ポイント
- 健康食品市場は緩やかながらも確実な成長を続けている。
- 健康や美容への関心の高まりでサプリメント形状の機能性表示食品が急拡大
- サプリメント形状の機能性表示食品が初めて健康食品の2割を超えた
健康食品市場の拡大が続く中で、「サプリメント形状の機能性表示食品」の存在感が高まっている。
2024年2月に矢野経済研究所が発表した調査結果によると、サプリメント形状の機能性表示食品が初めて健康食品全体の2割を超えたことが明らかになった。
美容ではヒアルロン酸やコラーゲンなど人気
健康や美容の意識が高まり、健康食品の市場は着実にその規模を拡大している。中でも、サプリメント形状の機能性表示食品の市場が急速に伸びているようだ。機能性表示食品は、国のルールに基づき、機能性を表示した食品だ。
機能性表示食品は多岐にわたる。その効果を上げると、筋肉や骨を強くする効果、視力への効果、代謝や体重への効果、心臓や血管への効果、胃腸への効果、睡眠への効果、免疫への効果などがある。
美容関連で言えば、ヒアルロン酸やコラーゲン、グリコシルセラミドなどが人気だ。
市場の動向を表にまとめると次の通りとなっている。
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度(見込) | 2024年度(予測) | |
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健康食品市場規模(百万円) | 865,990 | 882,500 | 886,060 | 899,510 | 912,870 |
健康食品市場の前年度比 | 100.4% | 101.9% | 100.4% | 101.5% | 101.5% |
(内数)機能性表示食品市場規模(サプリメント形状)(百万円) | 163,100 | 170,800 | 203,900 | 212,300 | 220,800 |
サプリメント形状の機能性表示食品の前年度比 | 118.1% | 104.7% | 119.4% | 104.1% | 104.0% |
健康食品市場における機能性比率 | 18.8% | 19.4% | 23.0% | 23.6% | 24.2% |
出典は矢野経済研究所。数値はメーカー出荷額ベース。23年度は見込み、24年度は予測。機能性表示食品は健康食品の内数で、調査では健康食品に店頭販売された商品のみを対象としている。
最新の22年度の情報によると、健康食品の市場前は前年比0.4%増の8860億円であるのに対して、サプリメント形状の機能性表示食品は前年比19.4%増えて、2039億円になった。健康食品の中の比率は23.0%となり、初めて2割を超えた。
サプリメントの2割が機能性表示食品
ヒフコNEWSで伝えたが、サプリメントの市場規模は約1兆円。今回の調査結果と合わせて単純計算すれば、サプリメント形状の機能性表示食品がこの2割を占めることになる。脂肪対策、筋肉サポート、ストレス緩和、睡眠サポートを目的とした製品が人気とされる。明確な効果が期待できるものが好まれている。この傾向からは、効果を明確に示せる機能性表示食品の存在をさらに高める可能性も考えられそうだ。
健康食品市場は、コロナ禍を過ぎて、生活の変化の影響を受けているようだ。例えば、運動する人が増えて、プロテインが人気になっている。アルコール対策ドリンクや、美容に関する食品もコロナ禍前のように注目されているという。販売する場所も変化している。通信販売から、ドラッグストアやコンビニエンスストアでの購入に移り、外国人観光客の購入も再び増えている。
今後、サプリメント形状の機能性表示食品をはじめ、健康食品への注目はさらに高まりそうだ。