ヒフコNEWS 美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイト

眉間のボツリヌス療法の抗うつ効果が注目されている、単に見た目が良くなること以外にも効果?表情筋の抑制と扁桃体の働きと関連の可能性

カレンダー2025.5.30 フォルダー最新研究

  眉間のボツリヌス療法がうつ病の症状を軽くする可能性が注目されている。

 2025年5月29日、BBクリニック表参道院長の白夏林氏が、第113回日本美容外科学会スポンサードセミナーで、ボツリヌス療法の効果について講演。植物性ボツリヌストキシンについて解説する中で、ボツリヌス療法の抗うつ効果について言及した。

米国やブラジルの研究チームも報告

BBクリニック表参道院長の白夏林氏。(写真/白夏林氏)

BBクリニック表参道院長の白夏林氏。(写真/白夏林氏)

  • 研究報告→ 米国の研究グループが2022年に発表した研究では、眉間へのボツリヌス療法がうつ症状の軽減に有効であることが、RCT(ランダム化比較試験)5件の分析から示された。
  • 他の研究結果→ ブラジルの研究グループも同様に、眉間へのボツリヌス注射が精神的症状に効果を持つと報告。

 白氏の解説では海外の研究が紹介されたが、米国の研究グループが2022年に、眉間のボツリヌス療法がうつの症状を軽くする効果をもたらすことを報告した。

 これは過去の研究を改めて分析したもので、特に、信頼性の高いランダム化比較試験(RCT)5つの結果に基づいて、治療から6週間後の段階で、うつ病の指標が改善したことが示されていた。9つの試験(前向き試験)の結果では、標準偏差の1.61倍の改善ということで、改善の度合いは大きいと考えられた。

 また別の同様に複数の論文を分析したブラジルの研究グループも、眉間へのボツリヌス療法が精神的な症状に効果を示すと報告していた。

カギを握る脳の「扁桃体」との関連

ボツリヌス療法の効果は。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

ボツリヌス療法の効果は。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 表情筋と気分の関係→ ブラジルの研究では、表情筋の活動を抑制することで扁桃体の活動が減少し、気分が改善されると説明された。
  • 新たな治療選択肢の可能性→ ボツリヌス療法が見た目の改善に加えて気分改善にも効果を持つ可能性があり、副作用が少ない点から新しい治療手段として注目されている。

 学会での講演では、白氏が脳の扁桃体という、感情をつかさどっている部位と、眉間の筋肉との間の関係性が強いことから、ボツリヌス療法がうつ病の症状に効果を示す可能性があると解説した。

 ブラジルの研究グループは、表情筋の活動が低下すると、扁桃体の活動が抑えられ、気分の改善につながると説明した。

 一方で、ボツリヌス療法を眉間に受けることで、見た目が改善することによって気分が改善している可能性もある。ブラジルの研究グループは、その点は不明と指摘している。

 本当に効果が認められるならば、飲み薬のような全身への副作用が少ないと見られ、新しい選択肢になり得る。

 いずれにせよ、見た目という点ばかりではなく、気分改善という点からもボツリヌス療法への関心が高まる可能性がある。

参考文献

Crowley JS, Silverstein ML, Reghunathan M, Gosman AA. Glabellar Botulinum Toxin Injection Improves Depression Scores: A Systematic Review and Meta-Analysis. Plast Reconstr Surg. 2022 Jul 1;150(1):211e-220e. doi: 10.1097/PRS.0000000000009240. Epub 2022 May 20. PMID: 35588104.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35588104/

Costa ACF, Silva ECD, Gondim DV. Botulinum Toxin in Facial Aesthetics Affects the Emotion Process: A Meta-analysis of Randomized Controlled Trials. Clin Psychopharmacol Neurosci. 2022 Nov 30;20(4):600-608. doi: 10.9758/cpn.2022.20.4.600. PMID: 36263636; PMCID: PMC9606430.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36263636/

スキンケアの効果、見た目が3歳若返り、自己評価と性的満足度も向上、肌質改善だけではない、米国イリノイ大学の研究グループが美容皮膚科誌に報告
https://biyouhifuko.com/news/research/8463/

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

お問い合わせ

下記よりお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。