
米を原料にしたスキンケア。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
ロート製薬は2026年1月7日、タイを拠点とする「THANN Oryza(タン オリザ)」の株式を取得し、子会社化すると発表した。
スキンケアや医薬品にとどまらず、サービスも組み合わせる美容の仕組みが発展していく。
アジア発の自然派のブランド

スパ施設。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- THANNの概要→THANN Oryzaは2003年にタイ・バンコクで設立され、米やシソなど植物由来原料を使ったスキンケアで知られるブランド。
- スパ・ウェルネス事業→スキンケアに加えてスパ・ウェルネス事業も行っている。
- ロート製薬側の狙い→THANNの取得により、ロート製薬はオーガニック・自然派スキンケア領域を強化できるほか、化粧品とスパ・体験型サービスを組み合わせた事業展開への足がかりになる可能性がある。
THANN Oryzaは2003年にタイのバンコクで設立された企業。名前にあるThannはタイ語の植物や穀物を意味する言葉に由来し、オリザも稲の学名。THANNは米やシソなどの植物を原料にしたスキンケア化粧品をラインナップするブランドとして知られる。タイ国内および日本を含む海外14カ国で店舗を展開する。
スキンケア製品だけではなく、スパやウェルネス分野のサービスも手掛けているのも特徴だ。タイ、香港、日本で合計16店舗のスパ施設を運営する。
ロート製薬にとっては、オーガニックや自然派と呼ばれるスキンケアの分野を強化することにつながる。同社のスキンケアラインナップを見ると、麹肌という製品があるが、この方向に近いように見える。
また同社がスパ施設のようなサービスの分野を広げていくきっかけになる可能性もある。化粧品を扱う会社が、単に製品作りだけではなく、製品を提供する場の作り込みにも関わる動きが広がっていく可能性もある。
ロート製薬は取締役会決議を経て、子会社を通じてTHANNの発行済み株式の51%を取得する契約を締結。株式譲渡の実行は2026年3月末を予定している。取得価額は非開示だが、連結業績への影響は軽微とされている。
韓国にも急成長する自然派ブランド

自然派・オーガニック化粧品の国内市場規模推移と予測。(出典/矢野経済研究所)
- 市場環境→オーガニック・自然派化粧品市場は拡大を続け、日本国内では2025年度に約1880億円規模と推定されている。海外では欧米ブランドに加え、アジア発の急成長ブランドも存在感を高めている。
- ブランド潮流→Beauty of Joseonのように、米やハチミツなど自然素材を前面に出すブランドが支持を集め、植物原料を軸にするTHANN Oryzaと方向性が重なる。
- 美容医療への示唆→美容はスキンケアにとどまらず、ウェルネスや「場づくり」へ広がっている。ロート製薬によるTHANN Oryza子会社化は、美容医療が身体だけでなく心の快適さにも目を向ける可能性を示す動きといえる。
オーガニックや自然派の化粧品は年々拡大し、矢野経済研究所調べによれば、日本国内では2025年度に1880億円と推定されている。
海外では、ロクシタン、ザ・ボディーショップ、イソップ、クラランス、ヴェレダなどが有力だが、アジアからもBeauty of Joseonのような急成長ブランドが頭角を現している。Beauty of Joseonは、米やハチミツなどの自然素材を前面に出している点でTHANN Oryzaと近い。
こうした動きは、化粧品やスキンケアに関連した動きではあるものの、美容医療との接点を考えることもできる。
美容のカテゴリーは、美しさだけではなく、過ごしやすさを改善していく、場を作るなどのウェルネスの観点からも発展している。スパ施設などは既に多数存在するが、大きな企業が新たに加わることから見ると、そこに依然として大きな余地があると考えられる。美容医療が、外科、皮膚科、内科などと広がりを見せる中で、心の平安にも着目する動きが出てくる可能性もある。ロート製薬のTHANN Oryza子会社化は、美容クリニックの方向性を考える上でもヒントを与えてくれる。
参考文献
タイを拠点とするウェルネス関連企業 Thann Oryza Co., Ltd. の 株式取得(子会社化)について
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS09061/b3baebd1/e7b8/433b/971b/0873e4117743/140120260107529928.pdf
自然派、オーガニック化粧品 エイジングケアや美白など機能性も重視される傾向に、市場1835億円に拡大と推定、人気続く 矢野経済研究所が報告
https://biyouhifuko.com/news/japan/15643/
