スキンケア製品を使うことが肌質の改善につながることは当然かもしれないが、それだけでなく、自己評価や性的満足度の向上にもつながる可能性がある。米国イリノイ大学などの研究グループが2024年7月に報告した。
スキンケア製品の効果は肌質改善のほかにも?
研究グループによると、肌の老化は、紫外線、喫煙、肌のタイプ、遺伝などのさまざまな要素が絡み合って進行すると説明されている。
スキンケア製品は、表皮や真皮の再生を促す成分を組み合わせており、これにより肌質を改善する。含まれる植物成分は、肌への効果だけではなく、気分の向上などの効果も持っているとされている。
今回の研究では、40人の女性を対象に4〜8週間にわたり、特定のスキンケア製品を使用してもらい、皮膚の質や見た目の変化を評価した。女性は、紫外線や喫煙を避けるなどの条件を守りながら、ランダムに割り当てられた2つのグループに分けられた。一方のグループには実際のスキンケア製品、もう一方のグループにはプラセボ(偽の製品)が提供された。
評価には、写真撮影と、第三者による肌質の評価、第一印象の評価、自己評価、性的満足度に関するアンケートも含まれた。肌質の評価は、均一性、滑らかさ、輝き、潤い、乾燥といった複数の観点から行われた。
こうしてスキンケア製品を使ったグループと、プラセボを使ったグループを比較した。
スキンケア製品が性的満足度向上にもつながる
結果として、スキンケア製品を使うことで、肌質の改善に加えて、心理的、社会的な効果が現れることが確認された。
具体的には、皮膚の均一性が平均で40%、滑らかさが30%、輝きが35%、潤いが25%、乾燥が20%改善された。プラセボグループと比較して、スキンケア製品を使用したグループではこれらの改善が顕著であった。
また、第三者による第一印象の評価も向上し、見た目が平均3歳若返ったと評価された。
さらにスキンケア製品を使用した参加者の86%が自信が増したと報告。製品の使用後に性的な満足度やパートナーとの親密さが向上したと報告し、性的興奮度やオーガズムの質などのアンケート項目のうち90%で改善が見られた。プラセボグループではこれらの改善は見られなかった。
この研究は、スキンケア製品が単に外見を改善するだけではない効果があると示している。スキンケアの大切さを理解する上で参考にしてよいかもしれない。