美容医療の施術の中には、ダウンタイムといって、施術が終わってから回復するまでの期間を要するものがあります。ダウンタイム中に現れる症状としては、痛みや腫れ、内出血、赤みなどが挙げられ、すぐにメイクができない場合も。また、施術後にどうホームケアをしていいのか、悩むこともあり得ます。ここでは、ダウンタイム中にできるメイクやスキンケアをご紹介していきます。
赤みが出ている場合
スキンケア
赤みが出ているということは、炎症が起こっているということです。そのため、アンチエイジングコスメなどの積極的なスキンケアはひとまずお休みを。赤みが出ている間は、極力、刺激の少ない敏感肌用のコスメなどでスキンケアを行い、保湿をしっかりと行うのが得策です。クリニックで指定のアイテムが処方されている場合は、医師の指示に従いましょう。
メイク
赤みが出ている場合、肌は敏感傾向に。そのため、赤みをカバーしようとファンデーションなどを塗り重ねるのも、この時期は肌にとって負担になってしまいます。外出するときは、肌に悪影響を及ぼす紫外線から守ってくれるUVカット剤を必ず塗り、フェイスパウダーを重ね付けするくらいのナチュラルメイクに留めましょう。どうしても赤みが気になるようでしたら、マスクでカバーをするのがおすすめです。
シミが黒く浮いてきている場合
スキンケア
シミのレーザー治療を行うと、一時的にシミが濃く浮いてくることがあります。治療直後から数日(長い場合は数週間)は、絆創膏を貼っておくようにクリニックから指示されることがほとんどです。決められた日数はしっかりと貼って紫外線から患部を守りましょう。絆創膏が取れた後からは、絆創膏の代わりにUVカット剤を塗るのが鉄則です。また、施術の跡がかさぶたとなってスムーズに剥がれていくようにするには、肌のターンオーバーを正常に整えることがポイントに。そのためには、きちんと保湿ケアをしておきましょう。
メイク
シミをカバーするだけでなく、施術後の患部を紫外線から守るためにも、SPA・PA値のあるUVカット剤やファンデーションなどでしっかりとベースメイクを施すことが肝心です。特に低刺激なものでなくてもOKですが、ウォータープルーフタイプなどの落ちにくいタイプのファンデーションなどだと、クレンジングをするときに肌の負担になる可能性があるので、避けたほうが安心です。
内出血をしている場合
スキンケア
内出血とは、皮下で血管が破裂するなどして出血している状態です。そのため、その患部を極力触れないようにすることが何よりも大切に。保湿がしっかりできていれば問題ないので、オールインワンのアイテムを用いるなどして、肌に触れる回数を減らすとよいでしょう。
メイク
スキンケア同様、UVカット剤、下地、ファンデーションと重ねるのではなく、肌に触れる回数を減らすべく、BBクリームなど、1本で数役をこなすアイテムを使うのもおすすめです。クレンジングをする際も、肌をこすらないようにするため、肌滑りのよいオイルやクリームタイプのクレンジング料を使うとよいでしょう。
皮剥け・乾燥している場合
スキンケア
皮が剥けていたり、乾燥したりしていて、化粧水などをつけて沁みる場合は、水分の多い化粧水や美容液をお休みし、油分の多いクリームやオイル、バームのみでケアを行い、数日、様子をみましょう。沁みなくなってきたら、セラミドやヒアルロン酸、コラーゲンなどの保湿成分の入った美容液を中心にケアを行います。そのほか、シートタイプやクリームタイプのマスクを取り入れると、より肌の乾燥を落ち着かせることもできるのでおすすめです。
メイク
皮が剥けていたり、乾燥して肌が毛羽立っていたりすると、ファンデーションが上手くのりません。そのため、化粧水や美容液が沁みるような場合は、ファンデーションは塗らず、UVカット剤のみを塗って最低限の紫外線カットのみを行い、あとはマスクなどで物理的にカバーしましょう。もう沁みることがなくなっていたら、スキンケアでしっかりと保湿をした後、パウダリーファンデーションでそっとおくようにして優しく塗り、ハンドプレスをしてなじませます。毛羽立ち感が押さえられ、乾燥をカモフラージュできます。
焦燥感がある場合
スキンケア
熱をもっていたり、ヒリヒリ、ジリジリしたりといった焦燥感が残っている場合、炎症していることが考えられるので、冷やすことが先決です。鎮静効果のあるローションでコットンパックをしたり、ローションパックの上から保冷剤をのせたりするなどして鎮静しましょう。鎮静した後は、肌への刺激が少ない敏感肌用のコスメなどで保湿を心がけてください。クリニックから特定のアイテムが処方されている場合は、医師の指示に従いましょう。
メイク
焦燥感があるうちは、ベースメイクは控えたほうが無難です。どうしても外出しなければならない場合は、UVカット剤を塗って最低限の紫外線防止策をとり、フェイスパウダーを重ねる程度に留めておいたほうがいいでしょう。あとはマスクなどで物理的にカバーをするのも一案です。
2020.03.23
この記事を書いたのは
- 長田 和歌子(ながたわかこ)
- ビューティエディター&ライター
大学卒業後、出版社に勤務。料理、美容、ファッション、健康など、多ジャンルの編集・執筆業務を経て、2001年にビューティエディターとして独立。以来、雑誌を中心に、書籍、web、広告などの分野で企画・編集・執筆活動を行う。その他、2011年から、直接会って伝える学びの場を提供。巷にあふれる美容や健康情報に惑わされない基礎知識を伝えるべく、活動中。正しい化粧品の使い方をはじめ、からだの基礎知識、ベビー&キッズのためのスキンケア、子供への食育などのジャンルを主に伝えている。 日本メディカルアロマテラピー協会認定アドバイザー、ママ&キッズ セルフケアセラピスト、セルフ・ストレスケアセラピスト。食育指導士。妊活マイスター。
◎主な仕事内容
『美的』(小学館)創刊から8年主要メンバーとして活動。現在は『with』(講談社)、『Oggi』、『Precious』(小学館)などの雑誌、『mi-mollret』(講談社)というwebマガジンを担当するほか、『素肌美人になれる 正しいスキンケア事典』(高橋書店)、 『いちばん正しい スキンケアの教科書』(西東社)、『もう二度と太らない! リンパダイエット』(主婦の友社)などの書籍を担当。広告媒体としては、トリアジャパン記事広告、大手メーカーコスメのブランディング、オーガニック系ヘアケアブランドのカタログ、会員誌制作などを担当。