再生医療

ヒト幹細胞培養上清液」は細胞に直接働きかけるため、組織の再生や修復への効果が高く、美容分野はもちろん、再生医療の分野でも注目が集まっています。
この記事では、ヒト幹細胞培養上清液を使用した美容施術や効果について説明します。

みなさんは「ヒト幹細胞培養上清液」の効果をご存知でしょうか。

あらゆる美容の悩みにアプローチできることから、近年「細胞レベルで美しくなれる」と話題になり、ヒト幹細胞培養上清液を使用した美容医療を扱うクリニックが増えているのです。

この記事では、医学博士・国際抗老化再生医療学会の執行理事である劉 効蘭先生に伺った内容を元に、ヒト幹細胞培養上清液が秘める美の可能性をたっぷりとお伝えします。

再生医療の治療が受けられる全国の美容クリニック一覧

エイジングケアだけではない!ヒト幹細胞培養上清液の効果について

エイジングケアだけではない!ヒト幹細胞培養上清液の効果について

ヒト幹細胞培養上清液ってなに?

培養上清液とは、ヒト幹細胞を培養した後の培養液から、幹細胞や不純物などを取り除いた上澄みの部分を指します。

ヒト幹細胞培養上清液の中には、何百種類もの豊富な成長因子(EGF、IGF、TGF、PDGFなど)やサイトカインが含まれており、私たちの体内で細胞を活性化する働きをもつのです。

老化で衰えた細胞の修復や再生、さらに、細胞そのものを作る過程をサポートするため、シワやたるみ、ニキビ・ニキビ跡の改善や育毛促進といった効果が期待できます。

【幹細胞と幹細胞培養上清液の違い】

  • 幹細胞→様々な細胞に分化して、組織の修復や回復を助けるもの
  • 幹細胞培養上清液→幹細胞を採取・培養後、培養液の中に放出された成長因子などを豊富に含んだ上澄み液

培養上清液に期待できる効果

培養上清液を使用した美容分野の再生医療では、以下のような効果が期待できます。

肌の弾力性UP

コラーゲン増生効果によってハリ・弾力を回復し、シワやたるみを改善

創傷治癒作用

新しい皮膚細胞の生成を促進し、ニキビや傷跡など、ダメージを受けた組織の回復を促進

抗炎症作用

炎症や傷などがある部分の治癒を促進・痛みの軽減

抗酸化作用

疲労回復・シミ予防

免疫調整作用

アレルギー疾患症状の緩和

ニキビやアトピーの改善効果があるといった報告もある

悪化や再発を繰り返しやすいニキビやアトピーですが、ヒト幹細胞上清液を用いた塗布、点滴や点鼻などの治療で、症状が落ち着いたという報告もされています。

好転反応によって一時的に赤みが出る可能性もありますが、回数を重ねるごとに炎症や肌のゴワつきが改善します。

副作用もほとんどないため、安心して治療を受けやすいところもポイントの一つ。

また、目周りに培養上清液を塗布する治療を続けることでまつ毛が伸びた人もいるとのことです。

女性にとって嬉しい美容効果の可能性が詰まってる治療方法とも言えます。

幹細胞の種類と違いについて

幹細胞の種類と違いについて

幹細胞には、ヒト由来、植物由来、動物由来など、複数の種類があります。培養する幹細胞の種類によって、培養上清液の効果も大きく変わってくるのです。

ヒト幹細胞由来

ヒトの細胞を活性化させるためには、細胞の表面にある「レセプター」という穴に一致する成分(成長因子など)が必要になります。この成分を豊富に含むものが「ヒト幹細胞培養上清液」です。

ヒト幹細胞培養上清液は、私たちの細胞に直接働きかけることができるので、全身の組織再生に高い効果が期待できます。美容医療はもちろん、再生医療の分野でも多く使用されています。

植物幹細胞由来

植物の幹細胞培養上清液は、ヒト幹細胞由来成分のように、人間の細胞を直接活性化する働きをもちません。しかし、抗酸化・保湿力が期待できるので、スキンケアに取り入れてみると良いでしょう。

動物幹細胞由来

ヒトの幹細胞と構造が似ている羊や馬、豚などの動物の胎盤から採取した幹細胞を使用します。

皮膚に塗ることでヒトの細胞を活性化が期待できるとされていますが、アレルギー発症リスクがあり、安全性の面から、あまり国内で流通していません。

培養上清液を使用した美容医療メニュー

培養上清液を使用した美容医療メニュー

美容点滴→全身くまなくすべすべにしたい人向け

静脈への点滴で幹細胞上清液を全身へ行き渡らせると、肌はもちろん、体全体のエイジングケアが可能です。培養上清液に含まれる豊富な成長因子が、体内で傷ついた組織回復のサポートをすることで、細胞の修復と再生を促進します。

ダーマペン・水光注射・プラズマシャワーなどでの導入→肌質改善や薄毛治療がしたい

ヒト幹細胞培養上清液は、ダーマペン水光注射のようなニードル治療やプラズマシャワーエレクトロポレーションといった導入療法との併用で使用されることが多く、治療との相乗効果が期待できる手法として人気があります。

皮膚の修復・再生・ハリ・弾力の強化などの美肌効果だけでなく、毛髪再生効果も期待ができるため、顔や首だけでなく、近年頭皮の薄毛治療としても人気が高まっています。

クリニックによっては、CO2フラクショナルレーザーを照射後、肌に微細な穴が開いている時に培養上清液を塗布することで、有効成分を皮膚下深層まで届ける方法もあります。

皮下注射→顔のシワなど、ピンポイントで改善したい箇所がある

ピンポイントで効果を得たい部分に皮下注射をすることで、肌の表皮細胞の分裂を活性化させ、目立ちにくくする方法です。導入治療よりも短期間で肌変化を求める人に向いていると言えるでしょう。

浅い〜深いシワの改善だけでなく、肌の保湿力やハリ、透明感をUPさせるといった肌質改善効果が期待できます。

培養上清液の安全性について

ヒト幹細胞培養上清液による美容再生医療を扱う医療機関では、以下の点に注意を払っています。

  • ドナーのスクリーニング検査の徹底
  • クリーンルームによる滅菌処理や異物混入の防止
  • 日本薬局法に準じた無菌試験法を規定日数試行
  • 厚生労働省の認定を受けた施設内での製造

培養上清液は、どの治療においても安全性が高く、美容医療に関しては特に大きなトラブルも報告されていないようです。

クリニックのホームページに、どのような培養上清液を使用しているか記載しているところが多いので、心配な場合は確認してみると良いでしょう。

培養上清液による美容効果の最大のポイントは「培地」

培養上清液による美容効果の最大のポイントは「培地」

培地とは?

培地とは、幹細胞を培養するにあたって、より成長しやすいよう人工的に作った環境のことをいいます。

ヒト幹細胞は、おもに液体状の培地で生育させますが、どのような細胞を生育させるかによって、培地の種類は異なるのです。

培地の重要性について

良質な培養上清液ができるかどうかは、「培地の質」で決まります。

細胞自身が活性化・成長・増殖する特に「サイトカイン」という物質を放出しています。

サイトカインは、体内で傷ついた組織や細胞の機能回復或いは免疫調節などに重要な役割をもち、特に美容分野ではエイジングケアへの高い効果が期待されています。

培地の質によって幹細胞の分裂速度が決まるうえ、サイトカインの放出量や安全性・有効性も変わるため、良質な培地作り=高い再生医療効果が見込める培養液作りの最重要ポイントなのです。培地の質が悪いと細胞活性が悪く、培養上清液に含まれるサイトカインの量が格段に少なくなります。サイトカインの量が少ないということは細胞内で有効に働く成分が少なくなるため、効果も低くなると考えられています。

特に、培地の質に大きく関わるとされているのが「無血清」です。ヒトや動物由来の成分を一切含まない培地は、感染や免疫反応などのリスクを回避するだけでなく、培養スピードの面でも均質でクオリティの高い培養上清液へと導くとされています。

良いヒト幹細胞コスメの見分け方とは?

良いヒト幹細胞コスメの見分け方とは?

美容医療よりも、さらに手軽なスキンケアで幹細胞のパワーを感じたい!という人もいるでしょう。

肝心な効果を見込める良い製品はどれか、という点が非常に気になるところですが、個人で品質を見極めるのは、残念ながらとても難しいのが現状です。

化粧品メーカーでは、有効成分の含有量を示すデータがないところがほとんどです。

特にコスメやスキンケアに関しては、どこで作られた培養上清液を使用しているのか分からないことも多いと言えるでしょう。

さらに、製品に配合する培養上清液の濃度は、基準値が設定されていません。

分かりやすく例えると、25mプールの大きさの培地へ数滴幹細胞培養液を入れただけでも「幹細胞スキンケア」と呼べるのです。

メーカーによっては、有効成分の含有量をグラフなどで数値化しているところもあるので、製品選びで迷っている人はこの部分に注目すると良いかもしれません。

まとめ

幹細胞培養上清液を使用した美容医療は、再生医療の分野に含まれます。

ヒト幹細胞培養上清液を使用した美容医療は、複数の治療を組み合わせることで期待以上の変化があった!という声も耳にします。

美容面だけでなく、「すっきり目覚められるようになった」「疲れにくくなった」といった健康面への作用も期待できるので、綺麗と元気の両立を目指す方は、一度クリニックで相談してみると良いかもしれません。

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お話を伺った医師

劉 効蘭先生
劉 効蘭先生

一般社団法人国際抗老化再生医療学会 執行理事 サンフィールドクリニック 理事

1983年 中国で医科大学卒業後、小児内分泌疾患の臨床と研究に携わる
1992年 客員研究員として来日し、日本医科大学にて医学博士号を取得
2005年 日本生命科学研究所にて、遺伝性代謝病を研究
2011年 幹細胞治療で有名なサンフィールドクリニックのコンサルタントに就任     
アンチエイジング幹細胞治療と健康管理の仕事に従事
2016年から抗老化再生医療学会の執行理事、及びサンフィールドクリニックの理事を勤めている

※マッサージや化粧品などの情報が記載されている場合は監修範囲に含まれません。

※執筆・掲載日時点の情報を参考に医師監修しております。

※当サイト記事内の情報は一般的な知識であり、自己判断を促すものではありません。あらかじめ、ご容赦ください。

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