歴史は浅く、脱毛終了後10年、20年といった長期脱毛の効果を追った症例がまだないですが、脱毛レーザー治療の中では最新の治療法となっており注目を集めています。

医療レーザー脱毛を調べていると蓄熱式脱毛って耳にするけどなんかほかの脱毛とちょっと違うみたい。蓄熱式脱毛ってどんな脱毛?仕組みを知ってメリット、デメリットなどを詳しく理解しよう。

蓄熱式脱毛の歴史

2000年~2001年に育毛技術から発見されたバルジ領域。このバルジ領域の中にある毛包幹細胞によって毛の原料となる毛母細胞は生成される。この仕組みを逆手にとったものが蓄熱式脱毛になります。つまり、バルジ領域や毛包幹細胞の活動を停止させることで脱毛すると考えられた脱毛法というわけです。

歴史は浅く、脱毛終了後10年、20年といった長期脱毛の効果を追った症例がまだないですが、脱毛レーザー治療の中では最新の治療法となっており注目を集めています。

蓄熱式脱毛の仕組み

 

まず、蓄熱式脱毛の説明の前にレーザー脱毛についてお話します。レーザー脱毛は黒い色素(メラニン)に反応する波長のレーザーを利用し脱毛します。レーザーの光エネルギーは黒い色に当たると熱に変わり、この熱が毛根にある毛を生やす毛乳頭や毛母細胞を破壊することで、脱毛を実現しています。蓄熱式脱毛も他の脱毛レーザーと基本的な仕組みは同じです。では、具体的に蓄熱式脱毛はどのような脱毛なのでしょうか?

弱い出力のレーザーを同じ箇所に数回照射することで、熱が徐々に蓄えられ、毛を生やす指令を出している「バルジ領域」にじわじわとダメージを与えながら、バルジ領域が破壊される65度まで加熱することで脱毛効果を得るという手法です。次の項で書きますが、このバルジ領域を破壊するのが蓄熱式の仕組みで大きなポイントとなります。

蓄熱式と熱破壊式の違い

では、蓄熱式とほかのレーザー脱毛との違いはどうなっているのでしょう。レーザー脱毛は現在、大きく分けて「熱破壊式」と、そして最新式の「蓄熱式」の2通りがあります。熱破壊式は発生した熱で毛根の一番奥にある毛母細胞や毛乳頭など、毛を生やす組織を破壊します。一方、蓄熱式は毛根の浅い部分にある、毛を生やすための指令を与えている「バルジ領域」を破壊します。

熱破壊式も毛の毛母細胞や毛乳頭を破壊する際にバルジ領域も同時に破壊していますが、蓄熱式脱毛はこの理論に基づき、バルジ領域だけを破壊のターゲットとしています。つまり、熱破壊式と蓄熱式の違いは、レーザーを当て破壊するターゲットの違いとなります。それに伴い、強いエネルギーを与える必要があるかないかが痛みやリスクなどの大きな違いとなってくるのです。

毛周期との関係

毛は「成長初期 → 成長期 → 退行期 → 休止期」の4サイクルで生え変わりを繰り返しています。このサイクルを毛周期と言います。毛が伸びる長さや速度は部位によって違うので、毛周期の長さも部位によって違ってきます。

さて、蓄熱式脱毛と毛周期の関係ですが、黒い色素(メラニン)に当たると、光エネルギーが熱エネルギーに変わり、毛根を高温にして脱毛していますが、熱破壊式脱毛は毛乳頭や毛母細胞をターゲットにしていますので、高温になる毛が毛根の一番奥の毛乳頭や毛母細胞にくっついていることが必要です。

その為、成長初期や成長期の毛には効果がありますが、退行期や休止期には脱毛効果が得られないとされています。対して、蓄熱式脱毛はバルジ領域をターゲットにしていますので、毛が毛乳頭や毛母細胞から離れてしまっている退行期の毛でも、毛穴の入口付近にあるバルジ領域を十分に破壊するだけの熱エネルギーを得ることができるとされています。

つまり、熱破壊式脱毛は成長初期、成長期の2つの毛周期の毛に効果がありますが、蓄熱式脱毛は成長初期、成長期、更に退行期の毛にも効果が期待できるのです。ちなみに休止期の間は、毛穴の中に毛が存在しないため、どちらのレーザー照射をしても熱を発生させることができず、脱毛効果はないと言えるでしょう。

体の表面に出ている毛(成長期)は全体の2030%しかなく、残りは休止期の毛で、皮膚の下で新しい体毛を作る準備をしています。その為、一度のレーザー照射で減らせる毛の量は最大でも全体の2030%程度ということになります。

脱毛を完了するには皮膚の下で準備している休止期の毛が成長期になるのを待ち、毛周期を考慮して複数回の照射をする必要があるのです。蓄熱式脱毛は3つの毛周期の毛を脱毛することができるので、脱毛完了が熱破壊式脱毛に比べ回数が少なく終わる場合があります。

痛み

レーザー脱毛というと今までは熱破壊式脱毛が一般的でしたが、熱破壊式脱毛は毛根の一番奥にある毛乳頭や毛母細胞をターゲットとしているため、強いパワーでのレーザー照射が必要となり、毛穴が深い場所にあるVIOなどの部位によっては痛みが大きく、中には耐えられないという人も出てしまう場合もありました。

しかし、蓄熱式脱毛は比較的弱いエネルギーでじわじわと熱を加えるので、急激な温度の上昇はなく、熱破壊式脱毛に比べ低い温度で脱毛することが可能だと言われています。しかし、蓄熱式脱毛だからといって全く痛くないというわけではありません。ひげ、VIOなどの太い毛や毛穴が深い部位、もしくは毛の密度が高い、毛量が多い部位などは痛みがある場合があるので注意が必要です。

痛みの感覚は、熱破壊式脱毛は輪ゴムでパチパチと弾かれたような痛みで、蓄熱式脱毛は痛みというより熱い飲み物が入ったカップを押し当てた感じを想像するといいと言われています。

また、痛みがほとんどないということから蓄熱式脱毛はこども脱毛にも利用されています。デリケートな肌で痛みに弱く、体育の授業や部活動などで日焼けの機会が多いこどもは火傷のリスクも高くなるため、従来のレーザー脱毛器では難しいとされてきました。

蓄熱式脱毛が登場したことで、他の熱破壊式脱毛に比べ無理なく脱毛することが可能になったと言われていますが、子供への脱毛に対しては医師によっても見解が違うため、希望する場合はこどもの脱毛を行っているかどうか事前にクリニックに確認することをおすすめします。

肌質・毛質を選ばない

蓄熱式脱毛は肌質を選ばずに脱毛が可能です。熱破壊式脱毛のように強いエネルギーによる照射の必要がないため、日焼けや色黒肌、色素沈着などの肌表面のメラニン色素が多い場合も、程度にもよりますが照射が可能となっています。

また、蓄熱式脱毛はメラニン量の少ない産毛にも、弱い出力を断続的に照射して徐々に温度を上げてバルジ領域を破壊し脱毛するので高い効果を発揮すると言われています。つまり、蓄熱式脱毛は発毛因子を生成するバルジ領域を破壊するため、毛質に関係なく、産毛のような細く色素が薄い毛からひげのような太くて色素が濃い毛までの脱毛効果が期待できるのです。

蓄熱式脱毛のメリット

蓄熱式脱毛の大きなメリットは痛みやリスクが少ないということです。熱破壊式脱毛に比べ低温でバルジ領域を破壊するという仕組みのため、火傷や、脱毛後の赤みや腫れ、毛嚢炎などのダウンタイムもなく、さらに、毛根をターゲットにしていないためレーザー脱毛のリスクの一つである硬毛化や増毛化も起こりにくいと言われています。痛みや火傷、副作用などのリスクがほとんどないのが大きなメリットです。

その他にも、毛周期のところでもお話しましたが、一回の脱毛で効果が期待できるターゲットが多いので、脱毛の効率が上がり、結果として完了までの回数が熱破壊式に比べ比較的少なくて済むことや、バルジ領域を破壊することをターゲットにしている為、肌質や毛質を選ばないのも大きなメリットと言えます。

蓄熱式脱毛のデメリット

蓄熱式脱毛のデメリットは脱毛の効果が分かりにくいということです。熱破壊式は毛乳頭や毛母細胞を破壊する際に、今生えている毛を焼き切るため、ポップアップといって毛根から毛がスルリと抜け落ちる現象が起こります。

すぐに効果を実感することができますが、蓄熱式脱毛は毛を生やすための発毛因子が出ないようにしているだけなので、今生えている毛は脱毛されません。照射後も毛根は生きているため、毛に対して栄養も運ばれ普通にある程度は伸びるのです。

その毛穴のバルジ領域が破壊されていれば、毛周期で退行期、休止期となった後は、次に毛が生えることはありませんが、その毛が抜け落ちるのに13週間かかると言われており、せっかく脱毛しても効果が表れるのに少し時間がかかったように感じてしまうのがデメリットとなります。

また、歴史が浅いため脱毛効果の症例や実績を示すデータが不足していることもデメリットの1つと言えるでしょう。数年後、数十年後の脱毛効果がどの程度継続しているかは不明確であり、さらに、どのような照射方法が最大限の効果を発揮するのかどうかといった情報が少なく、蓄熱式脱毛はまだ手探りの状態であるのが現状です。

蓄熱式脱毛と熱破壊式脱毛の違い一覧表

まとめ

蓄熱式脱毛は発毛因子が作られるバルジ領域を破壊のターゲットにしており、従来の熱破壊式脱毛に比べ低温で脱毛が可能となっており、痛みや火傷のリスクが大幅に軽減され、また、肌質や毛質を選ばずに脱毛できるのが大きな特徴です。

歴史はまだ浅くエビデンスがあまりありませんが、肌にメラニン量の多い日本人に合う脱毛方式として注目を浴びています。

※マッサージや化粧品などの情報が記載されている場合は監修範囲に含まれません。

※執筆・掲載日時点の情報を参考に医師監修しております。

※当サイト記事内の情報は一般的な知識であり、自己判断を促すものではありません。あらかじめ、ご容赦ください。

コラム一覧

ページトップへ