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あけましておめでとうございます 美容医療は世界同時規制強化の一年に まずは2026年4月に日本国内で動き 2026年の年初に美容医療を考える【編集長コラム】 

 あけましておめでとうございます。

 2026年は、美容医療の規制強化が世界同時進行で起こると見ている。日本では医療法等の改正によりその影響が出てくると考えられる。その動きは現時点では実感できないが、静かに美容医療の受け方に変化が見られると予想する。欧米やアジアでも動きがありそうだ。

4月から変わる

2026年の年初に。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

2026年の年初に。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 2026年4月からは、法改正の影響で、オンライン診療の制度が明確化される。

 オンライン診療はこれまでは医療法上の明確な位置付けがなかったが、法律でそれが定められた。

 美容医療に関連したオンライン診療は一般的に行われている。特に、薬の処方が代表だろう。法改正により、これまでより運用のルールが厳しくなり、薬の受け取り方には変化が現れると考える。

 従来、メッセージアプリやメールなどで情報をやり取りしていたケースもあると見られる。これが変わる。厚生労働省の通知を参考にすると「リアルタイム」のやり取りがあるかどうかが重視される。オンラインだからといって、単に情報を送るだけという対応はオンライン診療と見なされない可能性が高い。診察を伴う治療という点で問題になり得る。すべてのオンライン対応について、「診療としての実態があるかどうか」がより厳密に問われることになる。

 同じ4月には外来医師が過多な地域で、新たに無床のクリニックを開設する際に事前届出が必要になる。届出内容に不備がある場合には、助言や協議が行われることが想定されている。これは美容クリニックへの影響は現時点では不透明だが、基本的に、美容クリニックの増加ペースには何らかの影響があると予想される。

 2026年10月には、地域医療構想の見直しに伴い、医療機関の機能報告制度が始まる。一般的な病院などの機能を報告する必要が出てくる。これは美容クリニックにとって直接の規制対象にはならない可能性が高いが、医療機関全体に機能を定める機運が高まることで、美容医療の機能にも関心が高まることは考えられる。

 一方で、美容医療を行う医療機関でも、改正医療法の公布後2年以内(2025年12月の公布から数えると最長で2027年12月まで)に定期報告義務が課されることになっている。タイミングは2026年中かどうかは分からないが、2025年11月に厚生労働省が定期報告の項目を検討するための調査を開始した。その情報を受けて定期報告の内容が固まる。これは美容クリニックに大きな影響を及ぼす可能性が高い。

 定期報告されるようになれば、美容クリニックの情報公開に対する態度は一変すると考えられる。これは情報を出すだけではなく、当然、より良い運営をしようという努力を促すことになると考えられる。美容医療を受ける立場から見ても、制度変更による変化を実感する場面が増える可能性がある。

欧州で医療機器に動き

EU(欧州連合)に動き。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

EU(欧州連合)に動き。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 2026年5月に、欧州では医療機器の登録制度が義務化される。これで、美容関連の医療機器も含めて欧州では、公的なデータベースへの登録が欠かせなくなる。

 欧州では、市販に必要な適合性評価(conformity assessment)を行い、要求される事項を満たした製品にCEマーキングを表示する仕組みがある。美容医療機器も、用途や分類によってはこの仕組みの対象になる。一方で、それらの製品が更新されたかどうかなど、流通の実態についてのデータを確認することが難しかった。

 それが、「EUDAMED(European Database on Medical Devices)」と呼ばれるデータベースにより確認が容易になる。その登録がまず4項目について義務付けられる。

 今後は、レーザー機器、高周波(RF)、超音波機器などが登録対象になると考えられ、美容医療機器の実態を理解しやすくなり、リスクや情報提供などへの要求が高まることになると予想される。美容医療機器にトラブルが起きていないかなど評価が行いやすくなる。

 欧州での制度が整うことは、間接的に日本の美容医療機器の規制にも影響する可能性がある。

 日本の美容関連の医療機器は未承認機器も多く使用されている。これは海外とは異なる状況とされる。一方で、美容医療でのトラブルが継続的に起きているとされる。その使用実態をより詳しく把握できるようにすることは、安全に美容医療を受けるために意味があることだ。海外で進められている制度が良いならば、海外で公的な承認制度や登録制度が整う中、なぜ日本では未承認の機器が事実上、野放しで使用できているのかが、改めて問題視されやすくなる。国によって制度が異なるのは珍しいことではないが、それが合理的であれば、新しい動きが出てくる可能性はある。

 2026年は、英国でも、非外科的施術のライセンス制度導入に向けた動きが進む可能性がある。ただし、この時期はいまだ不明。ヒフコNEWSで伝えているように、英国では医療従事者以外も非外科的施術を行うことができる。その状況に変化があるのか注目される。

 米国、オーストラリア、アジアなどでも美容医療の課題は共通しており、規制強化が一斉に進むことも考えられる。ヒフコNEWSは世界の動きに注目する。

 これらとは別に、筆者は、トレーサビリティのような、誰から採取した細胞であるかを登録して、誰でも確認できる制度があってもよいように考えている。再生医療が進歩しているほか、人から採取した細胞を活用するケースが出ている。その安全や安心のために、食品などで当然のように運用されている仕組みが、体に注入する医療で存在しないことに違和感を感じるためだ。

 今は当たり前と受け止められている美容医療関連の制度は、10年後に振り返ると、違和感をもって受け止められるようになる可能性もあるようにとらえている。改善を続けることが重要だろう。

参考文献

改正医療法が順次施行 美容医療の監視と情報公開が制度化へ 美容クリニックは安全管理体制の報告必要に 医師偏在解消へ開業規制も導入、オンライン診療が法律で位置付け
https://biyouhifuko.com/news/japan/15832/

英国政府が美容医療の安全強化、無資格施術の排除へ動く、リスクの高い施術は医療従事者のみ、未成年者への施術は厳しく制限
https://biyouhifuko.com/news/world/14051/

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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