔で注入しましょう。
ダウンタイム中の注意事項を守る
注意事項を守らずにダウンタイムを過ごした場合、赤みや内出血などの副作用が落ち着くのに時間がかかってしまいます。
血行が良くなる運動や長時間の入浴は控えて、大人しく静かに過ごしましょう。
また、副作用の赤みや痛みが引かないときは、患部を適度に冷やすと症状が弱まるケースもあります。
人中ボトックスを受けられない人
顔を引き締める効果が期待できる人中ボトックスですが、実は施術が受けられない場合があります。
ここからは、人中ボトックスを受けられない人はどのような人なのか、具体的にご紹介します。
妊娠中・授乳中の人
妊娠中またはその可能性がある方、授乳中の方はボトックスの注入はできません。
体に変化が生じて、胎児や赤ちゃんに影響が出る恐れがあるためです。
妊娠中の可能性があるかもしれない場合は、あらかじめ検査を受けておきましょう。
市販薬を服用中の人は受けられないことも
市販薬を服用している場合、飲んでいる薬の種類や量によっては、ボトックス注射が受けられないことがあります。
服用している薬がある場合は、お薬手帳や飲用している市販薬の箱や説明書などの薬の詳細がわかるものを持参し、カウンセリング時に医師に相談しておきましょう。
ボトックスにアレルギーがある方
ボトックスにアレルギーがある場合、注入されたボトックスが体内で異物だと認識されて、赤み・かゆみなどが引き起こされることがあります。
一般的にこれらの症状は、1週間〜1ヶ月程度で落ち着きます。しかし、アレルギーの症状がなかなか治まらない場合は、クリニックや担当医師に相談するのが一番です。
人中ボトックスが得意なクリニック
人中ボトックスが得意なヒフコおすすめクリニックは、オザキクリニック目黒祐天寺院です。
在籍している朽木律子先生はアラガン社製ボトックスビスタの認定医のため、安心してボトックス注射の施術が受けられます。人中ボトックスの価格は1回28,600円です。
また、人中はもちろん、小鼻やアゴ、口角など細かい部位にもボトックスが注入できます。
オザキクリニック目黒祐天寺院の朽木律子先生にアラガン社製ボトックスビスタの施術をしてもらいたい場合は、こちらからカウンセリングを申し込んで相談してみてください。
※「ボトックス」と言う名前はよく知られ、一般的に広く使用されていますが、実はこれは米アラガン社の製剤「ボトックスビスタ」のブランド名です。
つまり使用される製剤が「ボトックスビスタ」でない治療は「ボトックス」と呼ぶことができないため、一般的にはボツリヌス注射やボツリヌス療法などと呼ばれています。