腰回りの脂肪の減少と筋肉の増強をHIFEM(高強度焦点式電磁波治療)と高周波の相乗効果によって達成できることが明らかになった。非外科的アプローチで引き締まった体型を実現する方法の一つとして注目されている。
米国の研究グループが2024年8月に美容外科の医学誌に報告している。
厄介な腰回りの脂肪
体型を引き締めるために美容医療の力を借りることができる。運動や食事制限では、特定の部位の脂肪を減らすことが難しいため、美容医療が助けとなる。例えば、腰回りの脂肪などは減らすのが厄介だ。
こうした脂肪を減らす手段の一つとして、HIFEM(高強度焦点式電磁波治療)と高周波(ラジオ波、RF)を組み合わせた治療が(商品名EMSCULPT NEO)実用化されている。筋肉強化と脂肪減少を同時に狙うのが特徴だ。
HIFEMの技術は、電磁場を利用して筋肉を強力に収縮させるものである。この技術によって引き起こされる「超極大筋収縮」は、通常の運動以上の負荷が筋肉にかかるため、筋肉を強化し、成長させる効果がある。また、高周波は、脂肪組織を加熱し、脂肪細胞を自然に減少させる効果がある。
米国の研究グループは、73人を対象に、HIFEMとRFを組み合わせた治療を毎週30分ずつ4回行い、1カ月後と3カ月後にMRIを用いて効果を評価した。
筋肉を強化しつつ脂肪を減らす
結果として、筋肉を強化し、脂肪を減らす効果が確認された。具体的には、筋肉の厚さと断面積がそれぞれ27.2%と29.0%増加し、脂肪組織の断面積が30.5%減少し、厚さが28.8%減少したことが確認された。これらのデータは、筋肉の増強と脂肪の減少が同時に達成できることを示しており、非外科的な体型改善法として非常に有望である。
副作用として、治療中、一人に治療部位に水ぶくれが発生した。これは通常の経過で、追加の治療を要することなく回復した。別の被験者には、2回目の治療の翌日に軽度の局所的な発赤(赤み)が見られた。これは1日以内に自然に消失。その後の治療を問題なく続けることができた。これらの結果から、治療は安全であり、深刻な副作用が発生しなかったと研究グループは評価している。
この技術は、非外科的な痩身治療として、特に腰回りのシェイプアップに有効である可能性がある。以前にも、HIFEMと高周波を組み合わせた治療効果についての研究が報告されており、6か月間の持続的な効果が確認されている。この研究では、9割以上の被験者が満足し、非外科的アプローチの有効性が報告されていた。
今回の研究結果もこれを支持するものであり、さらなる研究が、今後の治療法の発展に寄与することが期待される。