
市場が拡大している。(出典/富士経済)
サプリメント市場では、美容分野への注目が高まっている。コラーゲンパウダーやヒアルロン酸など、美容関連サプリの人気が目立っている。
富士経済が2025年11月、サプリメント市場の調査結果について報告した。
それでも「美容」は強い
- 腸内環境の改善が確認 → 成分を摂取したマウスでは、ファーミキューテスとバクテロイデスのバランスが正常化し、腸内細菌叢が整う傾向が見られた。
- 腸‐皮膚相関の関与 → 腸内環境の改善が免疫や炎症を介して皮膚に良い影響を与える「腸‐皮膚相関」のメカニズムが働いた可能性。
- 今後の応用可能性 → 動物実験の段階ながら、セラミドやフラボノイドなどを「内側から整える」アプローチがスキンケアや美容医療の新しい方向として注目されつつある。

摂取しているサプリは美容に役立つ?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)
富士経済では、過去のデータと共に、2024年から2026年にかけての状況を説明している。同社によれば、2025年のサプリメント市場は前年から0.4%増の1兆876億円となる見通し。
サプリメントは2024年に紅麹関連のサプリメントによる健康被害の報道が関心を集め、全体的に販売動向も悪化していた。
富士経済によれば、2025年に入ってインバウンド需要が高まったことで回復基調にある。
一方で、生活習慣病予防関連は伸び悩んでおり、ダイエットのサプリメントは、問題が指摘される「医療ダイエット」に注目が集まり、購入者が離れている可能性がある。
そうした中で目立つのが「美容効果」をうたったサプリメントで、塗る化粧品だけでなく、内側からのケアを求める動きが若い層を中心に強まっている。
美容効果をうたうサプリとしては、コラーゲン、プラセンタ、ヒアルロン酸などを中心に飲む美容という形で関心を集めている。2024年はコラーゲンパウダーが「飲み物や料理に溶かす」取り入れやすさで好調だった。2025年もコラーゲンパウダーの好調が続く。
ヒアルロン酸は「肌の水分保持」などを示した機能性表示食品の比率が高く、2025年は全身の乾燥対策をうたうなどして人気になっている。
さらに比較的若い層でビタミンCを配合した商品が注目され、市場拡大が続くと見られている。リポソーム化など「吸収」に着目した化粧品トレンドがビタミンCの注目を押し上げ、サプリでも新商品投入が活発化しているとされた。
安全性が高まり、安心につながる可能性
- スポーツ系サプリが堅調 → プロテインやアミノ酸を中心に、EAAなど「プロテイン+α」成分への関心が拡大。筋トレ・ボディメイクの一般化で一般層にも利用が広がる。
- 安全性・品質の強化 → 2024年の健康被害報告を受け、機能性表示食品制度や品質管理の見直しが進行。企業には医薬品並みの管理体制が求められている。
- 今後の市場の方向性 → 「信頼性」と「目的の明確さ」で選ばれる時代に。美容やスポーツなど、目的に合わせたサプリが今後さらに注目される見通し。

サプリメントの人気高まる。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
美容分野と並んで堅調なのが、プロテインやアミノ酸を中心としたスポーツサポートサプリ。筋トレやボディメイクの一般化で、アスリート層に限らず、健康維持や体型管理を目的とした利用が広がっている。昨年紹介しているが、EAAなど「プロテイン+α」の成分への関心も高いとされる。
安全性の課題を解決しようとする規制強化や企業側の取り組みが進んでおり、それは安心につながる可能性がある。
2024年に報告された健康被害は、サプリ市場全体の信頼性に影を落とした。その後、機能性表示食品を含む制度の見直しや、品質管理の厳格化が進められた。企業側には医薬品に近いレベルの管理体制が求められている。
今後のサプリ市場は「信頼性」と「目的の明確さ」で選ばれる段階に入っている。美容やスポーツといった分かりやすいニーズに応えつつ、今後サプリメントは一層注目される可能性がある。
