美容や健康面に加え、40代になり更年期の症状にも日々悩んでいる。プラセンタが様々な効果があると噂を聞いたため、まずは美肌を目指し美容液からを使用しているが、イマイチ効果を感じられない。サプリメントや美容点滴・注射などもあるが、自分には何が合うかよくわからない…様々な効果が期待できるプラセンタですが、せっかくなら正しく理解してしっかり効果を実感したいですよね。実はプラセンタには、美容や健康面の向上に期待できる素晴らしい効果・効能が実証されています。成分の特徴や注意点を正しく理解して、上手に美容と健康を手に入れましょう。
プラセンタの基礎知識
プラセンタとは
哺乳類の胎盤から栄養素などの成分を抽出した、胎盤エキスのことです。胎盤には細胞を育てて活性化させる成長因子(たんぱく質、アミノ酸、核酸、ビタミンなど)が大変豊富に含まれています。
成長因子には、細胞の新陳代謝を促進する成分が含まれており、以下のような作用が期待できます。
- 肝臓(活性酸素除去、解毒)
- 毛髪(育毛(IGF))
- 肌(美肌(EGF・FGF))
- ホルモン調整作用
また、プラセンタは人の身体の細胞を合成するトリペプチドで、グルタミン、システイン、グリシンなど3つのアミノ酸で構成されています。
- グルタミン ・・・ 成長ホルモンの分泌を促し、免疫力を高めてくすみを除去する
- システイン ・・・ 皮膚に含まれる黒いメラニン色素の生産を抑える
- グリシン ・・・ 皮膚のコラーゲンを生成し、肌荒れを抑えて美肌へ促す
肌や体作りには、材料や生産能力(取り入れた材料を体内で形にする)が必要です。プラセンタには、材料と生産能力どちらも含まれていて効率が良いのです。成長因子はタンパク質の一種で私たちの体の中にもありますが、胎盤以外にはそれほど多く含まれていないため、プラセンタから摂取できる貴重な成分といえます。
プラセンタで期待できる美肌効果
美肌を生み出す力を育む
アミノ酸やミネラルが豊富に含まれており、美肌効果が期待できます。
シミ・クマ・くすみの改善
メラニンの生成を抑えたり、ターンオーバーのリズムを整えたりする働きがあります。
肌のハリ・弾力の衰えを遅らせる
プラセンタに含まれるFGF(繊維芽細胞増殖因子)は、コラーゲンを生成する線維芽細胞を活性化し、肌のハリや弾力を取り戻す働きがあります。
美肌以外にも期待できる効果
更年期障害
プラセンタには、自律神経やホルモンバランス調整作用があります。更年期障害の症状である「めまい」「ホットフラッシュ」「疲労」「頭痛」「イライラ」「不眠」「不安」「肩こり」「こわばり」等に効果が高いと言われています。
冷え性の改善
ホルモンバランスや自律神経が乱れてしまうと、結果的に血管が収縮して血行が悪くなり冷え性になってしまいます。自律神経やホルモンバランスの乱れを整えることは、冷え性への改善へと繋がります。
月経不順
月経不順はストレスや不規則な生活習慣などにより、女性ホルモンのバランスが乱れることが大きな要因になっています。正常な月経周期を保つには、女性ホルモンが適切に分泌される必要があります。プラセンタにはホルモン調整作用があるため、ホルモンバランスの乱れから起こる生理不順に効果を発揮します。
細胞の活性化
プラセンタに含まれている「成長因子」には、細胞の新陳代謝促進作用があります。
プラセンタを取り入れる方法
化粧品
角質層までの浸透で、即効性もあまり期待できないので、効果は感じにくいかもしれません。
サプリメント
内側からのケアが期待できますがじっくり時間をかけてになります。プラセンタエキスの純末(エキスを凝縮させた粉末)がどれくらい入っているかが重要になります。化粧品やサプリメントに使われるプラセンタは、主に豚と馬です。
豚プラセンタ(最もメジャー、安価でバランスの取れた成分配合)
※発育に悪影響を及ぼす特定の病気に汚染されていない“SPF豚”を選びましょう
馬プラセンタ(アミノ酸を多く含み、効果的で安全だが高価)
プラセンタ製品を選ぶ際は、原料の種類やその動物が育てられた環境を認識し、品質や安全性の高いものを選ぶようにしましょう。プラセンタは表皮と真皮の両方に作用します。化粧品は角質層までしか浸透しないため、サプリメントで摂取すると体の内側から成分を届けることができるため、長期的に続けることで効果が出てくると考えられます。
より効果的にプラセンタを取り入れたい場合は美容クリニック
注射や点滴は、体の内側へ直接成分を届けることができるため、化粧品やサプリメントに比べて即効性が期待できます。また、プラセンタ注射に使われているプラセンタは「ヒト由来」のものとなるため、ブタやウマよりも高い効果が得られます。ただし、ヒト由来であることから、一度でもプラセンタ注射を行うと、献血ができなくなっております。同じ理由からドナー登録をされている方はプラセンタ注射を受けることができませんので、ご注意ください。
プラセンタは筋肉注射が推奨されており、点滴で入れる場合の有用性や安全性は確立されていません。クリニックによってはカクテル点滴として、プラセンタとビタミンCなどの美容成分と混ぜて点滴を行っているところもありますが、気になる場合はカウンセリングの際に医師に確認することをおすすめします。
プラセンタ注射の概要
- 時間は5分程度
- 皮膚組織や筋肉に投与
- 持続期間は2~3日
プラセンタを取り入れる際の注意点
様々な効果が期待できるプラセンタ、副作用はほぼありませんが、稀に起こることがあります。副作用やリスクについても事前にしっかり確認しましょう。
取り入れた部位に痛みや発熱を起こすことがある
注射した箇所にかゆみや痛みが出ることがありますが、半日程度で消えるそうです。
肝機能が異常を起こすことがある
厚生労働省に認可されているプラセンタ製剤は、以下2種類です。
- メルスモン :更年期障害・乳汁分泌不全の治療を目的としたプラセンタ注射薬
- ラエンネック:慢性的な肝疾患における肝機能の治療・改善のプラセンタ注射薬
このうち、「ラエンネック」が原因で肝機能障害を起こしたという報告があります。副作用のリスクについては、信頼できる医師としっかりカウンセリングすることが大切です。
有効性や安全性が不確かなものがある
サプリメントを含む健康食品は医薬品ではないため、明らかな効果を表示することはできません。また、注射では副作用が起こることはほとんどないと言われておりますが、稀にアレルギー反応により発疹やかゆみを起こすこともるようです。しかし、時間をおけば落ち着くケースがほとんどのようです。
献血が出来なくなる
プラセンタ注射はヒトの胎盤を原料としているため、感染症などの心配があります。したがって、一度でも経験すると献血ができなくなります。また、臓器移植も控えなければなりません。
まとめ
いかがでしたか。プラセンタには成長因子が含まれており(哺乳類から抽出したもの)、美容や健康面の向上に効果的であることがわかりました。
細胞の新陳代謝(ターンオーバー)促進作用があり、肌や体を細胞レベルから若返らせてくれるのが大きな特徴ですが、様々な効果が相乗的に働き、肌や体に嬉しいことがたくさん起こるのが期待できます。取り入れる方法はいくつかご紹介させていただきましたが、予算や即効性、リスクなどをしっかり検討して、美しく年齢を重ねていきましょう。この記事が、皆様のお役に立てることを願っております。