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PLA、PDLLA、CAHA 若返り注入療法、韓国医師が語る、バイオスティミュレーターの評価、AMWC 2024でKorean Trendの講演

カレンダー2024.12.5 フォルダー 国内

 韓国の美容医療分野において、PLA(ポリ乳酸)、PDLLA(ポリD,L-乳酸)、CAHA(カルシウムヒドロキシアパタイト)を用いた注入療法が、肌再生や若返り効果を追求する方法として、トレンドの一つとして注目を集めている。

 韓国の皮膚科医で、OZ Dermatology院長のチャングン・オー(Chang-Keun OH)氏は、2024年11月に都内で開催された「AMWC JAPAN 2024」での講演で、韓国でのこれらの技術の進化と臨床応用について説明した。

肌再生を促すPLA注入療法

AMWC JAPAN 2024講演風景。(写真/編集部)

AMWC JAPAN 2024講演風景。(写真/編集部)

  • PLA(ポリ乳酸)→ PLAの主成分である乳酸がトウモロコシ由来の素材でコラーゲン生成を促進。効果は治療後2~3カ月で現れ、最大2年間持続。
  • PDLLA(ポリD,L-乳酸)→ 均一な粒子設計で自然な仕上がりを実現し、副作用リスクを低減。
  • CAHA(カルシウムヒドロキシアパタイト)→ コラーゲン生成とリフトアップを実現。顔全体の若返り治療に活用。

 バイオスティミュレーターは、注入療法の一種で、製剤を皮下に注入して、真皮に刺激を与えてコラーゲン生成を促すなどして、肌の再生や若返りなどを目的とした治療法。

 製剤の一つ、PLA(ポリ乳酸)は、PLAの主成分である乳酸がトウモロコシ由来の生分解性素材を用いた注入療法。代表的な製品はSculptra(スカルプトラ)。この治療法は、コラーゲン生成を促進し、線維芽細胞を活性化することで、肌の弾力性を高めるスキンブースターとして知られている。治療後2~3カ月を経て効果が現れ、効果が最大2年間持続する特徴を持つ。

 オー氏は、注入法としては、真皮層に直接注入を行い、治療後の適切なマッサージが重要と指摘した。また、しこりや炎症といった副作用を防ぐために、製剤の水分量と治療間隔の調整が必須だと説明した。ただし、副作用の発生率は1%未満とされており、安全性が高いと延べた。

 もう一つの製剤、PDLLA(ポリD,L-乳酸)は、粒子が滑らかで均一であることが特徴で、シワの軽減や肌トーンの向上のために用いられる。代表的な製品はジュベルック(Juvelook)。特に真皮層への注入において自然な仕上がりを実現し、副作用のリスクを低減する。ポテンツァ(POTENZA)により、注入しながら高周波(ラジオ波、RF)を照射したり、Er:YAGレーザーを用いた針を使わない注入技術を用いたりすることで、均一な適用を可能としている。

 さらに、他の製剤であるCAHA(カルシウムヒドロキシアパタイト)は、コラーゲン生成を促進し、ボリュームアップを実現する製剤。リフトアップ効果があり、顔全体の若返り治療に用いられる。また、Er:YAGレーザー技術を組み合わせることで、針を使わずに薬剤を皮膚へ均一に送達する新しい治療方法も登場している。

効果が1年間近く持続

AMWCは世界各地で開催される。日本は2024で3回目となった。(写真/編集部)

AMWCは世界各地で開催される。日本は2024で3回目となった。(写真/編集部)

 オー氏は、これらの注入療法は、長期間にわたり持続的な効果を提供する点で評価する。治療後の効果は6~12カ月間持続し、適切なメンテナンスによって最大2年間、さらには10年以上効果が続くケースもある。一人ひとりにカスタマイズされた治療が可能であり、その自然な仕上がりは高い満足度を得ている。

 手術を伴わない安全性の高い治療法として、PLA、PDLLA、CAHAを用いた注入療法は、美容医療分野での関心が高まってきそうだ。

 一方で、ヒフコNEWSで伝えているが、バイオスティミュレーターには、炎症、感染、しこりなどの合併症が報告されている。施術を検討するときには、メリット、デメリットを理解することも重要だろう。

参考文献

ミラジェット、レーザーで針なし注入、若返りや傷跡などに有効、バイオスティミュレーターなどとの組み合わせで滑らかな肌に、AMWC JAPAN 2024で韓国チャングオン・オー氏が講演
https://biyouhifuko.com/news/japan/9827/

非吸収性フィラーの長期リスク、炎症・感染・しこりに、吸収性のヒアルロン酸やバイオスティミュレーターの合併症も拡大中、オランダの研究グループが報告
https://biyouhifuko.com/news/research/9214/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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