眉間のボツリヌス療法がうつ病の症状を軽くする可能性が注目されている。
2025年5月29日、BBクリニック表参道院長の白夏林氏が、第113回日本美容外科学会スポンサードセミナーで、ボツリヌス療法の効果について講演。植物性ボツリヌストキシンについて解説する中で、ボツリヌス療法の抗うつ効果について言及した。
米国やブラジルの研究チームも報告

BBクリニック表参道院長の白夏林氏。(写真/白夏林氏)
- 研究報告→ 米国の研究グループが2022年に発表した研究では、眉間へのボツリヌス療法がうつ症状の軽減に有効であることが、RCT(ランダム化比較試験)5件の分析から示された。
- 他の研究結果→ ブラジルの研究グループも同様に、眉間へのボツリヌス注射が精神的症状に効果を持つと報告。
白氏の解説では海外の研究が紹介されたが、米国の研究グループが2022年に、眉間のボツリヌス療法がうつの症状を軽くする効果をもたらすことを報告した。
これは過去の研究を改めて分析したもので、特に、信頼性の高いランダム化比較試験(RCT)5つの結果に基づいて、治療から6週間後の段階で、うつ病の指標が改善したことが示されていた。9つの試験(前向き試験)の結果では、標準偏差の1.61倍の改善ということで、改善の度合いは大きいと考えられた。
また別の同様に複数の論文を分析したブラジルの研究グループも、眉間へのボツリヌス療法が精神的な症状に効果を示すと報告していた。
カギを握る脳の「扁桃体」との関連

ボツリヌス療法の効果は。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 表情筋と気分の関係→ ブラジルの研究では、表情筋の活動を抑制することで扁桃体の活動が減少し、気分が改善されると説明された。
- 新たな治療選択肢の可能性→ ボツリヌス療法が見た目の改善に加えて気分改善にも効果を持つ可能性があり、副作用が少ない点から新しい治療手段として注目されている。
学会での講演では、白氏が脳の扁桃体という、感情をつかさどっている部位と、眉間の筋肉との間の関係性が強いことから、ボツリヌス療法がうつ病の症状に効果を示す可能性があると解説した。
ブラジルの研究グループは、表情筋の活動が低下すると、扁桃体の活動が抑えられ、気分の改善につながると説明した。
一方で、ボツリヌス療法を眉間に受けることで、見た目が改善することによって気分が改善している可能性もある。ブラジルの研究グループは、その点は不明と指摘している。
本当に効果が認められるならば、飲み薬のような全身への副作用が少ないと見られ、新しい選択肢になり得る。
いずれにせよ、見た目という点ばかりではなく、気分改善という点からもボツリヌス療法への関心が高まる可能性がある。
