ヒフコNEWSで伝えたように、韓国のメーカー、ワイ・ジェイコブスメディカルが、糸リフトの模造品が使われたとして品川美容外科を訴えた裁判では、品川美容外科が特許侵害などを認定され敗訴した。69億円を超える損害賠償が明示されたが、品川美容外科は判決を不服として控訴したことを、ヒフコNEWSへの回答書面で明らかにした。
今後、裁判が継続する見込みだが、その製品が使われたかどうかによらず、関連した期間に施術を受けた人が説明を求めたときには情報を提供することは必要だろう。
品川美容外科は一切使用していないと主張

品川美容外科が、韓国で開発された糸リフトの縫合糸とキットを不正に模造して使用していたとして製造元から訴えられ敗訴した。(出典/東京地方裁判所)
今回の裁判で争われているのは、2013年頃から、ワイ・ジェイコブスメディカルが特許を持つ糸リフト用の縫合糸とキット(以下、縫合糸製品)の模造品が製造されたのか、また輸入されたのか、さらに使われたかどうかなどの点だ。
裁判が続く見通しとなった一方で、2013年頃から糸リフトの施術を品川美容外科で受けた人はおり、そうした人にとっては自身の施術内容が裁判に関連する可能性があるため、実際のところが気になるのは当然だろう。
ワイ・ジェイコブスメディカルが特許を持つ縫合糸製品が使用されていたかどうかにかかわらず、施術を受けた人が説明を求めた場合には、どのような経緯があったのか、どのような製品が使われたのかについて情報を提供し、不安の解消に努めることは、裁判以前に当然だ。
吸収糸であるなど現物の入手は困難

体内に挿入された糸は吸収性であり現物の入手は難しい。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
この裁判は、今後も審理が続く可能性がある。
裁判の事案概要には、次のように記載されている。
「被告製品は一般に販売されておらず、また美容整形施術時に皮膚の内部に挿入して使用され、時間の経過により生体内で吸収される製品であるため、現物を入手することが困難であるという特殊性がある」
ヒフコNEWSに寄せられたコメントによると、品川美容外科は、裁判で問題となった製品を一切使っていないと主張している。
東京地方裁判所では、ワイ・ジェイコブスメディカルの特許を持つ縫合糸製品の模造品が輸入使用されたなどと認定したが、今後、使用の有無や経緯をどのように検討していくのかが引き続き検討課題となるだろう。
繰り返しになるが、裁判のこれからの展開は見えない中でも、施術を担った医療機関としては、利用者への説明責任を果たすことが重要だ。
