たるみ・しわ

脂肪の重みが原因のたるみに効果的なサーマクールは、RF(高周波)を皮膚に照射することで肌の奥深く(真皮層~皮下の線維隔壁まで)を加熱してたるみを引き締める効果が期待できるRF治療機のことです。
顔のたるみだけではなく、ボディの引き締めやまぶたのたるみ用のチップもあり、さまざまな症状に合わせた施術が受けられます。

サーマクールとは

脂肪の重みでたるんでいるたるみ治療について調べているとよく出てくる「サーマクール」の文字。多くのクリニックに導入されていたり、他の治療機の説明でも「サーマクールより痛くない!」といったように、比較の対象となっている場合も少なくありません。

「切らないたるみ治療」の代名詞といわれているサーマクールは脂肪の重みが原因のたるみに効果的です。今回はサマークールの人気の秘密や、気になる治療時の痛みについて解説します。

サーマクールとは

サーマクールとは

サーマクールのメカニズム 

サーマクールとは、RF(高周波)を皮膚に照射することで肌の奥深く(真皮層~皮下の線維隔壁まで)を加熱してたるみを引き締める効果が期待できるRF治療機のことです。

顔のたるみだけではなく、ボディの引き締めやまぶたのたるみ用のチップもあり、さまざまな症状に合わせた施術が受けられます。

サーマクール最大の特徴は、「縦×横×奥行」の3方向から加熱ができるという点です。

出典:https://dahlia-gsc.com

照射前、照射中、照射後に皮膚表面に冷却ガスを吹き付けながらRFを照射するので、肌表面にダメージを与えること無く、皮膚の深い層だけを50~60℃ほどに加熱できるという仕組みです。

加熱によって真皮のコラーゲンや皮下脂肪が収縮するため、焼いたお肉が縮むのと同じような引き締め効果が、施術直後から得られるとされています。
更に、傷ついたコラーゲンを修復しようとする自己治癒力で術後数カ月にわたって新しいコラーゲンが増生されるため、長期的な肌のハリや弾力のUPという効果も期待できるのです。

術後2~3か月が効果のピークといわれており、特に引き締め効果を実感できる時期とされています。

サーマクールと他のたるみ治療機を比較

サーマクールは2002年に初代のマシンが発売され、「メスを使わないたるみ治療」で世界で最初にFDA認可を受けました。当時、切らずにたるみ治療ができるというのがとても画期的だったため、またたく間に人気が高まりました。

その後、たるみ治療を目的としたRF治療機は、テノールやイントラジェンなどが登場し、さらに切らないたるみ治療としてはハイフも普及するなど、たるみ治療の選択肢は今や数え切れないほどあります。

サーマクールとその他のたるみ治療機を比較した際の一番の違いは、独自の技術によって可能なバルクヒーティングと呼ばれる加熱方法にあります。狙った深さを大容量で加熱することで、たるんだ皮膚をギュッと引き締めるタイトニング効果と減らしたい部分のボリュームを減らす効果の高さに定評があり、この点では他の機器の追随を許さない存在といわれています。サーマクールのメーカーであるソルたメディカル社によって、機器自体も改良・進化を繰り返しており、現在の最新バージョンである「サーマクールFLX」で4機種目となっています。世界中で広く使用されていることから、症例数も多く、安全性・有効性・信頼性が高く評価されており、日本でも多くのクリニックに導入されています。

サーマクールが向いている症状とは?

サーマクールが向いている症状とは?

たるみの原因や種類はさまざまなため、すべての症状にサーマクールが効果的とは言えません。前述したとおり、サーマクールで最も期待できる効果は「引き締め」であることから、頬やフェイスラインに厚めの脂肪がついている人に適した治療法だと言えます。

逆に、脂肪が薄く、しわっぽい人には向いてないといえるでしょう。

脂肪の重みでたるんでいるような場合、引き締めによってほうれい線やマリオネットラインや二重あごなどに、特に高い効果が期待できます。引き締めだけでなく、コラーゲンを再構築するという効果でハリが生まれ、術後時間をかけてリフトアップしていくといわれています。

副次的効果として、皮脂腺の働きが抑えられることによる毛穴縮小や、熱殺菌によるニキビ改善なども期待できるといわれています。
また、チップを変えることで、まぶたのたるみ改善やボディの引き締めといった効果も目指すことができます。

サーマクールの人気の秘密とは?

サーマクールの人気の秘密とは?

たるみ治療の代名詞として長年人気を保っているサーマクールですが、どういった点が支持されているのでしょうか?

即効性のある高い引き締め力

真皮と皮下の線維隔壁を強力な加熱により「縦・横・奥行」の3方向にギュッと収縮します。

出典:http://www.fujisawa-biyo.com/thermacool/fig5.png

施術直後から、引き締まって輪郭が変化したのを実感できる人も少なくないようです。その後、時間が経つほどにコラーゲンの増生が進むため、更なる引き締め効果を感じられるようになるとされています。フェイスラインの治療の場合、「つまめる部分がなくなった」という人もいるほどで効果のわかりやすさが人気の要因の一つとなっているのは間違いないでしょう。

肌表面にダメージを与えない

サーマクールは肌に熱を加えますが、冷却ガスを吹き付けながら施術するので、肌表面に火傷などのダメージを負うことはないとされています。施術直後からメイクも可能です。
ダウンタイムがほとんどないので、術後すぐに日常生活に戻れる点や、施術を受けたことが周囲にバレにくい点もうれしいポイントです。

自然な顔痩せ・小顔効果

サーマクールは、傷ついたコラーゲンを修復しようとする自己治癒力を利用する治療法です。自己治癒力は2~3か月の時間をかけて働きます。その間、肌の引き締めがどんどん進みます。

数か月単位で見ればBefore・Afterの変化が大きくなる施術ですが、日々の改善は少しずつ進むので、自然と痩せたような小顔効果が期待できます。周りから「痩せた?」なんて言われると、うれしいものですよね。

 最新のサマークールは痛くないって本当?

サーマクール最大の欠点と言われた痛みの軽減について

「確かに引き締まるけど、痛くて辛い」というのが、サーマクールが出始めた時に最も多かった評価でした。痛みが強すぎて、施術途中で治療を断念してしまう人もいたとか。

そこで、サーマクールの開発者たちは欠点ともいえる痛みを軽減するために、痛みを緩和する技術の開発と照射方法の研究による改良を重ねることに注力していきました。

3代目の「サーマクールCPT」では、「痛みより振動のほうが脳によく伝わる」というゲートコントロール理論に基づいて、チップにバイブレーション機能が搭載されました。また、冷却機能も強力になったことで、痛みが神経に伝わりにくくなりました。また、1回の照射出力を低くして痛みを抑えながら、同じ箇所に複数回重ねて照射する「マルチプルパス照射」の採用で、痛みのコントロールができるようになりました。

さらに、4代目の「サーマクールFLX」では、これまで縦方向だけだった振動が多方向からになったり、冷却機能も改善されたりと、より痛みの抑制効果がアップしたといわれています。
これらの改良の結果、現在ではサーマクールの痛みはかなり緩和され、「痛い治療」ではなくなったといわれています。

サーマクール「CPT」と「FLX」の違いは?

サーマクール「CPT」と「FLX」 の違いは?

サーマクールでたるみ治療を行っているクリニックは多数ありますが、使用している機種は3代目である「CPT」と4代目である「FLX」があるようです。
この2機種にはどのような違いがあるのでしょうか?

サーマクールの歴史

初代サーマクール「TC3」は2002年に登場しました。

「切らないたるみ治療」という点が大きな話題を呼び、世界中で人気の美容施術となりました。反面、痛みと長い施術時間が欠点でもありました。
2007年には2代目の「NXT」が発売されました。初代TC3からの改良点として、

  • チップの照射面積が従来の3倍、3.0㎠になったことで施術時間が短縮され、患者の負担が軽減
  • 目元用のチップ、ボディ用のチップが登場し、治療用途が広がった
  • 最大のネックともいえる痛みに関しては、まだまだ改善の余地あり

2009年に発売された3代目「サーマクールCPT」で、初めて痛みと効果の面に大きな改良が加えられました。

前章でご紹介したように、バイブレーション機能の追加、冷却機能の強化によって、痛みが大幅に緩和されました。チップの改良によって、照射面全体が均一に、より深く加熱されるようになり、皮膚の蓄熱時間が長くなったことから、引き締め効果が高くなりました。そして2017年、現在の最新機種「FLX」が登場します。

CPTから進化したFLX

FLXは、CPTと比較して、

  • 冷却機能の更なる改良
  • CPTで追加されたバイブレーション機能が進化(CPTでは縦方向だけだった振動が、縦横奥行の多方向になった)

によって、痛みが格段に軽減したといわれています。

冷却機能の強化は、効果の面にも大きく貢献しています
より高い温度で加熱することができるようになり、加熱によるコラーゲン変性の効率が高まったとされています。

また、新たに照射面積4.0㎠のチップが登場して、1ショットあたりの施術面積が大きくなったことから、1回の治療で施術時間がおよそ25%短縮できるようになりました。

サーマクールFLXの治療が受けられる東京都内の美容クリニック一覧

サーマクールの施術を受ける前に知っておきたいこと

サーマクールの施術を受ける前に知っておきたいこと

サーマクールの施術ができるのは医師だけ

サーマクールは、大切な肌に強力な熱を加える治療法です。場合によっては火傷などのリスクもあります。こういったリスクを回避するためには、顔面の解剖学に精通しているとともに、サーマクールの仕組みを正しく理解している、経験と技術のある医師による施術が不可欠です。

サーマクール製造元のソルタメディカル社は、医師のみを対象としたトレーニングプログラムと、トレーニングを修了した医師へのサーマクール認定医制度を設けています。

費用について

サーマクールの治療費は、チップの大きさとショット数によって設定されている場合が多いようです。治療費の目安は次のとおりです。

CPT
3.0㎠チップ400shot 150,000~250,000
3.0㎠チップ600shot 180,000~380,000
3.0㎠チップ800shot 210,000~350,000
目元1回(225shot 105,000~150,000
ボディ1部位1 200,000~300,000
FLX
4.0㎠チップ 300 shot 200,000~320,000
4.0㎠チップ 600 shot 320,000~420,000
4.0㎠チップ 900 shot 470,000~530,000
目元1 150,000~250,000
ボディ1部位1 200,000~300,000

痛み

サーマクールの痛みについては、「痛いというより、熱い」「肌の奥に熱感を感じる」「ボワーンとした鈍痛」といった体験談が聞かれます。額やフェイスラインなどの骨に近い部位では、痛みを強く感じることもあるようです。
いずれも、照射の瞬間のみの痛みで、後まで残る痛みではないといわれています。

サーマクールの施術時に、表面麻酔は推奨されていません。熱の感じ方が鈍くなると、仮に出力が強すぎたとしても気付くことができず、火傷などのリスクが大きくなるからです。

ダウンタイム

サーマクールには強力な冷却機能が搭載されており、皮膚表面を熱から守るため、目に見えてのダウンタイムは殆どないといわれています。施術後のメイクや施術当日の入浴なども可能としているクリニックがほとんどのようです。まれに赤みやほてりが出ることがあるようですが、数時間程度で治まるといわれています。施術後は乾燥しやすくなるので、十分な保湿が必要です。

まとめ

たるみ治療に定評のあるサーマクール。
年齢肌を引き締めて、見た目年齢の引き下げに一役買ってくれそうです。
肌のたるみが気になったら、一度クリニックで相談してみてはいかがでしょうか。

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