脇ボトックスは汗の量を減らすだけでなく、ニオイの軽減にも期待できます。
効果は半永久ではないため都度施術が必要ですが、リスクも少なく手軽に利用できるため、汗の気になる季節に向けて検討してみてはいかがでしょうか。

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夏になると気になる脇の汗ジミ。メイクやファッションを完璧にしていても、脇の汗ジミを隠すことはできません。電車のつり革など、うっかり人前で腕を上げた時に汗ジミが目立って恥ずかしかった・・・という経験がある方も多いのではないでしょうか。

そのような脇の汗ジミに困っている方には、ボトックス注射が有効です。

脇ボトックスとも呼ばれているこのボツリヌス注射は、重度の多汗症だと診断されれば保険適用の治療法となりますが、「夏の脇汗を抑えたい」という程度の、重度ではない方でも気軽にクリニックで自由診療として治療を受けることができます。

この記事では、脇ボトックス注射について解説していきたいと思います。上手に活用して、快適な夏を過ごしましょう!

汗は2種類存在する!?

汗は2種類存在する!?

エクリン線(多汗症の原因)

体温調節の機能をしていて、ほぼ全身に分布しています。
99%が水分で、体温上昇時はもちろんのこと、緊張や不安などの精神的ストレスを感じた時、食生活やホルモンバランスが乱れた時なども発生します。
エクリン腺から出る汗は無臭ですが、汗をかいて皮膚上の垢などと混ざり合うと雑菌(常在菌)が繁殖しやすくなり、時間とともに分解されて臭いが発生します。

アポクリン線(ワキガの原因)

脇の下、耳の中、陰部、乳首、肛門などに分布しています。

エクリン腺が独立した汗腺であるのに対し、アポクリン腺は毛穴の奥(毛根)にあります。アポクリン腺からでる汗自体も本来は無臭ですが、たんぱく質や脂質などニオイの元となる成分が含まれており、皮脂腺から分泌される皮脂と混ざることで細菌によって分解されることで、臭いが発生します。

出典:花王 汗の基礎知識

出典:花王 汗の基礎知識

脇ボトックス注射とは?

脇ボトックス注射とは?

脇ボトックス注射は、保険適用と自費診療に分かれます。

保険適用の場合

大量の汗が半年以上続き、下記の診断基準の6項目中2項目、また重度判定の3か4が該当すると、原発性多汗症(腋窩原発性多汗症)と診断され、保険が適用されます。

【診断基準】

  • 左右の脇から同じくらいの汗が出る
  • 脇の汗が多くて日常生活に支障をきたす
  • 週に1回以上、脇から多くの汗がでる
  • 25歳よりも前に脇汗が出始めた
  • 家族や親戚にも同じように脇汗が多い人がいる
  • 寝ている時は、脇汗はそれ程多くない

【重症度判定】

  1. 発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない
  2. 発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある
  3. 発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
  4. 発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある

保険適用の場合、1回あたりの価格は25千~3万円前後、使用製剤はボトックス(グラクソ・スミスクライン社)になります。

今回の記事では重度の多汗症ではなく、夏の脇の汗ジミに悩んでいる、自由診療向けの脇ボトックスについてご紹介していきたいと思います。

脇ボトックスの仕組み

エクリン腺の汗は、体温上昇や精神的ストレスなどが原因で脳から「汗を出せ」という命令が出ると、交感神経を通じて汗を出す信号が汗腺に伝わり分泌されます。

脇ボトックス注射をすると、脳から汗腺へ汗を出す司令を送る神経伝達物質である「アセチルコリン」を阻害するため、命令が伝わりにくくなり、エクリン腺から出る汗を抑制することができます。

薬剤の種類

ボトックスについて

「ボトックス」とは、アメリカのアラガン社が開発したA型ボツリヌス毒素製剤の一種で国際商標登録名です。

シワ取り注射などで有名となった「ボトックス」ですが、ボトックスと呼べるのはアラガン社製の「ボトックスビスタ」(自由診療)と脇ボトックスの場合は、保険適用の薬剤であるグラクソ・スミスクライン社の「ボトックス」のみとなります。

「脇ボトックス」に関しては、保険適用の薬剤が「ボトックス」であるため、この治療名が一般的となって使われていますが、自由診療で行う場合は使用されている薬剤が「ボトックスビスタ」でない場合もあるため、事前にきちんと情報調べておくことが大事です。

尚、ボトックスビスタのような製剤の一般名称は「ボツリヌストキシン製剤」等と呼ばれています。

ボトックスビスタ(アラガンジャパン社/日本)

米国アラガン社製で、アラガン社の日本法人アラガンジャパンが販売しています。

国内で唯一、美容目的で厚生労働省の認可を受けており、安全性と信頼性の高い製品となります。タンパク含有量が少なく効果が高いため、ボツリヌス毒素製剤の中では費用が高いことが多いようです。

ニューロノックス(メディトックス社/韓国)

ボトックスビスタのジェネリック製品と呼ばれており、KFDA(韓国食品医薬品安全庁)の許可を受けています。
他の薬剤に比べると効果が弱いと言われることがありますが、リーズナブルなので初めての方は気軽に試しやすい製剤だといわれています。

ゼオミン(メルツ社/ドイツ)

熱に強く、ボトックスビスタよりも不純物が少なく中和抗体ができにくいことから、短期間での繰り返し治療も可能だと言われています。費用はボトックスビスタと同等か少し高めの設定になっていることが多いようです。

脇ボトックスのメリットとデメリット

メリット

  • 汗の量だけでなく、ニオイも軽減できる

汗が皮膚上に長時間残ってしまうと、雑菌の繁殖を促すだけでなく、皮脂や垢と混じってニオイが発生しやすくなります。

汗の量を減らすことは、ニオイの軽減にもつながります。

  • 手軽にできる

治療時間は5分~10分程度と短時間で終了します。片脇15か所~20か所程度注射を打つだけなので、皮膚が傷つかず、ダウンタイムもほとんどありません。

デメリット

  • 効果が半永久ではない

1度の注射で効果は36か月程度と言われています。効果がなくなってきたら再度注射することで、持続的に発汗を抑制することが可能です。

  • 薬剤によって効果があまり出ない場合がある

薬剤に含まれる不純物が多いと抗体ができやすく効果がでにくかったり、耐性ができてしまうと全く効かなくなってしまうということもあるようです。

  • 重度のワキガ症状には不向き

脇ボトックス注射は発汗量を抑えることに効果を発揮するため、ワキガ臭の原因となるアポクリン汗腺への直接的なアプローチはありません。

ワキガ臭に悩む方は、アポクリン汗腺自体を手術で除去する「剪除法」や、汗腺にマイクロ波(電磁波)を照射し、熱ダメージで汗腺の機能を停止させる「ミラドライ」などの治療の検討してみてはいかがでしょうか。

治療を受ける時の注意点

タイミング

効果の持続は4~9か月と言われているため、あまり早く受けすぎると汗の量を減らしたい時期に効果が出なくなってしまう可能性があるので注意しましょう。

治療後当日

体を温める行為(激しい運動、飲酒、サウナなど)、また刺激を与える行為(マッサージ等)を控えて下さい。

3ケ月程度避妊する

脇ボトックス注射の薬剤は元々ボツリヌス毒素から抽出されているため、生殖器系への影響が及ぶ可能性が考えられます。万が一を考慮し、妊活中や授乳中の方は3ケ月程度避妊をするようにしましょう。

費用

ボトックスビスタ

クリニックによって、注入量の設定や同量でも価格が大きく異なっており、1回の費用は3万円前後~高いところで10万円程することころもあるようです。ご自身で必要な注入量もカウンセリングなどで検討しながら、いくつかのクリニックを比較検討されることをお勧めします。

ニューロノックス

ボトックスビスタの1/2~2/3程度の価格帯が多いようです。

ゼオミン

ボトックスビスタよりも割高に設定されています。

参考:塗り薬

塩化アルミニウム溶液は、汗の出口を塞ぐ塗り薬です。20%前後の濃度で、価格は100ml当たり1,500円前後です。脇ボトックス注射は継続すると意外と費用がかかるので、手頃な塗り薬も活用してみてはいかがでしょうか。

クリニックの選び方

立地条件

脇ボトックス注射の効果は半永久ではないため、効果がなくなり次第継続が必要になります。ご自身の活動範囲から足を運びやすい、通いやすい場所を選びましょう。

費用が明確か

クリニックによって価格設定が注入量単位であったり、部位毎であったりします。また、薬剤の種類も複数あるため、予算内で効果を出せるようしっかりと医師とカウンセリングが必要です。

脇ボトックスは効果を継続させるには通い続ける必要があるため、費用を明確に提示してくれるクリニックで治療を受けるようにしましょう。

医師や看護師の対応、アフターケアの充実度

医師や看護師との相性や、何か問題があった時のアフターケアが充実しているか確認しましょう。薬剤によっては継続しているうちに効果がなくなってしまう場合があるため、その際の対応もしっかりしているところを選びましょう。

まとめ

脇ボトックスについて、まとめてみました。脇ボトックスは汗の量を減らすだけでなく、ニオイの軽減にも期待できます。
効果は半永久ではないため都度施術が必要ですが、リスクも少なく手軽に利用できるため、汗の気になる季節に向けて検討してみてはいかがでしょうか。

脇ボトックスで汗ジミから解放され、快適な夏を過ごしましょう!この記事が、皆様のお役に立てることを願っております。

※マッサージや化粧品などの情報が記載されている場合は監修範囲に含まれません。

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