米国の美容関連施術トップ5、コロナ禍でトレンド変化、米国形成外科学会(ASPS)データ
ポイント
- 美容関連施術は2019年から22年の3年間で19%増加した
- 外科的手術と非外科的治療の両方の件数が大幅に増加している
- コロナ禍のマスク生活や体重の変動などにより施術のニーズが変化した
米国形成外科学会(ASPS)の発表している「最も受けられている施術」のデータを基に、米国における施術のトレンドを見ていく。
22年の施術件数は19年と比べて19%増
米国形成外科学会が、CosmetAssureおよびPatientNowと共同で行った調査結果を、2023年9月に報告している。このデータによると、米国で22年に実施された美容関連施術は2620万件で、19年と比較して19%増加していた。
2022年に行われた約150万件の外科的な施術の中で、トップ5は次の通りだった。
施術名 | 22年件数 | 19年比の増減 |
---|---|---|
脂肪吸引術 | 325,669件 | 23%増 |
豊胸術 | 298,568件 | 4%増 |
タミータック(腹部脂肪切除) | 161,948件 | 37%増 |
バストリフト(乳房吊上術) | 143,364件 | 30%増 |
眼瞼手術 | 115,261件 | 13%増 |
このほか学会によると、乳房縮小術は7万1364件に達し、19年から54%の急増を見せていた。
非外科的治療は約2370万件行われ、トップ5は次の通りだった。
施術名 | 22年件数 | 19年比の増減 |
---|---|---|
ボツリヌス療法 | 8,736,591件 | 73%増 |
ヒアルロン酸フィラー | 4,883,419件 | 70%増 |
スキンリサーフェシング | 3,322,292件 | ※ |
皮膚治療、コンビネーションレーザー | 2,915,199件 | ※ |
注射による口唇増大術 | 1,378,631件 | ※ |
※は前年調査対象ではなかった。
コロナ禍に目の手術が急増した
このほか約102万件の再建手術が行われ、トップ5は次の通り。
施術名 | 22年件数 | 19年比の増減 |
---|---|---|
腫瘍除去術 | 344,697件 | 2%減少 |
手の外科手術 | 204,412件 | ほぼ増減なし |
乳房再建術 | 151,641件 | 12%増 |
あごや顔面の手術 | 52,488件 | 29%減 |
瘢痕修正術 | 50,930件 | 9%減 |
新型コロナウイルス感染症の流行とマスク生活により、顔の中でも特に目立つ目の手術を受ける人が急増した。また、フェイスリフト手術や頬インプラントの件数も増えたという。さらに、体重の変動により、脂肪吸引術や、外科的な手術以外の手段による脂肪減少術のニーズも高まった。
ソーシャルメディアの影響で、特定の施術の増加も見られた。例えば、フィラーを使った口唇増大術や頬の脂肪除去術が増えたという。
コロナ流行による行動制限が緩和されて、マスク着用者も減っている。今後またニーズは変化する可能性もあるのだろう。
参考文献
American Society of Plastic Surgeons Reveals 2022’s Most Sought-After Procedures
https://www.plasticsurgery.org/news/press-releases/american-society-of-plastic-surgeons-reveals-2022s-most-sought-after-procedures
X世代が美容整形ブームの最前線、米国美容医療支出3兆円超、米国形成外科学会(ASPS)報告
https://biyouhifuko.com/news/world/4736/
2022年、美容医療の世界ランキング公開、第3位はまぶたの手術、第2位は豊胸術、前年に続く第1位とは?国際美容外科学会(ISAPS)調査
https://biyouhifuko.com/news/world/3331/
コロナ・パンデミックが世界の美容を変えた、その背景に韓国美容のトレンド
https://biyouhifuko.com/news/world/147/
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