尿もれは20~60代の女性の約6割が経験していると言われています。特に出産を経験すると、赤ちゃんの重みで骨盤底筋がたるんでしまうため、産後は尿もれしやすくなる人が多いようです。

「咳やくしゃみをした時」「子供と一緒に縄跳びをした時」「急な尿意を感じて、急いでトイレへ向かったが間に合わなかった」…このような尿もれをしたことはありませんか?尿もれは2060代の女性の約6割が経験していると言われています。特に出産を経験すると、赤ちゃんの重みで骨盤底筋がたるんでしまうため、産後は尿もれしやすくなる人が多いようです。
軽度であれば骨盤底筋体操や尿もれシートなどを使って対策されている方も多いのでは?それでもやはり毎日体操を続けるのは億劫になるし、尿もれシートの不便さや肌トラブル、「あ、また漏れちゃった…」という不快感もなかなか悩ましい問題ですね。

これまでは根本的に治療しようとすると、泌尿器科等で受診できる、衰えた筋肉の代わりにポリプロビレンでできた人工メッシュを挿入する手術が主流でした。
入院が必要なことも多く、更に妊娠希望者は治療できないということで、子育て世代の女性にはなかなかハードルが高い治療です。

実は最近、このような手術に代わって、女性器専用マシンを用いた治療法が注目を集めていることをご存知でしょうか?

女性器専用マシンで尿もれ治療ができる?

女性器専用マシンで尿もれ治療ができる?

顔のたるみ改善などの美容目的で使用されていた治療法を、女性のデリケートゾーンへ転用する施術は、2010年頃アメリカで始まりました。
子宮などの臓器を下から支えている骨盤底筋や、尿道周辺にある括約筋が、妊娠や出産で大きな負担がかかるとゆるんでしまいます。
また35歳頃から50歳前後の閉経にかけて、加齢と共に女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量が急激に減少していきます。エストロゲンの分泌が減ると膣内のコラーゲン生成も減少するため、膣粘膜の弾力やうるおいが失われ、次第に膣壁が薄く痩せてくる「腟萎縮」が起こります。その結果、膣のゆるみや乾燥が起こるだけでなく、頸口(膣の入り口)が広がって空気やお風呂でお湯などが入りやすくなるといった女性特有の不快な悩みが生じます。
このような女性器のゆるみを改善するために、CO2フラクショナルレーザー、エルビウムYAGレーザー、HIFU、高周波を転用したマシンが次々と開発されました。

女性器専用マシンで治療すると、膣だけでなく近くにある尿道周辺にもレーザーや高周波などの引き締め効果が及ぶため、尿もれにも効果があると言われています。
これまでの手術のように切開することが無いため、入院の必要がなく、ダウンタイムもほとんどなしで改善が見込めるようになり、尿もれ治療法の選択肢が広がってきました。

尿もれ治療で使用されている女性器専用マシン

尿もれ治療で使用されている女性器専用マシン

尿もれ治療では専用のアプリケーターを使って、膣内からレーザーや高周波などを照射します。膣内は痛みを感じにくいため、麻酔も必要ないことが多いようですが、心配な方は医師に相談してみましょう。
照射前に、子宮ガンなどの悪性腫瘍や、トリコモナス膣炎、カンジダ膣炎等の病気にかかっていないかどうか婦人科検診を受け、問題がないことを確認した上で施術を行う必要があります。また生理中、妊娠中、授乳中の方も治療不可です。

術後はおりものが増えるなどの症状が出ることはありますが、日常生活には問題ない程度のようです。
ただし術後の膣内を保護するため、性生活やタンポンなどの使用は数日間控えるようにします(機種によって日数が変わります)。このようにマシンでの治療は短時間の施術で済み、日常生活に支障が少ないのが大きなメリットですね。

では、尿もれ治療に使用されている代表的な女性器専用マシンを5つご紹介します。

モナリザタッチ

モナリザタッチは、CO2フラクショナルレーザーの技術を応用したレーザー治療です。膣内の粘膜表面にレーザーを照射して、微細な点状の穴を無数に開けます。すると傷ついた皮膚を再生しようと線維芽細胞が活性化してコラーゲン生成が促され、その結果、膣粘膜の上皮が厚みのあるふっくらとした状態へ改善されることが期待できます。モナリザタッチは2014年にアメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)に認可されました。

施術時間は1020分程度。最初は1か月おきに23回照射し、その後メンテナンスとして半年に1回照射することで効果が持続すると言われています。

メリット

レーザーで瞬時に組織を凝固させるため止血作用があり、出血が少なめ。

デメリット

浅い層の組織を破壊するため、治療部位の熱感、痛み、不快感が生じることがあります。場合によっては火傷や瘢痕(はんこん)のリスクも。飲酒や喫煙、過度な運動、性生活やタンポンの使用は術後3日間、温泉などは7日間控えてください。

インティマレーザー

インティマレーザーはエルビウムYAGレーザーを搭載したデリケートゾーン治療を目的とした機器で、アメリカのFDAやカナダの保健省、ヨーロッパのCEマークを取得。

従来のエルビウムYAGレーザーでは、表面にエネルギーが吸収されしまうため、効果が粘膜表面に限られていましたが、Fotona社独自の超ロングパルスのエルビウムYAGレーザーを使用したスムースモード技術により、深い層にまでエネルギーを届けて熱溜まりを作ることが可能となりました。深い層まで加熱することでコラーゲンを刺激し再構築することができるため、膣全体の引き締め効果が期待できます。モードを変えれば、膣萎縮、臓器脱治療、尿失禁治療、外陰部のホワイトニングなど様々な症状にも対応可。症状に合わせて膣用、尿道用など数種類の専用アプリケーターが使い分けられています。

浅い層には影響が少ないため傷口の回復が早く綺麗ですが、治療後当日は微量の出血があることも。治療時間は2030分ほどで、12ヶ月おきに12回照射がお勧めです。

メリット

火傷などのリスクが低い。副作用もほとんどなし。効果が早く、長持ちする。

デメリット

23年で筋肉が弱って元に戻るため、再度照射がお勧め。治療後はすぐに普段の生活ができるが、性生活やタンポンの使用は3日間控えてください。

ヴィーナスハイフ

ヴィーナスハイフはHIFU治療機である「ウルトラヴェラ」を使用したデリケートゾーン治療のことを言います。HIFUエネルギー(高密度焦点式超音波治療法)を膣内に照射することで膣を引き締め、副次的効果として尿もれ改善も期待されている施術です。

超音波の熱エネルギーを虫眼鏡のように一点に集中させて点状に照射します。深さの違う3種類のカートリッジがあり、1.5mmは「真皮層」、3.0mmは「脂肪層」、4.5mmは普通のレーザーや高周波では届きにくい「筋層」と、作用させたい組織にピンポイントで熱エネルギーを届けることができます。そこで6570℃と高めの熱を発生させることによってコラーゲンが収縮し、それを修復しようと生成も促されるため引き締め効果がアップ。超音波が集中した部分だけが高温になるため、周辺組織にはほとんどダメージがありません。膣のタイトニングによって子宮の位置が元に戻り、また膀胱周辺の筋肉も熱凝固によって引き締められるため、尿もれ症状も改善されると言われています。施術時間は2030分程度で13回の治療がお勧めです。

メリット

他のレーザー等より深い「筋層」までエネルギーを届けることができ、膣壁の土台から強力に収縮させることができる。膣上皮に傷ができないため、ほぼダウンタイムが無いと言われている。

デメリット

温度が高めのため、場合によっては熱感や痛みを感じることもある。性生活やタンポンの使用は施術後24時間控える必要がある。

サーミVA

サーミVAは、サーミRFという高周波を用いている機器です。温度管理ができる特殊なセンサーを搭載したハンドピースを使用することで、女性器表面は4245℃、内部はコラーゲン生成を促すのに最適とされる4550℃まで加熱。コラーゲンの再生により密度が高まることで、緩くなった膣入口や膣全体が引き締まることで尿もれも改善すると言われています。

大陰唇、小陰唇、膣内部をなでるように照射するため施術中も痛みがなく、高周波による熱も暖かく感じる程度。温められることで血流の増加が促進され、膣内の潤いがアップします。それと共に膣内のpH値も4.55.0の正常値に近付き、膣内環境が整えられることでニオイやかゆみ、おりものの量の改善にも。

施術時間は1530分程度で、1か月に13回程度の施術がお勧め。

メリット

アプリケーターの直径が1cm程度と細いので、膣内に器具を挿入することに抵抗がある方でも施術が受けやすい。アメリカFDAで認可されており、美容医療先進国アメリカでも人気がある治療。

デメリット

施術中に絶えずアプリケーターが動いている状態が続くため、人によっては不快感を覚えることがある。高周波RFを照射するため、金属類のインプラントや避妊リングなどが体内にある方、妊娠中、生理中の方は施術不可。性生活やタンポンの使用は施術後7日間ほど控えてください。

ビビーブ

顔のたるみ治療器で有名なサーマクールと同じモノポーラ(単極)RFを採用。1cm×2cmほどの小さな治療用チップを挿入し、処女膜輪内側から膣入口付近を円を描くようになぞりながら照射します。高周波の熱エネルギーによって6065℃の熱溜まりを発生させ、膣内部を収縮させます。引き締め効果だけでなく、熱エネルギーの刺激によりコラーゲン細胞が活性化し、増生が促されます。コラーゲンが増加する30日後から効果を実感し始め、90日頃がピーク。照射と同時に膣表面の冷却を行うため、痛みはなく麻酔も不要。

施術時間は2030分程度で1回の施術で済みます。ダウンタイムもほとんどなく、術後早い人は7日目くらいで効果があらわれ、個人差はありますが約1年程度持続すると言われています。

メリット

ホルモン療法が出来ない方、子宮摘出後の方でも治療が可能。同じ高周波のサーミVAと比較して1回の照射で済み、かつ効果もより長く持続できると言われています。

デメリット

膣粘膜の厚みにより向き・不向きがあり、1.5mm以下の方は向かないと言われています。閉経後の方、または55歳以上の方は治療を受けられません。高周波RFを照射するため、金属類のインプラントや避妊リングなどが体内にある方、妊娠中、生理中の方は施術不可。性生活やタンポンの使用は施術後714日間ほど控えてください。

まとめ

人には相談しにくいデリケートな問題の尿もれですが、悩んでいる女性は大勢います。これまでは手術しかなかった治療法も、女性器専用マシンの登場で選択肢が広がってきました。軽度の症状であれば、膣や尿道の引き締めと同時に尿もれ改善も期待できるようになりました。短時間の施術でダウンタイムも軽い治療法なので、子育て世代の女性向けの治療ですね。尿もれの不快感や鬱陶しさを感じていらっしゃる方は、一度カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか?

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