2022年、日本からの韓国メディカルツーリズムが5.6倍、コロナから急回復
ポイント
- 日本から韓国への医療ツーリズム渡航者数は2022年に前年比5.6倍に増加
- コロナの規制解除後、韓国への医療利用者が大幅に回復している
- 韓国へのメディカルツーリズムがコロナ前の水準になっている国も多い
2023年6月29日に、韓国政府系の韓国保健産業振興院(KHIDI)が発表した報告書によると、メディカルツーリズムのために日本から韓国に訪れる日本人は、2022年に前年の5.6倍に増加していたことが分かった。コロナの規制緩和後に、急速に韓国への渡航者が回復しているようだ。
シンガポールと日本からの利用が急増
ヒフコNEWSで伝えているように、韓国で医療を受けるために渡航する人は19年に49万7000人と過去最高を記録したが、コロナ流行の影響で20年と21年は大幅に減少し、それぞれ12万人、14万6000人に落ち込んだ。しかし、コロナの規制緩和に伴って、22年にはコロナ前の50%の24万8000人まで回復した。
このようなメディカルツーリズムの人気もあり、この5月、韓国政府はメディカルツーリズムのために韓国を訪れる外国人医療利用者を27年までに70万人に伸ばすという計画を打ち出した。また、同じ5月に韓国保健産業振興院は、日本人を含めた外国人の医療利用者の実態調査を報告。その中で、日本人の特徴として、「診療所の外来を受診」「手術以外の治療を受けている」などと説明していた。韓国は渡航元の国ごとにきめ細かく対応していこうと力を注いでいることがうかがえる。
そうした中で、今回、韓国保健産業振興院は、韓国へのメディカルツーリズム利用者の国籍別の動向を新たに報告した。
その最新のデータによると、22年に訪韓した外国人医療利用者を国別に見ると、米国が17.8%と最も多く、次いで中国(17.8%)、日本(8.8%)、タイ(8.2%)、ベトナム(5.9%)の順番で多いことが明らかにされた。
中でも、シンガポールからは前年比6.2倍、日本からは5.6倍、タイは144.1%、フィリピンは136.9%、シンガポールは127.0%となっていた。タイ、フィリピン、シンガポールはコロナ前の水準を既に上回った。中国からの渡航者の回復が遅れていることなどから、全体としてはコロナ前の50%にとどまっている。
国際的に注目される一方で注意も
韓国へのメディカルツーリズム全体の4分の1以上が美容医療関連であるようだ。内科が22.3%、美容外科が15.8%、皮膚科が12.3%、検査が6.6%、整形外科が3.9%などとなっている。美容外科と皮膚科を合わせると約28%を占め、これらは美容医療との関連が深いとみられる。また、内科などでも美容医療に関連する治療が行われている可能性もあるので、美容医療関連は多くの診療科がある中でも美容医療を目当てに韓国を訪れている人は少なくないと予想される。
メディカルツーリズムは韓国を含め世界的に注目されており、今後も医療利用者は増えていくことが予想される。しかし、ヒフコNEWSでも報じられているように、海外で医療を受けると合併症や後遺症が残ることもありリスクもある。帰国後にそのような不測の事態が起きたときの対応が難航する可能性もある。利用を検討する上では、国内で事前に医療機関に相談したり、念入りに情報収集したりする事前準備は重要になる。
参考文献
다시 한국을 찾는 외국인환자, 강한 회복세
https://www.khidi.or.kr/board/view
韓国政府がメディカルツーリズムのブーム後押し、2027年に70万人の計画発表、美容医療などハブ目指す
https://biyouhifuko.com/news/world/2206/
コロナ・パンデミックが世界の美容を変えた、その背景に韓国美容のトレンド
https://biyouhifuko.com/news/world/147/
美容整形を海外で受ける前に知っておきたいこと、米国の研究から学ぶ潜在的なリスク
https://biyouhifuko.com/news/world/1261/
韓国のメディカルツーリズムが急回復、2022年にはコロナ前の50%に
https://biyouhifuko.com/news/world/1391/
日本人は韓国でどんな医療を受けている?満足点トップ3および不満点ワースト3とは
https://biyouhifuko.com/news/world/1658/
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