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メイクアップ化粧品、コロナ前水準への回復続く、つや感や色味に関心、ボディケア製品も旅行やレジャーなどで人気高まる、富士経済がトレンド分析

カレンダー2024.7.13 フォルダー 国内
化粧品のトレンドとは。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

化粧品のトレンドとは。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 メイクアップ化粧品が使われる機会はコロナ禍で大きく減っていたが、コロナ前の水準へと回復しつつある。富士経済は2024年7月9日、メイクアップ化粧品およびボディケア用品の国内市場が大幅に拡大していることを発表した。

つや感や色味を重視するトレンド

メイクへの関心が高まる。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

メイクへの関心が高まる。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 23年のメイクアップ市場拡大理由→新型コロナウイルス感染症の外出制限が解かれ、外出機会が増加
  • 需要が顕著に伸びた商品→ファンデーション、メイクアップベース、リップカラー、アイメイク
  • 人気のアイテムの特徴→ロングラスティング効果、つや感、色味を重視する傾向
  • 高価格帯アイテムの人気→韓国コスメやインフルエンサーブランドで複数色を購入するケースが増加
  • ポイントメイクの人気→リップグロスやプランパーでつや感やボリューム感を出すリップメイクが人気

 富士経済によると、メイクアップ化粧品市場は、24年には前年に比べて9.5%増の6233億円、ボディケア用品市場は4.0%増の2825億円に達すると予想されている。メイクアップ化粧品市場はコロナ前の19年に約7000億円だったため、まだその水準まで達していないものの、コロナ禍には5000億円を下回っていたので、着実に回復に向かっているといえる。

 23年は新型コロナウイルス感染症の外出制限が解かれ、外出機会が増加したことからメイクアップ化粧品市場が拡大した。特にファンデーションやメイクアップベース、リップカラーの需要が顕著に伸び、アイメイクもマスク生活からの変化により需要が高まった。

 塗布した状態が長続きするロングラスティング効果、つやなどの質感、色味を重視する傾向が高まり、高価格帯のアイテムが人気だという。韓国コスメやインフルエンサーブランドで複数色を購入するケースも増えているようだ。マスクが不要となり、顔全体を見せる機会が増えたため、回復が遅れていたベースメイクのアイテムも伸びている。

 24年には、メイクアップを楽しむ消費者が増え、複数商品を購入する傾向が続くと見られている。つやが重視されつつも、セミマットながらつやもあるアイテムなどバリエーションが増えそうだ。

 ポイントメイク(アイシャドウ、アイライナー、アイブロウ、マスカラ、チークカラー、リップカラー、ネイルカラー・ネイルケア)は従来、マスクを外し始めた段階でニーズが高まっていたが、引き続き人気が高まっている。リップグロスやプランパーでつや感やボリューム感を出すリップメイクが人気であるほか、眉の印象を抑える「うす眉メイク」などがトレンドになっている。24年は質感や色味への関心が引き続き高まっていくと見られている。

日焼け対策やスキンケアの関心高まる

リップクリームなど需要増える。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

リップクリームなど需要増える。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 23年に需要が大幅に増加した商品→サンタン、サンスクリーン、リップクリーム
  • 人気のサンスクリーンタイプ→スティックやミストタイプのサンスクリーン、トーンアップ効果を持つアイテム
  • 好調なサンスクリーン市場→耐水性やスプレータイプの商品、紫外線対策、スキンケア、環境配慮型が注目

 ボディケア用品市場も、外出機会の増加とインバウンド需要の回復により拡大傾向にある。23年は、サンタン、サンスクリーン、リップクリームの需要が大幅に増加し、市場規模は成長を続けた。特に、塗り直しがしやすいスティックやミストタイプのサンスクリーン、トーンアップ効果を持つアイテムが人気を博した。

 24年には、旅行やレジャーシーンの回復からサンタンやサンスクリーンの需要が引き続き伸びると予想される。また、リップクリームやボディシャンプーではスキンケア効果を持つ付加価値商品の投入が相次ぎ、市場拡大が続く見込みだ。

 サンタンやサンスクリーンの市場は、耐水性やスプレータイプの商品が好調で、紫外線対策のみならずスキンケアや環境配慮型が注目される。リップクリーム市場も、唇の乾燥ケアやカラーリップの需要が高まっており、付加価値商品の好調が続くと見られる。

 こうした化粧品のトレンドから、肌の質感や顔全体のバランスなど、美容への関心が次第に高まることも予想される。これは美容医療のトレンドにも影響を与える可能性がある。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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