
美容医療の返金トラブルが問題に。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)
美容医療をめぐる返金トラブルについてはヒフコNEWSでたびたび伝えてきた。
国民生活センターは2026年1月、医療脱毛の解約を巡るトラブル後に和解に至ったケースを公表した。
麻酔クリームをきっかけに解約申出

脱毛。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 契約時説明→麻酔クリームは全身使用可、転院可能と説明され、約30万円の脱毛契約を締結。
- 実際の運用→予約が数カ月取れない状態が続き、転院先では麻酔使用に部位制限があると判明。
- 紛争化→説明相違を理由に解約・返金を求めるも拒否され、ADR(裁判外紛争解決)に発展。
国民生活センターには「紛争解決委員会」が設けられており、裁判ではなく、話し合いによる解決を目指す「ADR(裁判外紛争解決手続)」を行っている。
センターは、その中から社会的に参考となる事例を定期的に公表している。今回の医療脱毛トラブルもその一例だ。
国民生活センターの公表書面によれば、事案では、紛争解決の申請者(以下、Aさんと呼ぶ)が過去に他院(仮にB院とする)で2021年頃にレーザー脱毛を受けた際、強い痛みや効果への不満から、別のクリニックを探すところから始まる。
2023年11月、Aさんは今回トラブルとなったクリニック(以下、C院とする)を知り、ここで無料カウンセリングを受けることにした。
この際に、全身、顔、VIOの脱毛を希望していること、痛みに弱いことを伝えた上で、5回プランの場合には、追加費用なしで麻酔クリームを使用できると説明を受けた。
国民生活センターの書面によれば、Aさんは麻酔クリームを全身に使用できると説明を受けたという。Aさんは、痛みへの不安が少ない点を決め手に、5回コース約30万円の契約を結んだ。AさんはC院に引っ越し予定についても相談し、転院可能との説明を受けていたという。
しかし、実際に施術を始めると、契約から2日後に初回の施術を受けて、次回の予約をしようとすると3カ月空きがないと言われる。
その後、2024年6月と9月に施術を受けたが、同様にすぐには予約が取れなかった。
12月、4回目の施術の予約をしていたが、体調不良のためキャンセル。
2025年2月、予約のため電話をしたが、やはり3カ月空きがないと伝えられた。
その後、引っ越しをして、転院先の医院へ連絡したところ、今度は、麻酔クリームは一度に全身へ使用できず、部位ごとに制限があると説明された。
ここでAさんは、契約時の説明と異なるとして解約と未施術分の返金を求めたが、C院側は当初、「役務提供期間が終了しているため、通常は返金の対象にならない」と説明した。
Aさんは消費生活センターに相談したものの、話し合いはまとまらず、ADRの申立てに至った。
※役務提供期間とは、契約で定められた施術を受けられる期間のこと。一定期間が経過すると、未施術分があっても原則として返金の対象外とされる場合がある。
不安点の事前確認は欠かせない

脱毛。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 医院側の説明→麻酔使用は安全性と製薬会社ガイドラインを優先し判断していると説明。
- 解決内容→説明不足を認め、未施術分2回の返金で書面和解が成立。
- 事前確認→契約時の説明が曖昧だとトラブルに発展しやすく、事前確認が重要。
ADRの手続きにおいて、C院は「麻酔クリームの使用は安全性を最優先し、製薬会社のガイドラインに基づいて判断している」と説明した。
その上で、説明不足があった点を認め、Aさんに不安を与えたことへの配慮として、未施術分2回分の返金に応じる姿勢を示した。
Aさんもこの提案を受け入れ、期日を設けず書面のやり取りのみで和解が成立した。
このように契約のやり取りで曖昧な部分があると、後々トラブルに発展する可能性がある。
不安点については、施術を受ける側とクリニック側が十分に確認をしておく必要がある。
参考文献
国民生活センターADRの実施状況と結果概要について(令和7年度第3回)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260114_3.html
医療脱毛クリニック突然閉鎖、医療ローン返金不可に、美容医療の落とし穴、お金が返ってこない問題の内情とは、国民生活センターがトラブル詳細を公表
https://biyouhifuko.com/news/japan/8287/
美容医療の契約トラブルが急増、2024年度の傾向明らかに、無料カウンセリング後の高額契約が問題の一つ、国民生活センターが情報公表
https://biyouhifuko.com/news/japan/13983/
