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美肌を守るために知っておきたい、スギ花粉と肌トラブルの因果関係

カレンダー2023.10.22 フォルダー最新研究

ポイント

  • スギ花粉の内部にあるタンパク質の一種が肌トラブルを起こす可能性が考えられている
  • 内部に存在しているタンパク質Cryj2の影響を確かめた結果、バリア機能低下などを確認
  • 花粉の季節には、咳やくしゃみ、鼻水だけではなく、肌トラブルにも要注意
花粉は肌にも影響。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

花粉は肌にも影響。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 スギ花粉が湿気などで破れた場合に、中から出てくるタンパク質が肌トラブルを引き起こすことがあるようだ。富士フイルムが2023年10月19日に報告している。

肌に影響を与えるタンパク質

花粉が破裂してCryJ2が出てくる。(出典/富士フイルム)

花粉が破裂してCryJ2が出てくる。(出典/富士フイルム)

 スギ花粉は、くしゃみや鼻水のアレルギー症状を引き起こすと共に、かゆみや赤みなどの肌トラブルの原因にもなると知られている。

 スギ花粉には、外側に「Cryj1(クリジェイワン)」、内部に「Cryj2(クリジェイツー)」というタンパク質がそれぞれ含まれていると知られている。外側にあるCryj1が肌トラブルを起こすことが知られている一方で、Cryj2についてはよく分かっていなかった。

 そこで富士フイルムの研究グループは、花粉が破れて出てくるCryj2に注目して、肌トラブルの原因になるかを確かめた。

 研究グループでは、スギ花粉の粒子を水分と接触させて破裂させて、Cryj2を目で見えるようにすることに成功。その上で、Cryj2が皮膚のバリア機能、シミやくすみにどのように影響するかを調べた。

※バリア機能に関連する遺伝子のINVと、シミやくすりに関連するSCFを分析している。

スギ花粉が肌トラブルを悪化させる要因に

花粉の中にあるCryj2の影響で肌のバリアに関連するINV遺伝子が減っていく。(出典/富士フイルム)

花粉の中にあるCryj2の影響で肌のバリアに関連するINV遺伝子が減っていく。(出典/富士フイルム)

 こうして確認されたのは、スギ花粉から出てきたCryj2によって、肌のバリア機能が低下して、シミやくすみの原因にもなり得ること。

※具体的には、バリア機能に関連するINV遺伝子が約3割低下し、SCF遺伝子が約2倍に増加した。

 富士フイルムでは、こうしたスギ花粉の影響を抑えるものとして生薬の「マグワ根皮エキス」の影響も調べており、この影響によりバリア機能低下やシミやくすみ増加の影響が減ることも確認できた。

 花粉の季節には、咳やくしゃみ、鼻水の症状が注目されるが、肌への影響も無視できないと言えそうだ。

参考文献

スギ花粉に含まれる抗原タンパク質「Cryj2」が皮膚バリア機能低下とシミ・くすみを引き起こす一因であることを解明
https://www.fujifilm.com/jp/ja/news/list/10806

マスク着用がニキビの原因に!マスクと肌荒れの関係を考える
https://biyouhifuko.com/news/research/536/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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