再生医療

この記事では美容医療で行われている再生医療とはどんな治療なのか、基本的な知識から治療の種類や注意点まで紹介していきます。

再生医療全般

美容医療の分野でも「再生医療」を受けることができることはご存知でしょうか?ここ数年、再生医療がある種のトレンドになっているといえるほど、多くの美容クリニックで治療や施術が行われています。

ただ、初めて聞いた方は美容ではどんな治療を受けることができるのか、また、どんな効果が期待できるのか、安全性は大丈夫なのか?など気になる点も多いかと思います。

そこで、この記事では美容医療で行われている再生医療とはどんな治療なのか、基本的な知識から治療の種類や注意点まで紹介していきます。再生医療が気になっている方、最新の美容医療を受けたい方は、この記事で理解を深めていただければと思います。

再生医療とは?

再生医療とは?

臓器や組織の再生を目的とした治療を再生医療といいます。再生医療といってもさまざまな種類があり、例えばまだ臨床での実用化は進んでいませんが、ノーベル賞で話題になったiPS細胞を使った医療も再生医療の一つです。

再生医療では例えば、細胞の赤ちゃんともいえる「幹(かん)細胞」という特殊な細胞を取り出して、それを増やし、目的とする組織や臓器の一部として身体に移植する方法があります。また、細胞ではなく成長因子と呼ばれる幹細胞が生み出す成分を使って、細胞の増殖や再生をはかる方法も再生医療に含まれます。

ただ、再生医療に必ず絡んでくる問題として倫理的な問題があります。細胞そのものを使った治療は倫理的な問題から法律で厳しく規制されています。美容医療においても細胞そのものを使った治療よりも、細胞が生み出す成分などを使った再生医療が主流です。

美容医療で受けることができる再生医療とは?

美容医療で受けることができる再生医療とは?

美容医療ではさまざまな再生医療が実用化され始めています。今までの美容医療といえば、マシンや注入材などの薬剤を用いた治療が中心でした。しかし、それでは一度失った組織の修復、年齢に応じた外観の変化など、全てのニーズに対応することは難しいところがありました。

再生医療はその名のとおり、「再生」を目的とした治療です。しかも、自分の体の一部である幹細胞やその関連する成分を用いて、自らの組織の回復や再生を促すことが他の治療法と比べて違う点だと言えるでしょう。

例えば、再生医療の技術が広く使われているのがアンチエイジングの分野です。シワやたるみ治療では、ヒアルロン酸やボトックス注射や、マシンを使った治療法など、物理的に形を変えたり、熱で組織を収縮したりといった方法が中心でした。しかし、再生医療では異物を挿入したり、肌細胞への過剰な刺激を与えることなく、自己再生力を高めることでしわやたるみを改善へと導くという点が大きな魅力だといえます。

美容医療で行われる再生医療にはどのような施術があるのか

美容医療で行われる再生医療にはどのような施術があるのか

美容医療における再生医療にはどのような選択肢があるのでしょうか?具体的な施術をご紹介します。

PRP療法

PRPとは多血小板血漿のことです。血液中に含まれる血小板には細胞の成長を助けるはたらきがあります。PRP療法は血小板(PRP)を自分の血液中から取り出し、濃縮したPRPをしわや肌トラブルが気になる箇所に注入することで改善へと導く治療です。血小板には成長因子と呼ばれる体の細胞の分化や成長を促す成分が含まれています。例えば、歯周病で失われた組織の再生、美容医療では目の下のくま・たるみ、シワなどの治療に用いられています。

ヒト幹細胞培養上清液療法

ヒトの細胞そのものを使うのではなく、幹細胞を培養した後に残った培養液の上澄み(上清)を使う治療です。この上清液には幹細胞が生み出す100種類以上もの成長因子やサイトカインが豊富に含まれています。

このヒト幹細胞培養上清液には、線維芽細胞を活性化させコラーゲンの増生を促す効果が報告されています。PRP療法と同じく顔のたるみ、しわの改善目的の治療に使われています。

注射

特定の部位に注射することで、局所的な効果が得られる。

水光注射

専用の機械を用いて皮膚の浅い部分に薬剤を均一に注入していく方法。好きな美容成分と組み合わせられる。成分が皮膚の下に均一に届く。

点滴

点滴による静脈注射。血液を介して全身に成分を届けられるため、体全体のエイジングケアが可能である。

線維芽細胞療法

細胞を用いた治療としてよく行われているのが線維芽細胞療法です。線維芽細胞は結合組織を構成する細胞であり、コラーゲンやエラスチンなど真皮を構成する成分を作り出します。

線維芽細胞療法では細胞を培養して増やした上で、肌(真皮)に注射器で注入して移植することで若返りをはかります。加齢に伴うシワやたるみは、細胞の減少や機能低下が原因なので、基本的に自然に回復することはありません。しかし、線維芽細胞を移植することで、若々しい肌を維持することが可能になるといわれています。

悩み別にどの施術を選べばいいのか

悩み別にどの施術を選べばいいのか

再生医療の施術のどれが適しているかは、その目的ごとに変わります。悩み別に対応する施術をご紹介します。

肌の再生美容

悩み:肌のたるみ、シワ、クマ、ほうれい線、アンチエイジング

施術内容

線維芽細胞療法、PRP療法、幹細胞培養上清液

毛髪の再生美容

施術内容

悩み:薄毛、抜け毛 

グロースファクター再生療法(PRP療法、幹細胞培養液上清液)

例えば肌の悩みでも、線維芽細胞療法、PRP療法、幹細胞培養上清液と選択肢があります。クリニックの取り扱いや症状によって使い分けられています。どの治療が適しているかについては医師に相談するとともに、それぞれの効果や費用面、デメリットについても予め確認しておきましょう。

それぞれの治療法の詳細

治療を受ける際にはどの程度の効果が期待できるのか、また費用なども気になるところかと思います。そこで次は治療法ごとにどのような効果が期待できるのか、持続期間や推奨される回数、費用についてご紹介します。

PRP療法

方法

血液を採取して、血小板を取り出して濃縮したものを再度注射で投与する。一部位につき30分〜40分程度

適応範囲

深いシワ、たるみ、くぼみ、目の下のクマなどあらゆる部位に対応

特徴

  • 徐々に効果が現れるため周りに気づかれにくい
  • 自身の血液を用いるため安全性が高い
  • 効果の持続と頻度:1〜3ヶ月程度で実感できることが多い。
  • 1回の注射で1〜2年程度効果が持続するといわれている。

なお、成長因子成分の薬品を追加して行うプレミアムPRPの場合、持続期間が3年以上ともいわれていますが、安全性に問題があるともされています。

費用

  • 目の下などパーツのみで18万円〜30万円程度、全顔で40万円程度
  • クリニックにより差が大きいが、小範囲でも10万円台後半であることが多い。

ヒト幹細胞培養上清液療法

方法

  • ヒト脂肪由来、ヒト歯髄由来、ヒト臍帯由来などの幹細胞を培養した上清液を静脈点滴により投与します。
  • 点滴は1回30分程度かかる。
  • ダーマペン・CO2フラクショナルレーザーでは皮膚に小さな穴を開けて成分を皮膚の深い部分まで浸透させることができる。他、プラズマシャワー、点鼻などの方法がある。

特徴

他の再生医療と比べて比較的安価

効果の持続と頻度

初回から効果が出ることもあるが、5回から6回の治療で効果が感じられることが多い

費用

  • 点滴1回5〜15万円程度から、複数回の施術で50万円程度など
  • ダーマペンやCO2フラクショナルの場合、1回10〜20万円程度が相場。
  • クリニックと施術回数にもより差がある。

線維芽細胞療法

方法

耳の後ろなどから培養に用いる組織を採取する。組織から細胞を増殖・培養して目的の場所に注入する。

特徴

  • 加齢に伴う線維芽細胞の不足を補い再生を促す。
  • 冷凍保存で細胞を保管することで数年後も若い頃の細胞を使って治療できる。
  • 自身の細胞を使って自然な若返りが期待できる。

効果の持続と頻度

  • 治療後1~3ヶ月程度で徐々に効果が実感できるといわれている。
  • 細胞の定着率を高めるために一部位につき1年2〜3回の治療が推奨され、その後もメンテナンスとして1〜2年ごとの治療が望ましいとされている。

費用

皮膚採取、細胞抽出、培養、注入による移植にかかる費用として100万円程度、その後、移植ごとに追加料金が発生。移植量と回数により費用は異なる。

注意点(デメリット、ダウンタイム)

注意点(デメリット、ダウンタイム)

自らの細胞を用いて組織を再生でき、本格的に若返り治療を受けられるという点で非常にメリットの大きい再生医療ですが、デメリットやダウンタイムなども予め知っておくことが大切です。

デメリット

針を刺したり、組織を採取することで痛みや出血、腫れなどのリスクは伴います。また、極めて安全性が高いと言われている治療でも、最新の技術を用いている場合には長期使用した場合のリスクがまだ明らかになっていないこともあります。

ヒト幹細胞培養上清の点滴は、一度受けるとそれ以降の献血ができなくなります。

また、費用が高額という点もデメリットの一つだと言えます。継続が必要な治療がほとんどなため、始める際には費用もしっかりと確認する必要があります。

ダウンタイム

治療により一時的に腫れたり、周囲に気づかれるような変化があると困るという方も多いのではないでしょうか。

例えばPRP療法では注入方法にもよりますが、水光注射などで顔全体に注射した場合、翌日から2、3日程度は腫れることがあるようですが、すぐに治まるといわれています。幹細胞培養液上清療法でも2日程度腫れることがありますが、メイクで隠せる程度でありあまり目立ちません。線維芽細胞療法でも1日〜3日程度のダウンタイムとなっています。ただし、腫れ方や炎症の強さには個人差があります。治療前に医師からよく説明を受けて納得した上で施術を受けられることをおすすめします。

まとめ

再生医療はこれから医学の進歩とともに益々発展が見込まれる分野で、美容医療においても期待されている治療法です。今までの治療では満足できなかったという方も、再生医療であれば満足度の高い治療を受けられる可能性があります。ただし、再生医療はまだ新しい分野でもあり何らかのリスクがあることも理解しておくことが大切です。

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