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「やせすぎ女性」の腸内環境に異変 食事は同じでも多様性低下、炎症に関連する腸内細菌が美容にもマイナスか、藤田医科大が研究報告

カレンダー2025.11.15 フォルダー最新研究
体重と美容の関連は。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

体重と美容の関連は。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 20〜30代女性の「やせすぎ」が腸内細菌叢の多様性を低下させたり、体内の炎症傾向の強まりにつながったりする可能性が明らかになった。

 これは藤田医科大学が2025年11月に報告している。

※炎症とは、赤みや痛みなどの症状を引き起こす、免疫細胞による過剰な反応のこと。老化や疾患リスクを高める要因としても注目されている。

低体重と正常体重の女性の食事や腸内環境を比べた

体重と腸内環境の関連を調べる。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

体重と腸内環境の関連を調べる。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 対象者 → 20〜39歳の女性80人を対象に実施。
  • 方法 → BMIに基づき「低体重群」と「正常体重群」に分け、腸内細菌叢と食事内容を比較。
  • 評価項目 → 腸内細菌のほか、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品・果物・海藻・芋・油脂類など10カテゴリーの食事スコアを分析。

 美容医療において、体重は密接に関係する重要な要素だ。生活習慣が乱れ、体に過剰な脂肪がつくと、美容面に悪影響が出てしまう。逆に、体重が減りすぎても、不健康な印象につながりかねない。肥満は病気として認識されるようになり、その治療のための薬が登場しているが、低体重についても、最近では、女性の低体重が「女性の低体重/低栄養症候群=FUS(Female Underweight/Undernutrition Syndrome)」という病気として認識されるようにもなっている。

 一方で、腸内細菌は、胃腸にとどまらず全身の健康にも影響を与えることが分かっている。腸活という言葉がはやったこともあったが、最近では、良い微生物を食べるプロバイオティクスなどは定着していると考えられる。これは美容にもつながり、例えば、腸内環境と肌状態の関連が注目されている。

 今回の研究は、低体重と腸内細菌が関連していることを示す研究結果となる。藤田医科大学とシンバイオシス・ソリューションズが共同研究を行った。

 研究では、20〜39歳の女性80人を対象に、BMIに基づいて低体重と正常体重の2つのグループに分け、食事内容と腸内細菌叢の特徴が比べられた。食事パターンは、食品10カテゴリー(肉、魚、卵、大豆製品、乳製品、果物、海藻、芋、油脂類)のスコアが比較された。

腸内細菌叢の違いが体重の違いと関連

腸内環境を整えることも重要。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

腸内環境を整えることも重要。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 主な発見 → 低体重群と正常体重群の間で、摂取カロリーや食事の多様性に大きな差は見られなかった。
  • 大きな違い → 腸内細菌叢(マイクロバイオーム)の構成に顕著な差が確認された。
  • 健康・美容への示唆 → 低体重は月経不順や不妊に加え、腸内環境の悪化を通じて肌トラブル(赤み・ニキビなど)を引き起こす可能性がある。

 このような比較から分かったこととして、意外なことに、低体重の女性と、正常体重の女性の間に、摂取カロリー、食事の多様性に差がなかった。

 見た目の食事量や偏食の有無だけで、低体重かどうかが決まっているわけではないということだ。

 結果的に、両群で大きな違いが見られたのは、腸内細菌叢の構成だった。

 具体的には、低体重女性では腸内細菌叢の多様性が低く、正常体重の女性と比べて炎症に関わる菌が多く確認された。

 バクテロイデス、エンテロクロスター、エリシペラトクロストリジウムなどが当てはまる。これは腸内環境における炎症傾向の高まりを示す。

 一方で、正常体重の女性では、フシカテニバクター、ドレア、プレボテラなど整腸作用に関連するとされる菌が目立っていた。

 低体重は月経不順や不妊などとの関係が指摘されているが、腸内環境とも関連する可能性がある。腸内環境は肌と関連し、炎症が起こりやすくなれば、赤みやニキビなどのトラブルにつながる可能性がある。

 体重を減らすことがダイエットの観点から関心を持たれることは多いが、それによって腸内環境が乱れれば問題だ。結果的に、肌トラブルが悪化すれば、美容の目的とは逆効果となってしまう。美容と体重管理を考える際には、見た目だけでなく、腸内環境をはじめとする体内のバランスにも目を向けることが重要だ。

参考文献

20代・30代の低体重女性では腸内細菌叢の多様性が低く、 炎症に関係する菌が多いことが明らかに
https://www.fujita-hu.ac.jp/news/vsfo8q000000lgag.html

腸内細菌を育てて太りにくく? 日本発プレバイオティクスが注目、「水溶性酢酸セルロース」が糖吸収抑え、短鎖脂肪酸の働きに着目、理化学研究所とダイセルが報告
https://biyouhifuko.com/news/research/13583/

甘いものが好きな人の肥満を防ぐ腸内細菌を発見、ストレプトコッカス・サリバリウスが糖を変換、京都大学と東京農工大学の研究グループが報告
https://biyouhifuko.com/news/research/11200/

若年女性の「やせすぎ」は病気、日本肥満学会が新たに「FUS」提唱、低体重や低栄養がもたらす月経異常や貧血などを症候群として定義、「痩せ=美」の圧力、健康問題に対策迫られる
https://biyouhifuko.com/news/japan/13005/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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