ダイエットをがんばって体重は落ちたのに、お腹だけ、脚だけ、二の腕だけ痩せない、つまめるウエストの脂肪やブラジャーに乗っかる脂肪をなんとかしたい!という方に、医療痩身という手段があるのをご存知でしょうか。
運動や食餌制限では落としにくい部分的な脂肪には、医療痩身マシンが有効かもしれません。
様々な機械がある中で、この記事では、狙った脂肪にアプローチができる“HIFU(ハイフ)”技術が搭載された「リポセル」について詳しく解説していきたいと思います。
※記事内の“脂肪細胞”は、“皮下脂肪細胞”を指しています。
リポセルについて
リポセルってどんなマシン??
HIFU(高密度焦点式超音波)技術を搭載した、医療痩身機器
「HIFU(ハイフ)」とは、太陽光をレンズで1点に集めると高温になるように、超音波を1点に収束させ、体内の狙った深さを加熱する技術です。
狙った深さをピンポイントに照射できるため、周辺組織へのダメージはほとんどなく安心・安全とされています。
ハイフはもともと前立腺がんの治療に使われていた技術で、それを応用して美容医療領域では、まず4.5mmという深さまで到達すて顔のSMAS層(表情筋膜)へのアプローチを可能にしたハイフ治療機が登場し、後に、13mmという脂肪層への照射が可能な機器が開発されました。ハイフを搭載した医療用痩身マシンには、他にもウルトラフォーマー3、ウルトラセルQプラス、ダブロ、ライポソニックスなど多数の機種があります。
リポセルの特徴とは?
高度な冷却機能によって、ハイパワー照射が可能
皮膚表面を5℃冷却しながら施術することができるため、皮膚表面を保護して火傷などのリスクを抑えながらハイパワーでの連続照射が可能になりました。また、皮膚表面を冷却することで、痛みも軽減できると言われています。
脂肪細胞そのものを破壊することが可能
照射することで、脂肪細胞の温度を壊死すると言われている70℃以上まで上げることができるとされているため、脂肪細胞の数自体を減らすことが可能だと言われています。壊死した脂肪細胞は、代謝によって体外に排出されるため、リバウンドしづらいと言われています。
部位によって使い分け可能な3種類のカートリッジ
8mm、11 mm、13 mmの3種類のハンドピースを使い分けることにより、お腹のように脂肪が厚い部分だけでなく、二の腕や太もも、ウエストなど様々な部位への対応ができると言われています。
照射方向が一方向から格子状へ
従来リポセルでの照射は1方向3ショットでしたが、上位機種のリポセルⅡでは縦方向・横方向の格子状で4ショットの照射が可能となりました。
それにより、リポセルⅡは痩身効果アップ・痛み軽減・施術時間の短縮が期待できると言われています。
引用 : https://www.keisei-cs.com/medical-treatment/lipocel.html
リポセル照射の仕組み
リポセルは、皮膚表面を傷つけることなくHIFUという超音波を狙った深さにピンポイントで照射することで、脂肪細胞に直接熱ダメージ与え破壊します。破壊された脂肪細胞はマクロファージにより貪食され、老廃物と共に体外へ排出されることで痩身効果を得られる仕組みとなっています。
照射
患部の皮下脂肪の深さに合わせて照射します。
2つの作用による脂肪細胞の減少
リポセルは1サイトで3〜4ショット照射するように設計されており、回数ごとに60℃~88℃に至るまで段階的に脂肪細胞を加熱していきます。脂肪細胞は60℃を超えるとアポトーシスという細胞の自然死を迎え、70℃を超えるとネクローシスという即時的壊死となるとされています。
リポセルでは1ショット目で63℃、2ショット目で70℃を超えることから、脂肪細胞のアポトーシスとネクローシス2つの作用による脂肪減少効果が得られると言われています。
痩身機器では60℃までが限界だったため、アポトーシスの作用による効果しか得られないとされてきましたが、リポセルは施術後2週間程度でネクローシス、その後2〜3ヶ月に亘ってアポトーシスという2段階の効果が現れてくることによって、高い痩身効果が期待できると言われています。
老廃物と一緒に体外へ
即時破壊された脂肪細胞は1~2週間かけて、じっくり破壊された脂肪細胞は2~3か月かけてゆっくりと体外へ排出されます。
このように、2段階の破壊過程を経ることで脂肪細胞を効率よく減少させ、リバウンドしにくい体質へと導いていきます。
併用すると効果的な治療法
リポセル単独使用でも高い痩身効果を発揮しますが、脂肪数を減らしたり、脂肪細胞を燃えやすくしたりする他の治療法と併用すると、相乗効果により更なるサイズダウンが期待できます。
脂肪溶解注射
脂肪溶解注射は、薬剤を脂肪細胞に注射することで、脂肪細胞を溶かして体外へ排出させやすくすると言われている治療法です。主成分としてフォスファチジルコリンやデオキシコール酸が使われており、細かい部位にも対応が可能なため、リポセルではできない部位の部分痩せに適しているとされています。代表的なものにBNLS Neoやカベリン、ミケランジェロなどがあります。
ハイフと比較すると1回の施術における脂肪排出量が少なく、複数回の治療が必要だと言われています。
2020.05.01
脂肪燃焼点滴
脂肪燃焼点滴は、脂質の代謝を担う「Lカルニチン」と基礎代謝に関わる「αリポ酸」を含んでいます。点滴により体内の抗酸化力がアップし新陳代謝を促進するため、脂肪燃焼効果が期待できます。リポセルは部分痩せを目的とした治療となるため、全身のダイエットも希望する場合は、ダイエット点滴との併用が効果的だと言われています。
リポセルのメリット・デメリット
メリット
部分痩せに加えて、理想的なボディラインも
気になる部分の脂肪細胞を集中的に破壊することが可能です。また、徐々にサイズダウンしていくため、周りにバレにくいという特徴があります。部分的な治療により、理想的なボディラインの形成も可能だと言われています。
ダウンタイムがほとんどない
脂肪吸引のように皮膚を切ることがないため、施術後に腫れたり傷痕が残ったりといったダウンタイムはほとんどないと言われています。
また、冷却システムにより痛みや火傷などのリスクを大幅に軽減することが可能となったと言われています。
1回の施術で高い効果が期待できる
アポトーシスとネクローシスという即時的と長期的な2段階の脂肪細胞減少効果が期待できるため、1回の施術でも高い効果が得られると言われています。再度の施術を希望する場合は、施術後6ヶ月程度経ってからが良いと言われています。
食事制限や激しい運動をする必要がない
照射によって破壊された脂肪細胞は時間と共に体外へ排出され、徐々にサイズダウンを見込めます。普段から規則正しい食生活や運動は意識する必要がありますが、ダイエットのための辛い食事制限や激しい運動をする必要はないと言われています。
自力では痩せにくい部位も落とすことができる
食事制限や運動では痩せにくい二の腕や太ももなど、痩せたい部分に照射することで部分痩せに対する高い効果が期待できます。
引き締め効果がある
照射によって脂肪層に十分な熱が入ると周囲のコラーゲン繊維組織に損傷が生じ、修復しようと強固なコラーゲン繊維組織を構築します。この構築により、肌の引き締めやたるみに対して効果が期待できます。
デメリット
肥満体型の人には不向き
部分痩せやボディラインを整えたい方へ推奨されているため、肥満体型の方には不向きとされています。目安として、BMI30以下の方への施術を可能としているクリニックが多いようです。
皮下脂肪の厚さが5㎝未満の部分には照射できない
照射に皮下脂肪の厚みが2.5㎝以上必要としているクリニックが多くみられます。
ハイパワー照射時、チクチクとしたような痛みを感じることがある
冷却機能により痛みはほとんど感じないようですが、ハイパワー照射時に多少の痛みを感じることがあるようです。
施術後、内出血や筋肉痛のような痛みが出ることがある
稀に内出血などが起こることがありますが、数日~2週間程度で治まることがほとんどのようです。
体重減少目的ではない
脂肪細胞を破壊し体外へ排出を促しますが、体重が減るわけではありません。
部分的に痩せたい方や、ボディラインを整えたい方に向いています。
費用が高額
1部位20~30万程度のクリニックが多いようです。
部位が増えると費用がかさむため、予算に対して照射部位を厳選する必要性が出てくるかもしれません。
リポセルと他の機械との比較
クールスカルプティング(脂肪冷却)
脂肪を4℃で凍らせて、2~4か月かけてゆっくり体外へ排出します。
1度凍った脂肪細胞は破壊され、体外へと排出されるため、リバウンドしにくいと言われています。
リポセルと比較すると、クールスカルプティングには脂肪細胞の即時破壊効果はないため、1度で大きな変化を求める方には向いていません。しかしながら、部位によっては冷却痩身機器の方が効果的な場合があると言われています
エムスカルプト(筋肉運動)
筋肉と脂肪へ同時に働きかける唯一の痩身治療器です。
施術適応箇所は主に腹部や臀部とされていますが、最近では二の腕や脚にも対応しているクリニックもあるようです。
通常の筋肉運動では到達することができない皮下7㎝の筋肉を収縮させることで、高速の代謝反応を促し脂肪を分解すると言われています。
30分という短時間で脂肪燃焼・筋肉増強、更にはボディラインを整えることを目的とした治療法です。
リポセルと比較すると、短期間に複数回の施術が推奨されますが、筋肉へアプローチすることで脂肪除去だけではなく、筋力・代謝アップなどバランスのとれたボディメイキングができると言われています。
ウルトラアクセント(超音波と高周波)
超音波と高周波を併せ持っており、世界で初めて横波の超音波を搭載した痩身機器です。
横波の超音波は脂肪だけを共振させる特殊な波長で、他組織へのダメージを与えず脂肪細胞膜を破壊することが可能とされています。
溶けて液状化した脂肪や付着したセルライトは、高周波を利用して老廃物と共にリンパへ流し体外への排出を促します。この高周波の熱作用によりコラーゲンが発生し、タイトニング効果も期待できるとされています。
リポセルと比較すると、リポセルは脂肪層の厚みが2.5㎝以上必要とされていますが、ウルトラアクセントは脂肪層があまり厚くない顔も施術可能となっています。
目安の治療回数、期間、費用、注意点など
リポセルは基本的に1回の施術でサイズダウンを見込めますが、効果には個人差があるため、2回程度照射すると満足度は上がるとされています。その場合、前回の施術から3か月程空けると良いとされています。
費用はクリニックによって設定が異なっているようですが、1部位20~30万、若しくは1サイト(3㎝×3㎝)10,000円前後が相場のようです。
注意点
脂肪の厚さが2.5㎝未満の部位には照射ができません。主にボディ部分が適応部位とされています。
腹部、お尻、臀部、二の腕、ブラファット、背中、腰など
また、従来の機種よりリポセルⅡの方が効果面含め優れている点が多いため、クリニックが保有している機種を確認するとよいでしょう。
まとめ
リポセルの効果についてまとめてみました。
リポセルは1度の施術でサイズダウンが見込める上、リバウンドもしづらいとされている医療痩身治療となります。
部分痩せと理想のボディラインを形成するというW効果が期待できるため、これまでどうやっても落ちなかったぽっこりお腹や二の腕をサイズダウンへと導きます。
1回の費用は高額ですが、回数が必要な治療よりもトータルでかかる費用を抑えられる可能性もあると言われています。
この記事が、皆様のお役に立てることを願っております。