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透明感パウダーとマットリップが拡大、2025年メイク最新動向、キーリングコスメや小顔見せオーバーリップなど多彩なスタイルが人気、富士経済が分析、フェイスパウダー12.7%増・リップカラー8.0%増

カレンダー2025.8.9 フォルダー 国内
コスメが本格的に回復。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

コスメが本格的に回復。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 メイクアップ化粧品やフレグランスが、人気回復の兆しを見せている。

 総合マーケティング企業の富士経済は、2025年の国内売れ行きの見通しをまとめ、注目の品目としてフェイスパウダーとリップカラーの伸びを報告した。

 仕上がりの美しさを重視するメイクの流行や、韓国ブランドの人気、訪日客の需要回復が売れ行きを後押ししており、今後の拡大が見込まれている。

透明感と立体感が鍵

フェイスパウダーが人気。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

フェイスパウダーが人気。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • フェイスパウダー人気→肌の明るさや透明感を重視する傾向から、ブルーやパープルなどのカラーパウダーやパール配合品が注目。2025年は前年比12.7%増の292億円見込み。
  • チークカラーの成長→2023・2024年に2年連続で15%以上成長。リップ兼用のコンパクト品や韓国発「キーリングコスメ」も需要を後押し。
  • リップメイクの回復→マスク生活で低迷後、2023年以降に急回復。2025年は前年比8.0%増の962億円予測。オーバーリップ、うさぎ舌リップ、ヌードカラーなど多彩なトレンドが登場。

 ベースメイクでは、肌に明るさや透明感を与える仕上がりが重視される傾向が強まり、フェイスパウダー(カラーパウダー)の人気が高まっている。

※富士経済では、フェイスパウダーは、ベースメイクに含まれるフェイスパウダーの中でも、元の肌の色に近い色以外で、ハイライトも含むと定義している。肌の色のパウダーはファンデーションの仕上げであるのに対して、肌に明るさや透明感を加える。

 富士経済によれば、カラーパウダーやハイライトを含むフェイスパウダーの売れ行きは、2025年に前年比12.7%増の292億円となる見通し。

 青みがかったブルーやパープルの色味が人気で、パールを配合した製品なども注目されている。つややかさを演出するアイテムとして広がりを見せている。

 一方、チークカラーも好調だ。2023年・2024年と2年続けて15%以上の成長を遂げ、フェイスパウダーと並ぶ存在感を示している。肌に立体感を与えるメイクが人気を集めた。ミニバッグの流行などで、持ち物を減らせるアイテムへの関心が高まっており、コンパクトでリップカラーとしても使えるチークカラーの需要も後押しとなった。韓国ブランド発のトレンド「キーリングコスメ(バッグチャームなどとして使用できる化粧品)」の投入も活発で、人気を集めると見られている。

 マスク着用が日常化したことで一時低迷していたリップメイクは、2023年以降、色味や質感を楽しむ流れが戻り、急速な回復を見せている。

 2025年のリップカラーは前年比8.0%増の962億円が見込まれており、今後も伸びが続くと予想される。

 2024年には小顔効果を狙う「オーバーリップメイク」が人気。春夏は「うさぎ舌リップ」、秋冬には「ヌードカラー」といったトレンドが生まれた。唇を印象づけるスタイルが注目を集め、リップライナーやリッププランパーといった追加アイテムの購入が増えた。

 さらに、2025年には「マットリップ」といった新たな質感の流行も広がりを見せている。

 保湿力を持ちながらもマットな仕上がりを実現した製品は、SNSを通じて話題となり、敏感な消費者層から一般層へと人気が広がっている。機能性と見た目の美しさを両立する製品が、今後の市場成長を支える鍵となる。

 フレグランスの売り上げも伸びが続いている。低価格のブランドやボディスプレーなどがある中で、単価1万円以上のアイテムが人気だ。2025年は前年よりも6.6%伸びて613億円になるという。

リップメイクに多彩な流行

新しいトレンドも。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

新しいトレンドも。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 2023年→コロナ後の外出増でメイク需要回復。ロングラスティングやつや感重視のベースメイク、色味重視のリップが人気に。
  • 2024年→つや・透明感・立体感など肌質感づくりが注目され、フェイスパウダーやチークカラーの需要が拡大。
  • 2025年見通し→フェイスパウダー・チーク・リップなどパーツ別トレンドが質感や使い方の進化とともに成長。

 富士経済のトレンド分析はヒフコNEWSで、過去2年間も伝えている。

 同記事を振り返ると2023年は、コロナによる行動制限が解かれたことで外出の機会が増え、メイクアップ化粧品が明確な回復を見せた年だった。中でも、ロングラスティング効果やつや感を重視するベースメイク、色味にこだわるリップカラーなど、仕上がりへの関心が高まったことが人気を押し上げた。

 2024年はその流れを引き継ぎつつ、つやと透明感、立体感といった肌の質感づくりに注目が集まり、フェイスパウダーやチークカラーの需要が伸長。

 今回の2025年見通しでは、フェイスパウダー、チークカラー、リップカラーといったパーツごとのトレンドが、質感や使い方の工夫を伴いながらそれぞれ進化を続けていることが示された。

 SNSなどを通じて流行がすばやく共有される時代にあって、高価格帯から手頃な価格帯まで幅広い層に支持される商品が人気を集めている。

 メイクアップを楽しむ消費者が増える中、今後も「肌をどう見せるか」に重きを置いたトレンドは続くと考えられる。日本国内においても、韓国ブランドや訪日客の影響を受けつつ、質感と機能を両立させた製品を軸にした競争がさらに活発化していくだろう。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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