平日は会社、休日はお出かけ。見た目を大切にしている女性達にとって、花粉症は彼女たちのオシャレにも影響を及ぼしています。鼻をかんだりマスクをするとメイクは落ちてしまいますし、目がかゆくて通常のアイメイクもできないことがあるのではないでしょうか。耳鼻科へ行きたくても、春先の耳鼻科は激混みで予約がなかなか取れない、取れても長時間待たされるといった悩みのある方や、病院でもらった薬の副作用や効果を心配されている方もいらっしゃると思います。
そんなあなたに朗報です。なんと美容皮膚科や美容クリニックでも花粉症を和らげる治療が受けられるんです!
なぜ美容クリニックで?と思われる方もいるかもしれません。美容クリニックで花粉症治療を行っている理由は、美容医療でよく使われる薬剤を使った治療だからです。
その薬剤の名前は「ボトックス」。近年、シワ取り注射としての知名度も上がってきたので、名前を聞いたことのある方もいるのではないでしょうか。このボトックスを鼻に点鼻する治療法を「花粉症ボトックス」といい、鼻水や目のかゆみを抑える効果があると言われています。
花粉症ボトックスについての特徴やリスクを正しく理解し、上手に活用して花粉症の辛さから解放され、思いっきりオシャレを楽しみましょう。
花粉症ボトックスの基礎知識
花粉症ボトックスとは
ボトックスとは、ボツリヌス菌から抽出したA型ボツリヌス毒素を精製した製剤のことで、過剰な神経伝達物質(アセチルコリン)の働きを抑制する作用があります。この作用により、表情じわの原因となる筋肉の動きを抑えてしわを改善したり、発汗を抑えることで多汗症の症状を改善したりします。このボトックスの特性は、鼻の粘膜の副交感神経の興奮を抑えるという効果もあるため、花粉症による鼻水や鼻詰まりを改善することができます。
しわや多汗症の改善には注射を用いて筋肉に薬剤を注入しますが、花粉症ボトックスでは注射ではなく鼻の粘膜に滴下(点鼻)で浸透させる手法となるため、痛みがまったくないといったメリットがあります。即効性があるため、点鼻したその日から効果が現れ、抗アレルギー薬にあるような倦怠感や眠気のような副作用もなく、安心して受けていただくことができます。
花粉症が収まる仕組み
【鼻腔内滴下法】鼻腔内にボトックスの薬液を流し込みます。
若しくは
【ガーゼパッキング法】ボトックスを浸したガーゼを、鼻の穴に10分間つめて浸透させる方法です。
↓
薬液が鼻腔からつながる副鼻腔の粘膜に行きわたります。
↓
10~15分程粘膜に浸透させます。(施術に5分、10分そのまま横になる)
※【注意】薬液を垂らす滴下法の場合は、鼻は極力動かさず口呼吸をして、薬液をより行きわたらせるようにしましょう。
花粉症ボトックスが適応する人
以下のような方に、花粉症ボトックスはおススメです。
- 副作用が心配な人(鼻炎薬特有の眠気や倦怠感など)
- 痛みに弱い人
- 大事な日が近く、すぐに花粉症の症状を抑えたい人
- 短時間で済ませたい人
- 即効性を求める人
- アレルギーやアトピーのある人
花粉症ボトックスで期待できる効果
くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目の痒み軽減
鼻の粘膜の神経(副交感神経)の働きを抑制し、鼻水の分泌や目の痒みを止め花粉症の症状を軽減させます。
即効性
施術直後~翌日にかけて効果が現れます。
持続性
1回の施術で、数日~2か月と個人差はかなりあるようです。平均持続期間は2週間程度と言われているため、効果を持続したい場合はシーズン中に2~3回の施術が必要となります。
相乗効果のあるメニュー
プラセンタ注射・内服薬
免疫力を高め、アレルギー体質の改善になります。くしゃみや目の痒みなどの炎症を抑える働きを助けます。
花粉症注射(ノイロトロピン)
花粉症の症状を抑える注射です。併用するとより効果を実感できます。
花粉症ボトックスのメリット・デメリット
メリット
- シーズン中でも効果を発揮する
- 即効性がある
- 施術時間が短い
- 痛み・ダウンタイム・副作用がほとんどない
- 他の治療法と併用できる
デメリット
- 人によって持続期間にバラつきがある
- 施術代が高い(保険適用外のため、1回1万前後が多い)
花粉症ボトックスを受けるときの注意点
受けられない人
- 妊婦の方
- 授乳中の方
- 子供を作る予定があり、避妊していない方
- 神経に関する病気がある方
- ボトックスにアレルギーのある方
効果に個人差がある
症状が緩和されて薬を飲まずに生活できるようになった方がいる一方で、症状の緩和がなかった方もいます。
まとめ
いかがでしたか。花粉症ボトックスはシーズン中でも即効性を期待でき、施術は短時間のため時間のない方や効果をすぐ実感したい人には試してみる価値があると思います。ただ、施術代が高い割に効果の持続期間が短いため、大事な用事がある前や花粉症の症状がひどくて辛い時など、ピンポイントで活用するというのが現実的かもしれません。
花粉症シーズンだからと言って、期間中ずっとメイクを我慢する必要はありません。思い切りオシャレを楽しみながら快適な花粉症シーズンを過ごすための手段として、花粉症ボトックスも候補に入れてみてはいかがでしょうか。この記事が、皆様のお役に立てることを願っております。